令和4年10月7日
全国旅行支援、独自で上乗せも
観光客誘客に工夫―自治体
新たな観光需要喚起策「全国旅行支援」が11日から始まる。
国が1人1泊当たり最大1万1000円を補助するが、一部の都道府県では自前で独自の支援策を行い、上乗せする。
対象旅行先が全国となるだけに、都道府県側も他の自治体より多くの観光客に来てもらえるよう
「インセンティブ(動機付け)が必要」(ある県の担当者)と考え、工夫する動きが出ている。
全国旅行支援は、東京都を除く46道府県が11日からの実施に向け準備を進めている。
都は準備が間に合わないとして、20日から始める。
このため、都内向けの旅行の場合、支援が適用されるのは20日からとなる。
割引率は40%で、鉄道やバス、航空などの公共交通と宿泊がセットの旅行商品について、
1人1泊当たり最大8000円、宿泊のみは同5000円を補助する。
飲食店や土産店で使えるクーポンも平日は3000円分、休日は1000円分を配る。
全国旅行支援の開始を機に、2021年に世界自然遺産に登録された奄美大島や徳之島がある鹿児島県は、離島への観光を促進する。
旅行の目的地が離島の場合、割引上限額について、公共交通と宿泊がセットの旅行商品は1人1泊当たり
最大1万1000円、宿泊のみは同7000円にそれぞれ引き上げる。
国の事業で配られるクーポンに上乗せする自治体もある。
岡山県は、子育て世帯が休日に県内を旅行すれば、高校生以下の子ども1人につき1泊3000円分のクーポンを追加する。
一方、福井県は70歳以上の高齢者が平日に県内を旅行する場合、1人1泊1000円分のクーポンを上乗せする。
また、地域独自のクーポンや割引券を作る自治体もある。
長野県は、県内の事業者が運行するタクシーなどで利用できる1000円分の交通クーポンを作製。
鳥取県は、県内の観光施設や観光体験などの利用料金を1000円を上限に4割引きする割引券を発行する。
いずれも1泊すれば1人につき1枚配布する。
全国旅行支援
全国旅行支援 菅内閣が2021年4月に始めた地域限定の観光需要喚起策「県民割」の拡大版。
岸田文雄首相は今年7月の開始を目指したが、新型コロナウイルスの感染「第7波」を受けて先送りしていた。
安倍内閣時代の20年7月にスタートし、「第3波」到来により同年末に停止された
「Go To トラベル」の後継事業とも位置付けられる。