令和4年9月1日
デジタル庁
自治体に住民幸福度計測ツール提供=魅力的なまちづくり後押し
デジタル庁は、住民の健康面や精神面の幸福度を示す
「ウェルビーイング指標」を計測するツールの提供を始めた。
岸田政権が掲げるデジタル田園都市国家構想の一環で、オンライン上で無料でダウンロードできる。
オープンデータを活用し、自治体ごとに「医療・健康」「子育て」など要素別の「偏差値」をレーダーチャートなどにまとめた。
デジタル技術を活用した魅力的なまちづくりに役立ててほしい考えだ。
計測ツールは一般社団法人スマートシティ・インスティテュートと連携して構築。
ウェブサイトからデータファイルを入手し、所属する市区町村を選択すると図やグラフが表示される。
ウェルビーイング指標は大きく
「心」「行動」「環境」の3領域に分かれる。
デジタル庁はまず、環境領域として地域の生活環境を把握する指標の計測ツールの提供を始めた。
国の統計資料といったオープンデータなどに基づき算出した「医療・健康」「介護・福祉」「子育て」など22要素の偏差値のレーダーチャートについて、
市区町村ごとに見ることができる。
また「健康寿命」「人口当たりの児童福祉施設数」など22要素の基礎となる項目別偏差値の折れ線グラフも表示。
これにより、まちの特徴に関する詳細な分析が可能となる。
従来のまちづくりは、各自治体が教育や医療など個別事業ごとに重要業績評価指標(KPI)を設定することが多かった。
これに対し、ウェルビーイング指標は、魅力的なまちづくりを目指す上で総合的な観点から評価を可能にする。
政府はデジタル田園都市国家構想の推進交付金の「タイプ2」「タイプ3」を採択し、
複数のデジタル技術を連携させて新たなサービス提供を目指すといった自治体を中心に、同指標の活用を促す。
デジタル庁はツールを活用することで、各自治体に対し、これまで見えなかった課題やニーズを把握した上で、
住民の幸福度を高めるための独自の施策を打ち出してもらいたい考え。
今後、「心」と「行動」の領域の指標を計測するツールも順次、公開する見通しだ。