令和4年10月14日
財務省
臨時交付金、6割が効果公表せず=自治体収支改善で縮減・廃止を
財務省は、新型コロナウイルスに対応するために自治体に配分している地方創生臨時交付金について、
6割の自治体が事業効果に関する情報を明らかにしていないとの分析資料を示し、速やかな公表を求めた。
また2020年度の決算で、過半数の自治体が単年度収支と財政調整基金の増減額の合計が黒字だったと指摘。
臨時交付金を縮減・廃止していく必要があると主張した。
13日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)財政制度分科会で同省が説明した。
臨時交付金には、地域の実情に応じた新型コロナ対策に活用できる地方単独分と、
営業時間短縮要請に応じた飲食店への協力金に充てる協力要請推進枠、物価高に対応するための価格高騰重点支援地方交付金などがある。
20~22年度の補正予算や予備費で、これまでに計16.4兆円が措置された。
国は臨時交付金を活用した事業の実施状況と、その効果を公表するよう自治体に要請しているが、
全都道府県と市区町村のうち、47%が実施状況を明らかにしていなかった。
また、20年度に完了した事業について、61%の自治体が効果を公表していなかった。
公表しない理由として
「21年度以降も類似事業を実施し、コロナが終息しない中で効果測定ができない」
「効果の発現に時間を要する」といった内容が目立ったという。
同省は、地域住民が事業の実施状況や効果を把握できるよう速やかに公表し、事業の定量的評価を行うほか、外部評価も受けるよう求めた。
類似事業を実施している自治体に関しても一定期間の効果を検証し、支援内容を見直すよう提案した。
20年度の単年度収支と基金増減の合計額の分析では、
都道府県の83%
地方交付税の交付団体の66%、
不交付団体の67%で黒字を計上していたことが判明。
単年度収支が黒字かつ基金も増加していた団体は、都道府県の60%、交付団体の41%、不交付団体の40%だった。
同省は国から地方へ多額の財政移転を行った結果、国の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)は大幅に悪化していると指摘。
新型コロナ対策が新たな段階に移行していく中で、臨時交付金の縮減・廃止を検討し、国と地方の負担の在り方を見直すよう訴えた。
資料
○財政制度等審議会財政制度分科会(10月13日)・地方財政
○財政制度等審議会財政制度分科会(10月13日)・地方財政(参考資料)
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