ノイバラ山荘

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映画「かいじゅうたちのいるところ」

2010-01-29 20:01:10 | 映画

映画「かいじゅうたちのいるところ」を観てきました。
あの絵本がどんな映像になっているのだろう?! わくわく♪
公式サイトを何度も眺め、昨年から楽しみにしていたので、
まだ本調子ではないのですが、立川シネマシティまで出かけました。


今日はワンコのバッグがお供です♪
お腹と背中と足にホカロンを貼り付けて、防寒も万全。
あまり混んでいなくて、ゆっくりと観られました。


結果・・
何だか、とても悲しくなりました。
やはり「原作を読んだものは映画を観ない」という
いつものルールを守ったほうがよかったかも・・。

主人公マックス役のマックス・レコーズは上手だったし、
着ぐるみのかいじゅうもよかったのですが、
かいじゅうたちの世界の描き方が・・。

原作のもつ単純さとほのぼのとした温かさが大好きなのですが、
映画では生臭い社会の複雑さと人間存在の難しさがもちこまれて、
がっかりしてしまいました。
何も狼の着ぐるみを着たマックスと
かいじゅうたちが出てくる必要もない話です。
かいじゅうたちと遊ぶマックスはあまり楽しそうではなかった。
彼の獣性を爆発させるべきところで、小賢しく立ち回ってしまっています。

1冊の絵本を長時間の映像にするという難しさはあるでしょうけれど、
40年以上たって社会状況が変化した現在でも
この絵本が支持されているというのは、
この単純さと温かさが愛されているのだと思います。
同じ設定で、もっと違った描き方が出来たのではないでしょうか。

最後にマックスがかいじゅうたちと別れるところも、
「ぼくは王様ではなくてただのコドモだから人間の世界へ帰るよ」
といった感じで、かいじゅうたちをそのままほったらかして
達成感もなくさっさと去るのが、えっ、と肩透かしを食らった感じです。
かいじゅうたちとのふれあいこそが
映画でふくらませることができる部分なのに。

ただのコドモ・・そのただのコドモの想像力でかいじゅうの王様になって、
どんちゃん騒ぎをやって、そしてママのもとへ帰るんでしょう。
絵本を読んだただのコドモはどんなに勇気づけられることか!

コドモ目線の絵本が、大人目線のお話に書き換えられてしまったような
もどかしさを感じました。

大好きな絵本だっただけに期待が大きく、
失望感もまた大きかったのかもしれません。

「マルコビッチの穴」は面白かったけれど、スパイク・ジョーンズ監督の、
この作品は成功したとは思えません。