またまた『二宮冬鳥全歌集』です。
本日は第4歌集『日本の髪』(昭38)第5歌集『南脣集』(昭39)、
2歌集を読みました。
これで残るはあと2歌集(-ω-; ふー
1日1000首は読めるのではないかとがんばってみたら、
合わせて1100首でした。\(´;ω;‘)/わーすごい
途中、行き戻りつつ「靴」と長女「草子(かやこ)」さんの歌などを
拾っていたりもしたので、時間が余計にかかりましたが。
第4歌集『日本の髪』はアメリカ、ヨーロッパの海外詠。
昭和36年、ベネチアの国際病院連合に日本代表として出席され、
ついでに3ヶ月間欧米を旅された折の歌。
・耳遠く時になりつつジェット機の音を伝ふる欧氏管あり
欧氏管とは耳管のこと。
耳管が出て来るとは、さすがお医者さん。
・黄緑に静かなる塔を陰惨のごと言ひしとき漱石病めり
・眼鏡の目ほそめてきたるオランダの一少女草子にあはぬひと月
草子さんは眼鏡をかけていらしたらしく、
そういう御歌がほかにもあります。
第5歌集『南脣集』は実質上、第3歌集『黄眠集』の続き。
『日本の髪』が海外詠だからか、東京・京都を始めとして
日本各地の旅行詠が多いという印象でした。
「きさらぎ詠草」より。
・音たてて足より雀とびたてりつれそひて二つたてるあはれさ
足、とは足元のことでしょうか。同じことはよく経験
しますが、こんなに無駄なく表すのは難しいです。
・芽のいづるまへの枝ほそく垂りながら柳と雨のあし並行す
先日の国立博物館のお庭の柳を思い出しました・・。
「晩冬蓼科」より。
・あららぎの木もおぼえつつ遠き国に木をひきてゆく祭にあへり
蘭(あららぎ)は一位(イチイ)の別称。
北海道から本州中・北部に自生するとあるので、
冬鳥さんの出身地愛媛県にもお住まいの福岡県にも
あまりない木なのでしょう。
・雪のこる頂あはき原のうへ歌をとどめて立てる石まで
歌をとどめて立てる石・・歌碑のことかな・・。
・遠き国きたりて雪のある斜面いのちをとはと思ふことなし
下句、意外で印象的。
・二十年すぎてきたれる山のうみ立ちゐるときに水はにほはず
これも下句がうまい・・座るか、歩いて近づくか
すると水が匂うのですね。冬鳥さんには、
「思ふことなし」とか、否定の形が多い気がしました。
否定することで、かえって印象付けられるのです。
・樹木いまだ芽ぶかぬ斜面かりそめの部屋を清めて雪のこりたり
かりそめの部屋とは借りて宿泊していた部屋でしょうか。
窓の外に広がる雪景色を想像しました。
1度読んだ歌集も1度ではなかなか歌が把握できずに、
何度も読み返したりテーマ別の歌を拾ったりしているうちに、
ようやく冬鳥さんの人生と歌が頭に入ってきました。
とても具体的な歌なので、私生活で何があったかの把握が
歌の理解のうえで必要不可欠なのですが、にもかかわらず、
あちこち飛ばし読みをしたせいで時系列がごちゃごちゃになり、
冬鳥さんの年齢による変化がうまく読み取れませんでした。
ともかくも、あと数日で全部読めると思います。
今月は2度も詠草作りがあるので、他にも読まねばならず、
もたもたしているわけにはいかないのですが。
がんばります (´・ω・`) ←せっかちだがとろい
本日は第4歌集『日本の髪』(昭38)第5歌集『南脣集』(昭39)、
2歌集を読みました。
これで残るはあと2歌集(-ω-; ふー
1日1000首は読めるのではないかとがんばってみたら、
合わせて1100首でした。\(´;ω;‘)/わーすごい
途中、行き戻りつつ「靴」と長女「草子(かやこ)」さんの歌などを
拾っていたりもしたので、時間が余計にかかりましたが。
第4歌集『日本の髪』はアメリカ、ヨーロッパの海外詠。
昭和36年、ベネチアの国際病院連合に日本代表として出席され、
ついでに3ヶ月間欧米を旅された折の歌。
・耳遠く時になりつつジェット機の音を伝ふる欧氏管あり
欧氏管とは耳管のこと。
耳管が出て来るとは、さすがお医者さん。
・黄緑に静かなる塔を陰惨のごと言ひしとき漱石病めり
・眼鏡の目ほそめてきたるオランダの一少女草子にあはぬひと月
草子さんは眼鏡をかけていらしたらしく、
そういう御歌がほかにもあります。
第5歌集『南脣集』は実質上、第3歌集『黄眠集』の続き。
『日本の髪』が海外詠だからか、東京・京都を始めとして
日本各地の旅行詠が多いという印象でした。
「きさらぎ詠草」より。
・音たてて足より雀とびたてりつれそひて二つたてるあはれさ
足、とは足元のことでしょうか。同じことはよく経験
しますが、こんなに無駄なく表すのは難しいです。
・芽のいづるまへの枝ほそく垂りながら柳と雨のあし並行す
先日の国立博物館のお庭の柳を思い出しました・・。
「晩冬蓼科」より。
・あららぎの木もおぼえつつ遠き国に木をひきてゆく祭にあへり
蘭(あららぎ)は一位(イチイ)の別称。
北海道から本州中・北部に自生するとあるので、
冬鳥さんの出身地愛媛県にもお住まいの福岡県にも
あまりない木なのでしょう。
・雪のこる頂あはき原のうへ歌をとどめて立てる石まで
歌をとどめて立てる石・・歌碑のことかな・・。
・遠き国きたりて雪のある斜面いのちをとはと思ふことなし
下句、意外で印象的。
・二十年すぎてきたれる山のうみ立ちゐるときに水はにほはず
これも下句がうまい・・座るか、歩いて近づくか
すると水が匂うのですね。冬鳥さんには、
「思ふことなし」とか、否定の形が多い気がしました。
否定することで、かえって印象付けられるのです。
・樹木いまだ芽ぶかぬ斜面かりそめの部屋を清めて雪のこりたり
かりそめの部屋とは借りて宿泊していた部屋でしょうか。
窓の外に広がる雪景色を想像しました。
1度読んだ歌集も1度ではなかなか歌が把握できずに、
何度も読み返したりテーマ別の歌を拾ったりしているうちに、
ようやく冬鳥さんの人生と歌が頭に入ってきました。
とても具体的な歌なので、私生活で何があったかの把握が
歌の理解のうえで必要不可欠なのですが、にもかかわらず、
あちこち飛ばし読みをしたせいで時系列がごちゃごちゃになり、
冬鳥さんの年齢による変化がうまく読み取れませんでした。
ともかくも、あと数日で全部読めると思います。
今月は2度も詠草作りがあるので、他にも読まねばならず、
もたもたしているわけにはいかないのですが。
がんばります (´・ω・`) ←せっかちだがとろい