ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

複合不況 宮崎義一

2010-04-19 12:36:00 | 
もっと易しく書いて欲しかった。

そりゃ確かに私のマクロ経済に関する理解は浅い。統計学は苦手で赤点スレスレの成績だったと記憶している。その後も、それほど努力して学んだ覚えがない。

でも、そこそこの経済知識はあると思うし、多分平均以上の知識はあると思う。それでも私はこの本を理解するのに苦しんだ。正直、今でも理解しているとは言いがたい。ただ、表面上の字ズラを追っているだけだと思う。

じっくり考えて、つくづく思うのだけれど、経済ってやつは沢山の要因が絡まり、影響しあって作られる。複合しているのが当然のものだ。

もちろん石油価格の高騰や、為替レートの予想外の暴落など単一の要因をもって経済の動きを説明できることもある。しかし、多くの場合は多様な要因が影響し合い、複雑な流れと澱みを起して我々の眼に触れる。

不況という現象を紐解いてみれば、たった一つの事柄が主要因であることのほうが稀なのだろう。つまり複合不況は当然の現象なのだ。とりわけ今日のように、市場の変動を考慮に入れた先物取引や為替予約などの金融技術が発達し、さらにデリバティブ(金融複合商品)が過剰に膨らみ、投資家でさえ市場の流れが読み難い以上、経済の変動は複雑に絡まりあっているのが常態になっている。

敢えて言いますが、それを分りやすく説明するのが経済学者のやるべきことではないのか。

そう考えると、表題の本は問題があると思う。暴言との誹りを受けるのを覚悟して言いますが、この本を読んだ人で、完全に理解したと公言できる人は稀だと思う。

ただ読んだだけで、漠然とわかったような気持ちになっただけの人のほうが圧倒的に多いと思う。恥を忍んで言えば、私もそうだった。

私はこの著者の他の本も数冊読んでいるが、これほど分りにくくはなかったと思う。専門家なら難しいことを易しく解説してほしいもの。だって、これ新書でしょ。専門書ならイザ知らず、普通の人こそ新書から読むのだから、もう少し分りやすい表現にして欲しかった。

でも、この本売れたんですよね。みんな分ったのかなぁ?

ってこれ禁句?!
コメント
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