ヌマンタの書斎

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桐生市中学生事故死に思うこと

2012-09-12 12:06:00 | 社会・政治・一般

仕事場で死傷事故があった以上、非難されるのは仕方ない。

ただ、いささか違和感はある。先月のことだが、群馬県桐生市で中学生が体育館の解体現場での事故で亡くなった。学校側は、その生徒が工事を請け負った解体業者の下で働いていたことを了承していたようだ。

それどころか、延べ17人もの中学生が働いていたことが判明し、学校が非難されているという。解体業者のほうでは、不登校などの生徒を学校側に頼まれて受け入れていたとの発言もあるところをみると、学校、生徒、業者いずれもが了解の上での労働だったのだろう。

義務教育である中学へ通わず、解体現場で働くことを勧める学校への非難もあるようだ。また、そんな幼い子供を危険な解体現場で働かせていた業者への非難も、相当にあると聞いている。

危険性の高い解体現場での中学生の死亡事故だけに、非難されるのは当然だと思う。しかし一方で私は当初から、それほど簡単に白黒つけられるような事件なのか、いささか疑問に思っていた。

たしかに義務教育のある中学生が、学校にも通わずに働いていること事態は、やはり問題がある。だが、そりゃ外野の取り澄ました意見に過ぎないように思う。自宅にひきこもっている子ならともかく、荒っぽい建築現場で働いているところからして、おそらくは所謂不良(ヤンキー)なのだろう。

中学の頃から不良の仲間入りするような子供は、まともに授業なんちゃ受けやしない。いや、学校に来れば来たで喧嘩だ、タバコだ、シンナーだと問題を起こす。かといってほっておけば、盛り場をうろつき、チンピラ化していく。

こんなヤンチャな子供は、大工などの職人の世界に叩きこんで、仕事のイロハ、大人社会の礼儀作法を拳骨で叩きこむのが一番の教育だ。そう考えた末に、学校、生徒、業者皆が了解の上での職場体験だったのだろう。

これって悪いことなのか?

勉強に興味がない子に授業を無理矢理受けさせても無駄だ。むしろ騒ぎを起こしたりして、授業の妨げになるほうが多い。私のかつての級友には、この手のヤンキーたちが沢山いた。

中学で既に不登校になる強者もいて、たまに会う時は公園か、盛り場ばかり。シンナー臭かったりして危険な奴もいたし、年上の女性に飼われている、いわゆるツバメ君もいた。学校に行く気もないし、仕事も面倒くさいとぼやくだけ。

私は内心、こんな奴らは職人の弟子にして、鉄拳教育で働かせるのが一番イイだろうと思っていた。新聞で、低賃金の未熟練労働者を学校が作ってどうするといった非難が掲載されていたが、それこそお門違い。

世の中、案外と義務教育さえ満足に受けていない人はいる。彼らが皆、低賃金の末端労働者だと思ったら大間違いだ。たしかに学力は低いし、教養にも乏しい。常識さえ怪しい人は、けっこういる。でも、腕一本で生きてきた逞しさは尋常ではないし、親方や会社社長にまで成り上がった強者数知れずだ。

実際、うちの事務所の顧問先でも、学校に満足に通わずに社長になったり、親方になっている御仁は何人もいる。高等教育がなくても、立派に人生の勝者になっていると本人たちも自覚している。そこまでいかなくても、職人として自分の腕に誇りをもって生きている人は少なくない。

なにも皆が皆、高等教育を受けてエリートサラリーマンを目指す必要はないと思う。

ただ、今回残念なのは、危険だと分かっている解体現場で働かせ、十分安全に目を配らなかったことだ。こればっかりは非難を免れない。

私としては、今後もこのような不登校児の職場体験は続けて欲しいと思います。少なくても、自宅に引きこもりさせたり、あるいは盛り場のチンピラ予備軍化させるよりも、はるかに良いことだと思います。

コメント (1)
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