今、日本では10軒に一軒が空き家だと云われている。
地域差もかなりあると思うが、東京の23区に住む私には実感できる数値でもある。それどころか、仕事で東京近郊の町を訪れれば、それ以上に空き家が多い現実に気付かされる。
少子高齢化の影響でもあり、はっきり云えば土地と家が余りつつある。
この空き家の増加はゴーストタウン化の第一歩であると同時に、治安悪化の象徴でもある。この恐ろしさが広まらないことに私は苛立ちを禁じ得ない。
空き家が増える理由は様々だ。まず、家を相続する子供がいないことが挙げられる。既に持ち家があり、通勤の便を考えると、実家に越す気になれない。さりとて貸家にするのも不安だし、売りに出すのも躊躇う。こんな曖昧な理由で空き家になっているケースは少なくない。
また、相続がまとまらずに放置されているケースもある。更に困るのは、空き家の持ち主が所在不明の場合だ。おかげで電気などは止められ、固定資産税は滞納。自治体から仮差し押さえを食らっている場合もある。
人が住まなくなった家は荒れる。母が長期入院していたため、私の実家も空き家状態が長く続いているので、荒れないように時たま手入れをしている。空気が澱まぬ様に一部の窓を開けっ放しにしているせいで、埃がたまりやすい。
また水回りや、ガス、電気も時々使っておかないと、故障が増える。家の管理はけっこう手間がかかる。たぶん、少しずつ家が痛んでいると思う。一応、世田谷の閑静な住宅街なのだが、実は向かいの家も空き家だ。身近なところに、次第に空き家が増えているようで寂寞感を拭いきれない。
日本各地で似たような状況が増えている。ただ、あまり積極的に話題になることは少ない。なにしろ、そこに今、住んでいる人たちにとっては楽しい話題ではない。出来たら触れずに置きたい話題でもある。
また、不動産業界にとっては死活問題でもある。空き家が増えているという状況は、不動産業界にとって住宅価格、土地価格の下落を予感させる嫌なニュースに他ならない。だから、触れたがらない。
もちろん、これを好機と捉えて不動産購入に走る業者もいる。ただ、彼らの視点はシビアだ。再開発の余地があり、利益が出ると見込まない限り手を出さない。条件の悪い空き家なんか、目にも留まらない。
結果、空き家は増える一方であり、その空き家を舞台にした犯罪も増える一方だ。
これは空き家先進国(?)アメリカで散々起きた現象でもある。空き家が増えると、治安が悪化し、他の家まで転居してしまい、気が付いたらゴーストタウンと化し、犯罪の拠点とされる。
アメリカは、このゴーストタウンの再開発に相当苦労している。地元住民の協力と政府の法整備と行政指導、民間業者の巧みな誘導などが上手くかみ合わないとならない。
果たして日本は、どう対処するのであろう。地名は出せないが、既に空き家に外国人などが合法違法を問わず入り込んでしまった地域もある。地元自治会はもちろん、警察や消防も困惑している。
私もこの目でみて驚いたが、異国情緒が漂う不思議な活気がある一方で、路地裏などにいささか不気味さを感じたのも確か。地元の不動産オーナーに聞くと、いろいろと困った状況が出ていて、困惑を禁じ得ないと嘆く。先祖代々の地ではあるが、売却も考えているらしい。でも、収益が上がっているのも事実なので、悩ましいところであることは間違いない。
私の予測では、都市部及びその周辺では既に現在進行形であり、そう遠くない将来は農村部でも起こる現象だと思う。
現在、衆議院選挙を迎えて政策論議が喧しいが、このような住宅空洞化の問題が議論されることは希だ。
この対応には政府の力が必要不可欠だ。まず借地借家法の再改正、そして欠かせないのが都市計画法及び農地法の改正だ。経済が右肩上がりの時の状況下で作られた法律が、この住宅空洞化問題の解決の障害となっている。
社会の変化に合わせて法律も変えていかないと、事態は悪化するばかりだ。にもかかわらず、この問題が大きく取り上げられることは少ない。
既に困っている人はいるが、まだ少数だ。多分、そのような人たちが多数に上らない限り、政府はなにもしないで済ませるだろう。まァ、だいたい、そのような時は手遅れなんですけどね。
地域差もかなりあると思うが、東京の23区に住む私には実感できる数値でもある。それどころか、仕事で東京近郊の町を訪れれば、それ以上に空き家が多い現実に気付かされる。
少子高齢化の影響でもあり、はっきり云えば土地と家が余りつつある。
この空き家の増加はゴーストタウン化の第一歩であると同時に、治安悪化の象徴でもある。この恐ろしさが広まらないことに私は苛立ちを禁じ得ない。
空き家が増える理由は様々だ。まず、家を相続する子供がいないことが挙げられる。既に持ち家があり、通勤の便を考えると、実家に越す気になれない。さりとて貸家にするのも不安だし、売りに出すのも躊躇う。こんな曖昧な理由で空き家になっているケースは少なくない。
また、相続がまとまらずに放置されているケースもある。更に困るのは、空き家の持ち主が所在不明の場合だ。おかげで電気などは止められ、固定資産税は滞納。自治体から仮差し押さえを食らっている場合もある。
人が住まなくなった家は荒れる。母が長期入院していたため、私の実家も空き家状態が長く続いているので、荒れないように時たま手入れをしている。空気が澱まぬ様に一部の窓を開けっ放しにしているせいで、埃がたまりやすい。
また水回りや、ガス、電気も時々使っておかないと、故障が増える。家の管理はけっこう手間がかかる。たぶん、少しずつ家が痛んでいると思う。一応、世田谷の閑静な住宅街なのだが、実は向かいの家も空き家だ。身近なところに、次第に空き家が増えているようで寂寞感を拭いきれない。
日本各地で似たような状況が増えている。ただ、あまり積極的に話題になることは少ない。なにしろ、そこに今、住んでいる人たちにとっては楽しい話題ではない。出来たら触れずに置きたい話題でもある。
また、不動産業界にとっては死活問題でもある。空き家が増えているという状況は、不動産業界にとって住宅価格、土地価格の下落を予感させる嫌なニュースに他ならない。だから、触れたがらない。
もちろん、これを好機と捉えて不動産購入に走る業者もいる。ただ、彼らの視点はシビアだ。再開発の余地があり、利益が出ると見込まない限り手を出さない。条件の悪い空き家なんか、目にも留まらない。
結果、空き家は増える一方であり、その空き家を舞台にした犯罪も増える一方だ。
これは空き家先進国(?)アメリカで散々起きた現象でもある。空き家が増えると、治安が悪化し、他の家まで転居してしまい、気が付いたらゴーストタウンと化し、犯罪の拠点とされる。
アメリカは、このゴーストタウンの再開発に相当苦労している。地元住民の協力と政府の法整備と行政指導、民間業者の巧みな誘導などが上手くかみ合わないとならない。
果たして日本は、どう対処するのであろう。地名は出せないが、既に空き家に外国人などが合法違法を問わず入り込んでしまった地域もある。地元自治会はもちろん、警察や消防も困惑している。
私もこの目でみて驚いたが、異国情緒が漂う不思議な活気がある一方で、路地裏などにいささか不気味さを感じたのも確か。地元の不動産オーナーに聞くと、いろいろと困った状況が出ていて、困惑を禁じ得ないと嘆く。先祖代々の地ではあるが、売却も考えているらしい。でも、収益が上がっているのも事実なので、悩ましいところであることは間違いない。
私の予測では、都市部及びその周辺では既に現在進行形であり、そう遠くない将来は農村部でも起こる現象だと思う。
現在、衆議院選挙を迎えて政策論議が喧しいが、このような住宅空洞化の問題が議論されることは希だ。
この対応には政府の力が必要不可欠だ。まず借地借家法の再改正、そして欠かせないのが都市計画法及び農地法の改正だ。経済が右肩上がりの時の状況下で作られた法律が、この住宅空洞化問題の解決の障害となっている。
社会の変化に合わせて法律も変えていかないと、事態は悪化するばかりだ。にもかかわらず、この問題が大きく取り上げられることは少ない。
既に困っている人はいるが、まだ少数だ。多分、そのような人たちが多数に上らない限り、政府はなにもしないで済ませるだろう。まァ、だいたい、そのような時は手遅れなんですけどね。