ヌマンタの書斎

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反省なくして復権なし

2012-12-14 12:10:00 | 社会・政治・一般
ようやく始まった衆議院選挙だ。

いささか政治に醒め気味の私だが、新聞紙面だけは一応目を通しておく。相変わらずというか、落ち目の民主党をかばうが如き論調を目にすることが少なくない。

理念(マニフェスト)を徹することの出来なかった覚悟のなさや、小沢一郎の資金問題などを取り上げて、奇妙なほど民主党を擁護しているのが可笑しい。

民主党が失政を重ねた原因の一つに、その失政を知りつつ見逃したマスコミの怠惰がある。かつて自民党から政権を奪った細川・連立政権に厳しく当たり過ぎて、結果再び自民党を政権に戻してしまったことへの反省らしい。

どうもマスコミ様におかれましては、自分たちが厳しく失政を追及しなければ、民主党政権は持つとお考えであったらしい。

思いあがるな、と言いたいね。

寄合所帯で統一性もなく、党内の主導権でさえ不安定な民主党が政権をとれたのは、自民党に失望した有権者の期待があったからこそだ。民主党のマニフェストを信じて、民主党に投票したのではない。失望した自民党に対するお灸であり、新しい可能性に賭けてみた。それが前回の衆議院選挙における民主党等の歴史的大勝であった。

しかし、民主党政権はその有権者の期待に応じようとしなかった。彼らがやろうとしたのは、長年マスコミともども声を上げ続けた少数意見の実現であった。多くの有権者が求めていたことではなく、常に少数の者が求めていたことを実現しようとした。

それが沖縄米軍基地の県外移設であり、在日外国人ぶっちゃけ在日コリアの権利を優遇することを公認することであった。その誘い水として、子供手当のばら撒きをやったり、高速道路を1000円にしたりと税金を無造作に放り出した。

官僚たちの支配脱却を口にしながら、結果的には官僚に頼り続け、役所は焼け太りである。景気回復を口にしつつ、やったのは生活保護世帯の増加だけ。脱デフレをいくら叫べど、日銀の小手先の誤魔化しに騙され続け、デフレを更に悪化させた。選挙が始まってから、ようやく市況悪化を公表するこ狡さばかりが目立つのが民主党政権だった。彼らは何をやったのか。

その結果についてはご存知のとおり。事業仕分けでも財源は見つからず、資金不足で子供手当は、むしろ家庭の税負担を増加させた。高速道路は元の料金に戻っただけならともかく、中央高速の笹子トンネルの事故で顕在化したようにメンテナンス不足が露呈する有様である。

外国の侵略行為に対して「事態を遺憾に思う」と知らん顔をした間抜けな政府のおかげで、侵略を認めてもらったと小躍りしたシナとの関係悪化は、この国防に対する無関心さが根幹にあるのを忘れて欲しくないものだ。

そして、なによりそれを是認し続けたマスコミの放漫こそ弾劾されるべきなのだ。繰り返します、この3年余の民主党政権の失敗は、マスコミの増長と怠惰あってのもの。多くの国民が望む政治ではなく、長年少数意見を主張しつづけた依怙地な善人たちに媚びた政治にこそ失敗の原因がある。

断じてマニフェストに由来する失政ではない。大多数の国民の声から耳を背けたことこそが失政の根底にある。

私の考えが間違っているとしたら、それは原発廃止を性急に主張する政治家たちが多数当選した場合だろう。現在マスコミは盛んにこの反・原発陣営の活躍を報じるが、私は疑問に思っている。声を上げない国民の大半は、原発に不安を感じつつも日々の暮らしを支える原発の必要性を認めていると私は思う。

だが、マスコミが伝えるのは原発に不安を抱く市井の声ばかりで、言い訳ていどに原発容認派の声を伝えるに留まっている。私はこれをマスコミ主導の原発廃止運動だと理解している。でも、私が間違っている可能性もある。

それも選挙の結果で判明するはずだ。

原発反対派が多数当選したのなら、私の考えは間違っていることになる。だが、容認もしくは現状維持ならば、マスコミの報道の歪みを立証したことになり、それは民主党政権をミスリードしたことへの反省がなかったことの立証にもなる。

なにより、国民の大多数の声から民主党が耳を塞いでいた証拠でもある。このことを反省なくして、民主党の復権はあってはならないことだと思います。
コメント (2)
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