恐ろしいことに、今年もあと一週間もない。
忙しかったせいもあるが、気が付いたら年末である。そこで今年読んだ本について振り返ってみたい。
まず未読本では長年読みたいと熱望しつつ版元が絶版にしていたため読めずにいた「スワンソング」(ロバート・R・マキャモン)を挙げたい。世界規模の核戦争により荒廃した大地に生き延びてしまった人たちの苦闘と、その絶望の淵より甦り希望の灯となった一人の少女を巡る物語。如何なる困難な時でも希望さえあれば、人は立ち上がれる。
SFホラーとでも言いたくなる内容だが、今のところマキャモンの最高傑作だとも断言できる。キング、クーンツに劣らぬ力量を持ちながら、なぜか日本では不遇な感が堪えないマキャモンだ。しかも、この作品は版元の福武書店が絶版扱いしているため、図書館で借りるか古本を探すしかない。だから、もし目にする機会があったら、必ずや読んでみて欲しい。
入手が困難な作品を挙げるのは不親切に思うので、次点として「わたしを離さないで」(カズオ・イシグロ)と「燃える男」(A・J・クィネル)を挙げておきます。前者は読書のすご味を、後者は読書の楽しみを満喫できると思います。
続いて国産だが、これは迷った。迷ったが衝撃度で「告白」(湊かなえ)を選んでみました。自分が担任を務めるクラスの生徒が、我が子を殺したと知った時、女性教師が何を思い、何を実行したのか。その衝撃の告白には打ちのめされました。
次に漫画ですが、新人賞として「暗殺教室」(松井優征)ですね。最悪の破壊者が最良の教師となっていることに私は妙に共感を覚えました。私が通った中学はいわゆる暴力(体罰)を振るう教師が沢山いましたが、悪いことは悪いと理屈ではなく拳骨で教えてくれる最良の教師たちでした。話せばわかるなんて空虚な理想に囚われたダメ教師たちへのアンチテーゼとなりうる不思議な作品です。ただ、良く考えたらまだこのブログでは取り上げていなかった・・・なにぜ単行本が出たのが今年の冬なもんで。
ちょっとルール違反(ルールなんて、あったのか?)ぽいので、基本に戻って挙げさせてもらうと・・・悔しい、取り上げたくない。でも、やっぱり一番記憶に残ったのは「HUNTER×HUNTER 31巻」(冨樫義博)でした。この記事をアップする頃には32巻も出ているでしょう。プロ失格の漫画家だと思うけど、この面白さは無視できない。
悔しいので四コマ漫画の「中国嫁日記」(井上純一)も挙げます。尖閣問題で日中関係が怪しくなりましたが、この厄介な隣国との付き合いは続く訳で、単に好き嫌いで済むわけない。シナ人の生き方は、政府向けとプライベートでは大いに異なる。反日=反北京政府であり、愛国=格差社会への不満でもある。シナ人は世界中で活躍(侵略でもあり侵害でもある)しており、日本とも今後より一層トラブルは続くでしょうが、その一方日本で暮らし、日本人と家族になるシナ人も多数。その意味で、この漫画は日常的なシナ人との夫婦生活を、淡々と描いており、それがまた楽しい。
今年は久しぶりに映画をけっこう観たので、そのなかで記憶に残ったものを挙げると、「Frends もののけ島のナギ」でした。大ヒットには程遠かったと思いますが、ハリウッドとは異なるアニメの3D画像には好感を持てました。原作の「泣いた赤鬼」の出来の良さもあると思いますが、あまり話題にもならなかったので、機会がありましたら観てみて後悔はないと思います。
さて、私はこれから大掃除で今年こそ本棚で立ち止まることなく、しっかりと掃除を終えておきたいものです。多分、来年には引っ越すかもしれないので、出来る時に掃除片付けをしておかないと、後で絶対後悔するでしょうからね。
それでは、良いお年をお過ごしください。