ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

ウォーキングwithダイナソー

2014-01-06 12:02:00 | 映画

何故に人は恐竜に惹きつけられるのだろう。

地球において1億年以上にわたり繁栄を享受した生き物は、そう多くはない。表面の7割が水(海洋)で占められる地球において、海こそが生物の繁栄の拠点である。

今もそうなのだが、海の中の生存競争は激しい。現存する生き物で最も毒性の強いのは、オーストラリア沿岸に棲息するキロネックスというクラゲである。二番手のソウシハギ、スナギンチャクは甲乙つけがたく、三番手はアンボイナガイだとされる。

いずれも猛毒の持ち主で、特にキロネックスに刺された人間は、ほぼ9割方死亡している。陸上にも猛毒を持つ生物はいるが、海中生物には遠く及ばないのが実情だ。つまり海中のほうが陸上より毒が強くなければならなかった訳で、それだけ厳しい世界なのだと云える。

だからこそ、海を上がり陸に繁栄の道を求めた生き物が現れた。もちろん最初は植物であったとされる。やげて原始的な陸生生物が現れて、カンブリア紀の大災害で生物のほとんどが死滅したのち、突如として恐竜が現れて地上の覇者となった。

驚くべきことに、彼ら恐竜は一億年を超えて地上の覇者として君臨した。もっとも恐竜の種類は非常に多く、同じ種が生き延びた訳ではない。むしろ、その種の多様さが長きに渡る繁栄をもたらしたのだと思う。

実際、白亜紀とジュラ紀では身体の大きさ、形態などはかなり違う。これは地球規模の環境変化に応じたものであり、恐竜と云う種の生存適応力の強さには、本当に驚かされる。

やがて恐竜は絶滅し、哺乳類が繁栄し、数回の氷河期を潜り抜けた後に我々、人類と称する二足歩行哺乳類が全盛期を迎えている。

この人類という生き物は、かなり変り種の生物で過去を研究するという非生産的な嗜好を持つ。それは化石の研究を通じて行われ、学術知識の普及と交流を通じて、かつてない規模で過去の解明がなされるようになった。

もっとも、この研究は200年に満たない程度の歴史しか持たず、科学的な基礎が固まったのは、たかだか半世紀程度だと云える。とりわけ20世紀後半、遺伝子研究と、生物学の飛躍的進歩により単なる個体の研究から、その種の社会的生態様式にまで研究範囲が広まったことが、恐竜の解明に大きく貢献している。

死んだ恐竜の遺体が、長い歳月の後に化石として我々の目の前にに現れ、その化石を研究することでその恐竜の生前の姿、生活までもが想像できるようになった。

私は人類と称する二足歩行哺乳類の最大の特徴は、この想像力ではないかと思っている。イマジネーションであり、ファンタジーでもある。

その想像力の成果の一つが恐竜の研究であり、それを最新のCG技術により映像化したのが表題の作品だ。実は当初はTV用のドラマとして作成されたシリーズものであった。欧米で大変好評を博し、その一部が映画化されたわけだ。

私は数年前からyou-tubuで途切れ途切れに見ていたので、ある程度知っていたがやはり映画館の大画面で観ると迫力が違う。恐竜が主人公のドラマであり、科学者の意見が多く取り入れられえいるとはいえ、そこは商業作品なので一寸無理がある。

でも、その無理な不自然さが楽しい。科学的考察なんて、とりあえず棚上げして純粋に恐竜が笑い、怒り、悦び、必死で生きる姿を楽しむ作品。恐竜好きでなくても楽しめると思うので機会があったら是非どうぞ。

コメント (4)
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