ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

群馬医大の医療事故に思うこと

2015-03-17 14:14:00 | 社会・政治・一般

何故に当事者が出てこない。

現在、問題になっているのが群馬医大の内視鏡による腹腔手術の失敗によるとみられる死亡事故だ。

私は医療は万能だとは思っていないし、人間は間違いをする生き物だと認識している。だから医療事故はありうるし、その一事をもってしてすべてを否定したりはしない。

しかし、今回の医療事故はあまりにおかしくないか?

群馬医大の学長やら医科長らが、マスコミの前で謝罪をしている報道なら見たし、腹腔手術の執刀医の学会での報告なども記事に出ている。しかし、この肝心要の執刀医の姿が見えない。

おそらく過失であろうが、分かっているだけでも18件の術後の死亡事例がある。その執刀医が表に出てこないのが不思議で仕方ない。私同様に不審に思っている人はかなりいるらしく、ネット上では既に氏名や顔写真まで出回っている。仮にS医師とさせてもらう。

医師としてのキャリアは20年以上であり、それなりに実績もあるように思える。しかし、私には疑わしく思えることがある。私は大学病院に数回、延べで2年近く入院していた。また外来でも20年近く通っており、患者同士の付き合いかもらも、いろいろと噂は聞いている。

大学病院というところは、医学の研究所としての機能と、医者の育成のための機能を併せ持つ。わりと勘違いしている人が多いが、大学病院の医師がベストの医者という訳ではない。

むしろ腕利きの医師は市井の病院にこそ居る。やはり大学病院の本質は研究機関であり、養成機関である。それなのに、何故か大学病院を最高の権威機関だと勘違いしている人は少なくないように思う。

私は大学病院に入院延べ二年、外来は20年以上通っているので、良い話から悪い話までいろいろ聞いている。私自身、腕のいい医者から、そうでない医者まで会っている。

良い医師とは、患者からすれば治してくれる人ではなく、癒してくれる人である。注射が下手な医者だっていたが、この人は患者の話によく耳を傾けてくれる医者だった。だから患者は「先生、注射下手だねぇ」とぼやきつつも、その医者を信頼していた。病気の痛みや辛さの愚痴に耳を傾けてくれる医者は、案外と少ない。だからこそであった。

世話になった病院なので、あまり文句は言いたくないが、なかには患者を治すことより、治療そのものに関心が高いのではと思われる医者だっているように思えた。医学の研究機関でもある大学病院では必然かもしれないが、率直に言って患者としては、あまり嬉しくない。

ところで、群大のS医師だが、この人は本当に患者を治したかったのか、むしろ最先端の医療技術の練習と、医師としての実績作りが目的ではなかったのか。
そんな疑いをもたれても仕方ないと思う。

本当に執刀ミスというだけなら、なぜ遺族の前に出てきて謝罪しないのか。マスコミのさらし者になるのが嫌なのかもしれないが、逃げ回るだけで済む問題ではなかろう。

そして、このようなミスだらけの医師(内視鏡手術だけだとしても)を使い続けた群馬医大にも問題はあろう。これだけ失敗が続けば、当然に内部で問題視されていたはずだ。それなのに、このS医師に内視鏡手術を続けさせたことにも相当な問題があるように思う。

人間はミスをする生き物だ。そのミスを如何に減らし、そのミスを如何に今後に活かすのかこそが大切となる。群馬医大はなにか、大きな間違いをしているように思えてなりません。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする