揚げ足取りで政権が取れると思っているのだろうか。
安倍首相が国会での答弁で自衛隊を「我が軍」と呼んだことを、野党が問題視しているとの報道に呆れ果てた。
まず、自衛隊は誰がなんと言おうと軍隊である。防衛隊でもなければ、災害救助隊でもない。日本国を守る軍隊である。過去の国会で経緯を知らないわけではないが、いい加減言葉遊びでのごまかしは止めて欲しいものだ。
まァ、安倍首相が自衛隊を、アメリカ軍護衛隊だと呼んだら、私も問題視しますけどね。・・・それが実態だとしてもね。
また、一部の平和を愛すると称する市民グループからも、安倍首相が自衛隊を「我が軍」と呼んだことを、別の意味から問題視しているとの報も目にした。これだから平和に陶酔する脳内お花畑の踊り子さんたちは困る。
民主主義の国に限らず、政府にとって軍を如何に掌握するかは、古代から現代に至るまで、最重要課題の一つである。特に文民が最高権力の座にある政府にとっては、軍を政府の支配下に納めること、すなわち文民統制は決して疎かにしてはいけない重大事なのだ。
首相が自信をもって「我が国の軍隊」だと自衛隊を掌握している限り、文民統制は守られている訳で、それを帝国主義の亡霊の復活などと騒ぎ立てるほうがどうかしている。
実際、あの強大な権力をもっていた明治政府でさえ軍隊の暴走を抑えるのに苦労していた。明治憲法下における統帥権の独立を盾に、軍部が政府の意向に背き、大陸に強引に進出したことが、後の太平洋戦争の敗北につながっていることは忘れてはいけない。
まして現代の日本は、完全なる文民統治の国である以上、軍部を完全に抑えねばならない。それだけ軍隊というものは恐れなければならいない劇薬なのだ。
平和を守るということは、政府が軍隊を完全に制御することだ。この程度の常識もない輩が、平和を安直に口にしているのだから頭が痛い。日本の常識は世界の非常識は、今も通じる困った原則なのだと痛感してしまう。
ただ一点、この騒ぎで良かったのは、野党がこの程度では当分政権交代はないと予測できることですね。