口に出して良いことと悪いことの区別もつかないのか。
自民党の若手グループが、作家の百田氏を呼んでの勉強会で、新安保法制に批判的なマスコミに圧力をかけろとか、異常な沖縄マスコミを潰せなどと発言したことが物議を醸している。
世の中、心の中で思っても、口に出すべきではないことがあることが分からない未熟な人間が、この国の国会議員、しかも与党議員だというから、情けなくなる。
しかも、これだけ問題になっても、まだ同様の発言をしている。幼稚な確信犯であり、未熟な社会見識しか持ち合わせておらず、稚拙な政治手腕しか期待できないことを露呈したことに気が付けないおバカちゃんである。
日本の新聞や雑誌、TVなどが左派勢力の強い影響下にあるのは事実である。ただし、読売新聞や産経新聞などは、その対抗勢力的存在でもあり、マスコミが左派一色である訳ではない。
現実問題、いくら左派勢力が反日反米的な記事を書いても、読者がそれについてこない。社会党は消滅し、期待の星であった民社党は、マスコミの熱烈な支援にも関わらず失政を繰り返して没落。社民党は在日政党であることが露呈し、応援しずらい。
ならば、与党自民党の失点を声だかに叫ぶこと、平和な日本を求める左派勢力の唯一できること。とにかく反対、どうでも反対、反対こそが我らの存在価値。そんなマスコミを鬱陶しく思う若手の自民党政治家が、ものの見事に釣れた。
もちろん、野党も大喜びである。これでしばらくは国会が空転することになる。
馬鹿らしくて新聞読む気が失せる。いかに野党が騒ごうと、新安保法制は多数決により可決する。アメリカが求める新安全保障体制に、日本は予定通り組み込まれる。ただ、それだけのこと。
日本のマスコミが現実を直視せずに、脳内お花畑で平和の舞に見呆けているのは事実だ。また、沖縄のマスコミ2社が異常なのは、これまた事実である。
だが、左派マスコミがのきなみ経営的に苦しくなっている現状を支援する馬鹿が、自民党にいるとは思わなかった。広告を減らせば、マスコミは経営危機に陥るのは確かだ。しかし、わざわざその経営的に低迷している沖縄の二社に注目が集まり、支援する気を起こさせるような馬鹿な発言をするのだから、この確信犯的失言者は、大馬鹿ものである。
本当に優秀な政治家は、こんなバカな手法はとらない。如何にも合法的で、しかも収益法人でもあるマスコミ経営陣が断りきれないような好条件を呈示してからめ捕る。
格安で都心に本社敷地を手に入れた某新聞社とか、ラジオ放送の許認可を餌にして釣った某TV局なんぞは、その典型である。おかげで政治家個人の名前を外した利益供与事件を報じさせたり、霞が関のお役所が、強調して報じて欲しい部分と、そうでない部分を区別した報道なんかがなされている。
政治によるマスコミのコントロールは、決して不可能ではないし、過去に何度も行われている。反政府の姿勢こそが、マスコミの矜持だと思い込んでいるおバカな記者を、過去何度となく籠絡している。
沖縄のマスコミを破綻に追い込むことは、実はそう難しいことではない。彼らが過去に如何なる異常な報道をしてきたか、その結果がどうなっているのかを堂々明らかにすればいい。
それだけで沖縄の二社の報道価値は格段に下がる。ただし、日本のマスコミはそれを避けてきた。あの異常さを全国に報じることは、さすがに出来かねた。事実を明らかにするだけで、物事の本質、真意がわかることがある。
ベルリンの壁が崩壊する以前に、あれほど光り輝いていた社会主義社会の理想は、崩壊した壁から見えた醜悪な現実の前に、無様に色褪せた。非難したり、圧力をかける必要なんてなかった。ただ、事実を堂々公開しただけ。それだけで社会主義の理想は潰えた。
天網恢恢疎にして漏らさず、だと思う。