決して看過していい問題ではない。
現在、内政のみならず、外交でも日本は問題を抱えている。ここで東シナ海を巡る中華帝国の侵攻を想起する方は多いと思うが、本当の問題はハワイ諸島の向うにある。
日本にとって最大の友好国であり、最悪の潜在的敵対国であるアメリカだ。今、そのアメリカに看過しえぬ危険な兆候が見えている。次の大統領選挙で、本来泡沫候補と考えられていた不動産王トランプの暴言にこそ、その兆候が顕著に顕れている。
一言で云うと、アメリカに余裕がなくなってきている。元々は、キリスト教の信教の自由を求めて建国されたアメリカは、入植地として拡大してきた。やがてキリスト教徒以外の移民を受け入れるようになり、奴隷として入国したアフリカ出身者や、自由を求めてやってきたアジアからの移民たちが大量に来て、本来の多数派であった白人たちが割を食うようになった。
そして、何よりも中南米からの不法移民たちが、アメリカ社会に更なる混乱をもたらした。英語を覚えようとせず、スペイン語を使いづづけるラテン系アメリカ人の存在が、白人たちに大いなる不安を感じさせるようになった。
もはや、アメリカの正義を世界が信じていないことに勘付かざるを得ない。この疑念と不信感が、アメリカ人から余裕を奪う。この不安があるからこそ、トランプの暴言を支持してしまう。
そこで日本である。
アメリカは、今でこそ日本が重要な同盟国だと持ち上げるが、元々はドイツと並んで最も警戒していた敵国であることも認識している。だからこそ、この二か国には、今もアメリカ軍を駐留させている。一朝ことあれば、すぐに首都を制圧できる距離に、アメリカ軍を駐留させている。
ドイツには決して海軍を十分に持たせない。日本には敵味方識別装置を作らせず、アメリカの作成したものを強制的に押し付ける。ドイツと日本は、アメリカの世界戦略上の要所であると同時に、決して自由に軍事活動をさせない。
そのことを日本人は分かっているのだろうか。
特に沖縄駐留米軍基地の撤去を求め、日米安保は憲法違反だと声だかに主張する、平和を愛する市民様たちは分かっているのか。日本からアメリカ軍を排除すること、それはすなわち日本をアメリカの敵国だと認識させる行為であることを。
誰しも敵を憎む。だが、敵よりも味方と信じていた者の裏切りをより憎むのが人の性だ。かつて、アメリカの最も親しきイスラム国家であったイランをみれば分かる。パーレビ国王時代、あれほど親密であったのに、イスラム革命以降はアメリカの敵筆頭となっている。
日本からアメリカ軍を排除する動きは、アメリカにしてみれば裏切り行為に他ならない。すなわち世界最大の軍事超大国を敵に回す行為である。沖縄のボンクラ知事や、国会周辺でデモをやっているおバカちゃんたちは、自分たちの行為が、日本を戦争の危機に曝しているとの自覚があるのだろうか。
トランプの暴言を支持するアメリカ人が増えていることから分かるように、アメリカは苛立っている。そのアメリカを排除することが、日本の平和を乱すことだと理解できない脳みそシュークリームのおバカが跋扈していることは、十二分に警戒すべきだと思います。