海外、特に欧州では「NARUTO」にも負けないほど高い評価なのだが、なぜか日本ではマイナーな存在。それが表題の作品です。
原因は簡単だ。連載されていた雑誌は「ヤングキング・アワーズ」というマイナー誌であり、出版社は少年画報社という中小企業であるからだ。集英社、講談社、小学館の御三家が漫画市場を占有していることは、周知の事実である。
ただでさえ出版不況であり、漫画雑誌といえども廃刊される雑誌は数知れずの過酷な世界である。大手3社が割り込もうとする小さなライバルを応援するはずもなく、未だに無名なままである。
実に残念でならない。表題の作品は、吸血鬼ものであり、非常に斬新な視点からの物語であるので、もっと多くの人の目に触れて欲しいと願っている。絵柄は大胆にして、ぶっとい線が目立つ。奇想天外な物語の展開に驚かされるが、なによりも科白の鮮烈さにも注目してもらいたい。
あまり知られていないのは、小さな出版社から出されたマイナーな雑誌に連載されていたからであり、その内容によるものではない。日本人の大手信仰に毒されていない欧米だからこそ、真っ当に評価されたと私は考えています。
もし機会があったら是非、一読して欲しい。ただし、かなりバイオレンスで残虐な表現が多いので、読み手を選ぶのは確かです。バイオレンスものが苦手な人は手を出さないほうが良いでしょう。