最近のマイブームがナポリタン。
ご存じの方も多かろうと思うけど、日本のナポリタンは、日本独自の料理だ。もちろんパスタの本場イタリアでもトマトベースの麺料理はたくさんある。しかし、絶対にトマトケチャップを使ったパスタはあり得ない。
トマトケチャップというものは、アメリカ人が作りだしたもので、イタリア人には認めがたい調味料であるらしい。そのケチャップを使ってパスタを作るなんて、あってはならないとイタリア人は絶叫する(・・・らしい)。
でも、なんでも改良してしまう日本人は馬耳東風で好き勝手にイタリア風ということで、考えて作り出したのがナポリタンである。どうも、戦前の某ホテルで創作されたものが最初のナポリタンであるらしい。もっとも他にも最初のナポリタン説はあるようで、本当のところは謎である。
もっとも戦後の日本人にとっては、給食でナポリタンを食べなれた人が圧倒的に多いはずだ。また、喫茶店のランチメニューで初めて食べた人も多かろうと思う。かくも広く普及しているナポリタンは、日本では洋風料理としての地位は確かなものがある。
ところで、私は時々パスタを作るが、このナポリタンに関してはあまり自信がなかった。自分で何度も作ったが、美味しいと思えるナポリタンが作れた試しがなかった。でも、最近ようやく原因が分かってきた。
どうやら、トマトケチャップの酸味が原因であったようだ。私の作るナポリタンが美味しくなかったのは、ケチャップ風味のパスタに堕していたからだと思う。
だから作り方を変えてみた。まずトマトケチャップをお玉に注いで(これで一人前)、これをフライパンで炒める。だいたい2~3分くらい、赤色が少し黒っぽくなるまで炒める。この作業で酸味が飛ぶ。これを小皿に移し、次にフライパンに油を引いて細かく切ったソーセージを炒める。
軽く火が通った頃合いで、刻んだ玉ねぎ、ピーマン、マッシュルームを炒める。あっさりと炒めてから、ここで火を止める。これも他のお皿に移しておく。昨晩のうちに作っておいたパスタ麺を冷蔵庫から取り出す。
ナポリタンに使うパスタは太麺がベスト。まず一時間水に浸しておく。次に沸騰した深鍋に入れて2~3分。これだけでもモチモチの太麺パスタなのだが、これを冷ましてから冷蔵庫に一晩寝かせる。これで腰がまったくないモチモチ麺となる。
翌日、お湯に戻して(1分ほど)、笊に上げて水気を切ってから、綺麗に洗ったフライパンにもう一度油を引いて、小皿に移しておいたケチャップソースを入れる。すぐにパスタ麺を絡め、全体に回ったら今度は具材を入れて、全体的に絡めるように炒める。
最後の行程は短時間で済むが、ここでパセリを刻んでおく。お皿にナポリタンを盛った後に、このパセリを振りかけて完成である。
試行錯誤を何度も繰り返したこのナポリタンが最近の私のお気に入りなんです。なお、面倒な時は、パスタ一晩寝かせは省きます。少しモチモチ感が薄れますけど、味はそれほど変わりません。