年々、月日のたつのが早く感じられて仕方ない。
これが年をとるということなのだろう。思えば子供の頃は、一日が長かった。それなのに、今となると一日はあっという間に終わってしまう。
死ぬまでに、私は後どれだけ本を読めるだろうかと考えてしまうことさえある。私もそろそろ中年を卒業して高齢者の世界に足を踏み出すのだろうと思います。だからこそ、なるべく良い本を沢山読みたいものです。
さて、今年一番の収穫といえば、やはりラス・カサスの「インディアスの破壊に関する簡潔な報告」に尽きます。この書は、厳密には初読ではないのですが、大半は部分読みに過ぎず、多くは読書会での朗読などでしたから、自分でじっくり読んだのは今回が初めてでした。
岩波文庫から刊行された本書は、大変短い小冊子ながら、その内容は簡潔なのに深刻、簡略なのに重厚、淡々と記載されているにも関わらず、その内容は極度に残虐。
今なお美しい自然が残るカリブ海の島々で行われた醜い残虐行為を、我々人類は決して忘れてはならないと思います。もし未読だったら、是非とも一度は目を通して欲しい一冊です。
もう一冊、今年印象に残ったのが「岩崎彌太郎」伊井直行でした。三菱財閥の創業者として知られる岩崎ですが、TVドラマなどの影響が大き過ぎて、その実像が固定化され過ぎていた人物だと、この書を読んで分かりました。
やはり人物の評価は難しいものです。倫理的な観点から悪役にされがちな岩崎ですが、政府に仕えることを望みながら、その異端の交渉力故に商人に留められたが故に、政商として活躍せざるを得なかった。だが、やる以上は徹底的にやる。実に興味深いと思います。
これは別に批難するつもりではないのですが、戦後の日本における司馬遼太郎の影響は非常に大きいです。いわゆる司馬史観に染まり過ぎると、却って見えなくなるものがあることは注意したいと思いました。
さて漫画ですけど、これは今年初めて完読した「黒子のバスケ」藤巻忠俊が一番印象に強かったです。これだけ面白いなら、もっと早くに読んでおけば良かったと後悔したぐらいです。どうも私は偏見が強すぎる。
私の記憶では、週刊少年ジャンプ誌に連載中は、人気No1ではなかったと思うのです。アニメ化が人気に火を付けたらしいのですが、私がTVを観ない人なので、当時は気が付きませんでした。この単行本は全巻、揃えるつもりです。
また毎年書いていますけど少年漫画界一の問題児、「HUNTER×HUNTER」冨樫義博は今年も無事再開され、単行本一冊分の掲載で再び休載。面白いことは間違いないのですけど、もはや少年漫画の域を超えてしまっている観が否めません。
っつうか、挿絵付の小説かと思うくらいに文章が多い。これだけ文章が多い漫画も珍しい。でも、面白いから条件付きで許す。条件? 決まっています、早く連載再開せい!
実は今年、8月以降映画館にまったく足を運んでおりません。諸事情から時間が作れなかったのです。せめてこの年末年始にクイーンの映画だけは観に行きたいと願っています。そんな私の今年No1映画は、誰がなんと言おうと「ジェラシック・ワールド 炎の王国」で決まりです。
やはり娯楽映画は、こうでなくっちゃいけません。いけいけ恐竜、やったれ恐竜と楽しめれば余は満足じゃ。さて、アメリカ本土に上陸したTレックス様や、ラプトル君たちの今後のご活躍を願って止みません。
今年も後数時間でお終いです。私はこれから閉店間際のデパ地下を巡って、正月の食糧を買い込みます。毎年恒例のお楽しみ~♪
それでは皆様、良いお年をどうぞ。