ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

汚水まみれの牡蠣

2020-09-11 12:54:00 | 日記

最近耳にした一寸怖い話。

東京湾に牡蠣が大量に棲息していることをご存じだろうか。別に養殖している訳ではなく、水質浄化の為に牡蠣の稚貝を大量に散布していたものが、次第に増えて河口周辺や、遠浅の海辺に自然繁殖している。

元々、水質浄化の目的であり、食用ではないため、漁業権の対象にはなっていないらしい。それを知ってか知らずか、シナの方がこの牡蠣を大量に採っている。これはニュースなどでも報道されているのだが、違法とはいえないため、行政も特に積極的に取り締まってはいない。

ただ、このニュースを聞いた時、私は牡蠣って、汚水を大量に吸い込み、浄化しているのだから牡蠣の内部には相当な雑菌がいるだろうと思っていた。それを捕獲するってことは、もちろん食用だろうけど、火を十分に通さないと危ないのではないかと思っていた。

そんなニュースを忘れかけた頃、たまたま千葉の某市で顔見知りのシナ人に遇った。苦学生であり、日本にはもう30年は滞在しているが、国籍は多分あちらである。

私とは新宿の某中華料理のお店の経理の関係で知り合ったのだが、青竜刀事件などいろいろあって疎遠になって以来の再会であった。互いに懐かしく、食事でもとの話になり、彼の薦める中華のお店で久々の再会を祝した。

彼のお薦めの料理はどれも美味しく、しかも安い。私が壁に鰍ッられたメニューのうちから幾つかを追加で頼もうとすると、彼がそのうち一つは止めたほうが良いと言い出した。

理由を聞くと、その料理には自家製のオイスターソースが使われており、その牡蠣は東京湾で獲れた奴だそうだ。火を通せば大丈夫じゃないのかと問うと、彼は雑菌は大丈夫だが、重金属は消えませんよと小声で教えてくれた。

そういえば、彼は理工学部出身であった。たしか来日当初は生もの、特に刺身や生ガキは大の苦手であったと聞いている。しかし新宿で酔った時に生ガキを食べてしまい、以来大好物になった彼である。

季節になると、わざわざ宮島まで行って現地で生ガキを食べるのを楽しみにしていたことを思い出した。聞けば、今も生ガキは大好物だそうだが、「先生、牡蠣は日本産に限ると思うけど、東京湾の奴はダメですよ」と真剣に話していた。

私が不思議に思って、でも他の中国の人は食べているのではないかと言うと、彼は苦笑しながら、それはここ数年日本に来た人たちです。シナに比べれば、東京湾は凄く奇麗ですからと説明してくれた。

そういえば、シナでは河川や海が生活排水や産業廃棄物で汚染されて大変なことになっていることを思い出した。話を進めているうちに、彼が今、汚染された水を浄化する機械を、故郷に持ち込むことを計画していると話してくれた。

ただ、役所の認可が下りないどころか、地元の企業から妨害されて困っていますと愚痴っていた。日本でもかつては、同じでしたよと話すと、彼は寂しそうに苦笑していた。

急激に経済成長をすれば、必ずその反動がある。その典型が環境汚染である。その恐ろしさを知ったシナの人間が、環境汚染対策をするのは、ある意味反政府活動に近く、危険な活動でさえあると彼は話す。

でも、決して諦める気はなさそうである。茨の道だとは思うが、賢い彼のことだから上手くやってくれることを私は願っているのです。

コメント
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