これほど不愉快な事件は、そうそうないと思う。
ようやくNHKや朝日新聞も取り上げるようになった旭川の女子中学生いじめ凍死事件である。国会でも取り上げられ、ようやく旭川市も第三者委員会を立ち上げるようである。
しかし、事態はますます混迷を深めているように見えてならない。
まず大手マスコミ様の取り上げ方が妙だ。先だって旭川に乗り込んだ神奈川のユーチューバーが旭川警察に逮捕された件だって、この人、加害者側にはめられた印象が否めない。
また旭川市の立ち上げた第三者委員会も評判が悪い。メンバーにいじめのあった中学校の当時の校長の同級生が入り込んでいる。さらにイジメがあった当時、被害者の女子中学生と接触があったとされる医療関係者もなぜか入っている。
国会で取り上げられたのは先々週だが、未だ文部省の動きは鈍い。今、分かっているのは、北海道道庁から旭川市に2年前にあった「いじめ対応」の要請について、旭川市はなかったものとしていたことだけだ。
そんな公的機関の迷走ぶりとは裏腹に、文春およびネット界隈では更なる疑惑が取り上げられている。
まず、イジメの主犯扱いされているA子とB男だが、どうもこれはリークによるもので、真の主犯とされるC男たちが画策していたらしい。AもBもいじめに加担していたが、性的画像などを強要するなど指導的立場にあったC男が、責任逃れでAとBを早期にさらして自らは逃げるつもりだったらしい。
さらに不可解な事情が浮いて出てきている。
マイナス19度の旭川市郊外の公園内の川に転落した上、凍死した女子中学生だが、それを目撃して警察に通報していた人がいた。どうやら複数の学生らに囲まれて川に転落したようで、むしろ川に落ちることを強要された疑いさえある。
妙なのは警察で、これまで散々自殺した女子中学生だと報じられているが、警察自体は自殺とは断定していないことも分かった。ただ、ここからがさらに不可解なことになっている。
まず目撃者は既に死んでいるようなのだ。この目撃者についても40代説と70代説があり、後者は病死だが、前者は事件後数日後に亡くなっている。これでは、口封じの噂が流れても致し方ないと思う。
その後の中学校側のいじめ隠蔽と、旭川市の事なかれ体質、警察の煮え切らぬ捜査、そして教育委員会の不作為と怪しい点が多過ぎる。いじめ加害者側に市に強い影響力を持つ親がいるとの報も流れている。また黙っているが、日教組も背後で組合員である教師の保護に動いているらしい。
ちなみに、第三者委員会は報告予定を今年の11月としている。どうみても、引き伸ばして、世間が忘れるのを待っているとしか思えない。
このような状況に怒っている人は多い。それゆえ、今後も一般人による追求は続くと思われる。私とて怒りを共有しているが、それでも敢えて言うが、この事件、素人が手を出すべき事案なのか?
未成年者の人権あるいは未来に強い影響を与える難しさを秘めているが故に、捜査は慎重であるべきだ。それも警察や検察などプロの手に委ねるべき事案ではないのか。
既に村八分的な扱いを受けているとされるA子やB男に対する扱いは私刑(リンチ)そのものであろう。それを許さない為の警察や検察、裁判制度であるはずなのに、それが機能していない。
法治国家として、きわめて恥ずべき状況である。同時に亡くなったいじめの被害者及びその家族の無念さを晴らすことも必要だろう。
ただし、冷静に判ずるならば、おそらくこのまま旭川市の狙いとおりに、時間の経過と共に消え失せる泡沫事件とされるでしょうね。いじめがなくならないのも当然だと思いますよ。