国破れて山河あり。
河野デジタル化推進大臣を始めとして、自民党の政治家にはよくよく考えて欲しい。国民は政府の制度のために存在しているのではない。政府が国民のために存在している、それが民主主義国家であるはずだ。
ところが霞が関と永田町のお偉方は、この民主主義の大原則が分かっていない。どう言い逃れしようと、マイナンバー制度は国家が国民を一元管理するためのもの。
私はそれを完全に否定する気はない。縦割り行政の弊害は嫌というほど見てきたので、うまく活用して欲しいと思っている。つまり基本的には賛成なのだが、今のやり方には反対だ。
まず第一にマイナンバーカードの利便性とは、国民の為の利便性ではなく政府が国民を管理するための利便性である。どう言葉を言い繕うと、これが本質であることは間違いない。
現時点でマイナンバーカードを持つことのメリット(印鑑証明とか住民票とか)は僅かなもので、あまりに普及しないので2万円のニンジンをぶら下げたが、それでも普及率は5割程度である。
今後、保険証の替わりになると言っていたが、呆れたことに病院や診療所が拒否している。当然である、誰がその費用負担をするんだ?要するに総務省が旗振れど、他の官庁が素直に従っていないのが実情である。だから根回し不足、説明不足の悪しきトップダウンの典型となっている。
コロナ禍での10万円配布にマイナンバーカードをとって付けたが、却って大混乱となった醜態を真面目に反省していないことが良く分かる。誰も証明したがらないとは思うが、あの騒ぎで却って感染者は増えたと私は思っている。
現場を考慮しないエリート様の先走りに他ならず、現場経験の浅い勉強エリートは机上のプランを実施するための知恵と経験が不足していることが良く分かる。ついでだから加えておくと、マイナンバーカードと通名の問題はどうするのかね。マスコミ様は無視なさっていらっしゃるけど、必ず政治問題化すると思うぞ。
でも、まったく反省しないエリート様は、なんとか自分たちの正しさを立証しようとして、必死でマイナンバーカードに国民管理機能を強化させようと必死である。健康保険に加えて自動車免許もマイナンバーカードに統一すると鼻息荒い。
その尻馬に乗っているのが河野デジタル化推進大臣なのだが、この人自分を客観視するのが苦手らしい。猫に鈴を付ける役割を押し付けられていることに気が付いていないらしい。
日本は高齢者大国である。現在でも3割の有権者は高齢者であり、高齢者ほどデジタル化を喜ばない。欧米ではIT化が進んでいると不勉強なマスコミが、官僚に媚びうるが、IT化を拒否する、あるいは使いこなせない高齢者の存在がいることは無視している。
日本だってそれは同じこと。おそらくマイナンバーカードを失くしたり、盗られてしまう高齢者が続出すると思う。写真で判断できると甘く見ているようだが、指紋認証や声紋認証、眼球認証などを付加しないとナリスマシが出る事は間違いない。
また紛失した高齢者が役所で騒ぐことも間違いない。なにせカードがないと当人が出向いても肝心の立証する他の身分証明書が存在しない。今までならば、健康保険証や自動車免許証が本人確認に使われた。しかし、マイナンバーカードに一本化した場合、そのカードを紛失したら本人確認をどうするのだ?
役所の窓口で怒り狂う高齢者の姿が目に浮かぶようだ。この高齢者たちの不満は選挙で自民党を不利にさせる。この時、犠牲として捧げられる一人が河野デジタル化推進大臣である。
この人、親父のような卑劣漢ではないと思うが、猪突猛進の愚者であると私は考えています。
たいてい当たる!
そりゃ、そうですよね。他に身分証明がないことになる。IDを一元化した時に、紛失や盗難などの時にどうする?
しかし、そこ考えれば解りそうなもので。私もヌマンタ様に言われて気づいたクチですが(笑) ただ、それ誰か「王様の耳はロバの耳」と指定するブレーンが存在しなかったのですかね??
官僚組織とはそんなものか?