ヌマンタの書斎

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シナの全翼機

2025-02-20 13:15:44 | 社会・政治・一般

軍事情報は機密事項が多いが故に、その情報を推し測ることが難しい。

軍事に関しては真実が語られることは少なく、むしろ情報操作に使われることも珍しくない。また日本のように軍事学が大学で教えられない似非平和国家だと、軍事情報をまともに扱えるマスコミが非常に少ない。

近年軍事力の増強著しいシナが、新型の軍用機をネット上に乗せた。それも、アメリカがほぼ独占的に運用している全翼機であった。現時点で全翼機といえばノースロップ・グラマンB2、通常スピリッツと呼ばれる爆撃機だけである。

あまり馴染みのない全翼機であるが、ステルス性能が高い上に、翼に爆弾等を大量に積み込める恐るべき戦略兵器である。その形状から空気抵抗が少なく、胴体や尾翼がないため内部スペースが大きくとれるし、軽量化も期待できる。

しかし、機体の安定性が悪くコンピューター制御による機体制御(フライバイワイヤー)でないと安定できない。また製造コストが高額になり勝ちであり、設計もかなり難しい。故にアメリカ以外で実用化に成功した例はなかった。

それをシナが作り上げたのだから、衝撃は決して小さくない。だが疑問は残る、本当に実用可能な機体なのかと。全翼機は設計が難しい上に、機体制御が非常に繊細な操作を要求される。翼の部分にも大量のスペースが設けられるメリットがあるため欧米の航空機メーカーも幾度となく挑戦している。

なかでもノースロップは半世紀以上に渡って開発と失敗を繰り返してきた。まさに半世紀にも及ぶ試行錯誤の成果がB2スピリットなのだ。それゆえにその機体設計から製作、そして運用に至るまで機密事項の塊であり、容易にコピーできる機体ではない。

だからこそネット上に公開されたシナ製の全翼機に世界は驚いた。

おそらくだが、実験機として使われても実戦登用は無理だと思う。それはシナのジェットエンジンの製造技術が一世代以上遅れているからだ。シナの軍事技術の多くはロシア由来である。冷戦の最盛期において旧ソ連は、当時の第一線で活躍していたMig21の製造をシナに許した。

その際、武器管制システムからレーダーはもとよりジェットエンジンの製造ノウハウも伝授したのだが、数年後それを旧ソ連は後悔する羽目に陥る。なぜならシナはMig21のコピー機を第三世界向けに格安で大量に販売したからだ。

稼ぎ頭のMig21を勝手に安値で売り捌かれた旧ソ連は激怒したが、面の顔の厚さは中華4千年の垢が積もり積もって万里の長城も尻込みするレベルのシナである。法も契約書も眼中にない上に、昔の国境紛争を持ち出して旧ソ連の指導者を辟易させた。

以来ロシアはシナに対して新型の戦闘機の売却はしても、決して製造ライセンスは与えなくなった。そこでシナはイスラエルから技術者を呼んだり、アメリカにスパイを送り込んだりして、シナ・オリジナルの戦闘機の開発に勤しんだ。

その成果がJ11であったりJ20である。なんとか実用に足る戦闘機をつくり上げた。ただし、ジェットエンジンの製造に関しては、やはりコピーの域を出ない。具体的には冶金技術の未熟さである。

例えばF15イーグルのジェットエンジンは耐用時間が8千時間以上なのだが、シナ製のジェットエンジンは2千時間に満たないとされている。超高温に耐えねばならないジェットエンジンのタービンブレードは先進国でも一部の国のみが実用化に成功しているに過ぎず、その製造ノウハウは国家機密として取り扱われる。

当然にシナはその製造ノウハウを持ち合わせていない。そうなると、せっかく苦労して作り上げた新型の全翼機もエンジンは旧式のまま。最大の利点であるステルス性も活かせず、航続距離も怪しいまま。

そんな欠陥機の情報を公開するのは「やい、アンクルトム! いい気になっているとこの新型機で爆撃にいくぞ」と脅したいからに他ならない。

現時点での私の評価は、はったりパンダに過ぎない、です。


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2 コメント

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Unknown (さくらもち)
2025-02-20 13:22:27
わかりやすい解説ありがとうございます。
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Unknown (ヌマンタ)
2025-02-21 14:16:40
さくらもち さん、こんにちは。この手の軍事に関する記事はいつも難儀しています。軍事知識を持たないことが平和につながると妄信する人が多いからです。少しでも関心を持っていただけると嬉しいです。
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