ヌマンタの書斎

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プロレスってさ フルネルソンホールド

2021-03-11 11:53:00 | スポーツ

プロレスに、フルネルソンという技がある。

相手の背後にまわって、両脇から腕を差し込み、その腕を相手の首の後ろで交差させて固める技だ。羽固めとも呼ばれており、警察などでも捕縛術として使われると聞いている。


子供の頃、私はこのフルネルソンの意味がさっぱり分からなかった。たしかに両腕をロックすれば、相手の動きを拘束することは出来る。でも、それだけだ。

いったい、何のための技なのか、さっぱり分からなかった。相手の動きを止められるとは思うが、さほど痛いわけでもなく、これでギブアップはとれないと思っていた。

そんな私の疑問を解決してくれたのが、新日本の藤波辰巳のドラゴン・スープレックスである。このフルネルソンの体勢から、相手を後方へ投げて、そのままホールドしてカウント3を狙う。

画像を見てもらえば分るが、上手くブリッジをしないと自分の後頭部をマットに打ちつけてしまう危険な技である。同時に、受ける相手にもかなりの受け身の技量を求められる。


そのせいか、プロレスの試合でも滅多にお目にかからない技である。その後、タイガーマスク(佐山)なども使っていたが、その危険性故に衝撃を和らげる配慮が必要な面唐ネ技だ。

ところが、このフルネルソンを相手を痛めつけるために使っていたレスラーがいた。それが地獄の墓堀人と異名をとった西ドイツのローラン・ボックであった。

このボック氏は、レスリングこそ最強の格闘技の信念のもと、プロレスをやっていた御仁なので、平気で相手を傷つける技を使う。そのせいで、同業のプロレスラーから嫌われて、興業的には失敗している。でも、その信念はアントニオ猪木以上ではないかと思っている。

ローラン・ボックは怪力でも有名で、彼がフルネルソンの状態で相手の動きを止め、怪力にものを云わせて空中にほうり上げる様に持ち上げ、身体を横にひねって、相手の顔面もしくは肩からマットに叩きつける。

ほとんどの対戦相手は、これで戦意を喪失してギブアップする。あのプライドの高いミル・マスカラスでさえ、このフルネルソン・バスターを二度耐えたが、三度目は嫌だったらしく、珍しくギブアップしている。

アントニオ猪木も、このフルネルソン・バスターは一度で懲りたらしく、空中で体をひねって逃げている。よくぞ、あの怪力のボックから逃れたものだと思うが、なによりもボック本人が驚いたそうだ。

私は猪木の全盛期を30代前半だと思っている。その頃の猪木は異常に受けが上手く、また柔らかい体躯を利して、相手の必殺技を上手く殺すのが得意だった。その猪木でさえ、ボックのこの技は一度で懲りてしまったようだ。

たしかにフルネルソンに固められて、一メートル以上の高さから顔面もしくは肩口を叩き付けられたら受け身もへったくれもない。えらく凶悪な技だと思うが、フルネルソンに固めた上で、高く持ち合える膂力の持ち主でないと出来ない技だと思う。

やっぱ怖いわ、ローラン・ボックは。


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