今回の会社法改正で、一番変わったと考えられるのが資本金。資本に対する考え方が、凄まじく変わりました。
資本金とは、従来事業を開始する際の元手を意味していました。商売に元手がかかるのは当然です。その初期投下資金を示していたのが資本金でした。この金額が多ければ多いほど、信用度は高いと判断されていました。
この考え方の背景にあるのは、債権者保護です。元手(資本)が十分にあれば、当然その事業者(法人)の財政的安定性は高いと考えて、債権者が不利益を被る可能性は低いと予測できるからです。しかし、本当にそうでしょうか?この疑問が、今回の会社法改正に取り込まれました。
会社の財政状態は、総資産から負債を控除した純資産(正味資本)の金額で判断できます。この純資産の金額が大きければ、債権者(負債の相手先)が不払い等の被害を受ける可能性は低いはずです。つまり、現実問題として資本金の多寡ではなく、資本の部で表示される「純資産の金額」こそが、企業の信用力を示しているわけです。
ちなみに、従来「資産」と「負債」「資本の部」で表示されていた貸借対照表は、今後「資本の部」と呼ばず、「純資産の部」と呼ぶようになります。
この資本の部(今後は純資産の部)は、株主からの拠出である「資本金」「資本準備金」と、利益の累積である「利益準備金」「当期未処分利益」等として区分されて表示してきました。ですが、これからは、両者の区分は曖昧となり、極端な話資本金を取り崩しての配当が出来るようになります。ただし、税法の考え方は未だ変わっていませんから、税制の縛りであまりに勝手なことは出来ないと思います。
既に時限立法で、資本金1円の会社設立が認められてきましたが、これも資本金の最低限度額の縛りが無くなったため、なんと資本の部がマイナス、つまり資本金が一円以下でも会社は成立することになりました。・・・なんかヘンですね。政府の説明では、新規開業を促進するために、このような改正をしたとのことですが、率直に言ってあまり感心できるものではない。10年前の最低資本金の増額は、いったい何だったのだ?
資本金があまりに少ないと、債権者保護が十分に出来ないことへの配慮から、純資産の額が300万円以上ないと配当は出来ないと規制をかけています。これは従来の有限会社の最低資本金からひっぱて来た数字でしょうが、これで本当にいいのか?
もう少し深く考えてみたいと思います(次回に続きます)
資本金とは、従来事業を開始する際の元手を意味していました。商売に元手がかかるのは当然です。その初期投下資金を示していたのが資本金でした。この金額が多ければ多いほど、信用度は高いと判断されていました。
この考え方の背景にあるのは、債権者保護です。元手(資本)が十分にあれば、当然その事業者(法人)の財政的安定性は高いと考えて、債権者が不利益を被る可能性は低いと予測できるからです。しかし、本当にそうでしょうか?この疑問が、今回の会社法改正に取り込まれました。
会社の財政状態は、総資産から負債を控除した純資産(正味資本)の金額で判断できます。この純資産の金額が大きければ、債権者(負債の相手先)が不払い等の被害を受ける可能性は低いはずです。つまり、現実問題として資本金の多寡ではなく、資本の部で表示される「純資産の金額」こそが、企業の信用力を示しているわけです。
ちなみに、従来「資産」と「負債」「資本の部」で表示されていた貸借対照表は、今後「資本の部」と呼ばず、「純資産の部」と呼ぶようになります。
この資本の部(今後は純資産の部)は、株主からの拠出である「資本金」「資本準備金」と、利益の累積である「利益準備金」「当期未処分利益」等として区分されて表示してきました。ですが、これからは、両者の区分は曖昧となり、極端な話資本金を取り崩しての配当が出来るようになります。ただし、税法の考え方は未だ変わっていませんから、税制の縛りであまりに勝手なことは出来ないと思います。
既に時限立法で、資本金1円の会社設立が認められてきましたが、これも資本金の最低限度額の縛りが無くなったため、なんと資本の部がマイナス、つまり資本金が一円以下でも会社は成立することになりました。・・・なんかヘンですね。政府の説明では、新規開業を促進するために、このような改正をしたとのことですが、率直に言ってあまり感心できるものではない。10年前の最低資本金の増額は、いったい何だったのだ?
資本金があまりに少ないと、債権者保護が十分に出来ないことへの配慮から、純資産の額が300万円以上ないと配当は出来ないと規制をかけています。これは従来の有限会社の最低資本金からひっぱて来た数字でしょうが、これで本当にいいのか?
もう少し深く考えてみたいと思います(次回に続きます)