久々に痺れるほどの武道漫画を読んだと感じた。
それが現在、週刊ヤングマガジン誌に連載されている表題の作品だ。まだ始まったばかりであり、感想を述べるのは些か早過ぎるが、序盤が鮮烈に過ぎた。
なにせ新選組初代局長の芹沢鴨と一番隊の沖田総司の一戦である。神道無念流の芹沢と、天然理心流の沖田、果たしてどちらが強いのか。
私は芹沢をそれほど強いとは思っていなかったが、壬生浪士一の乱暴者であり、有能な資金集めの能力を持ちながら、その暴君ぶりで隊士から嫌われた芹沢である。元々、荒くれ者の集まりである壬生一党のなかで筆頭である以上、弱い訳がない。
本来の武士としての格を持たぬ浪士たちの集まりでは、人望だけでは下は付いてこない。実力あってこそ、下は付いてくる。弱い男には無理である。
一方、幕末の剣士の中でも、その名は知らぬ者のない有名人である沖田である。新選組では沖田、斉藤、永倉の3名が腕利きとして知られている。その中でも一番隊を任された沖田は、周囲から認められた剣士であることも間違いない。
史実としては、誰が芹沢を暗殺したのかは不明である。ただ、新選組が関与した可能性は高い。
それ故に、この作品は相当な創作が含まれると看てよい。私は剣道の経験はないが、竹刀を使う剣道と、真剣の剣法では違う部分が相当にあることは想像が容易につく。
平和な時代であった徳川治世の元では、剣法は侍の教養に過ぎなかった。しかし戦乱の匂いが漂う幕末に置いては、侍たちが道場剣法に満足できず、実戦での強さを求めて模索していた時代である。
江戸の三大道場の一つである神道無念流の使い手であり、道場では師範代を務めたとされる芹沢である。弱い訳がない。ちなみに新選組の数少ない生き残りであり、剣豪でもあった永倉新八も、この流派の使い手である。
永倉が暗殺班から外されたのは、そのせいではないかと思う。手を下したのは沖田であると噂されたが、真偽のほどは分からない。分からないからこそ、想像の翼が拡がる。
この作品の作者は、相当に取材したらしく、天然理心流の道場を訪ねて、沖田が得意としたとされる三段突きや、他の得意技のレクチャーを受けているようで、このバトルは相当に迫力がある。
今後もしばらく目が離せない作品であることは間違いないと思います。
私は食べるのが好きだが、料理も嫌いではない。
若い時分から減塩を目的とした治療食を作っていたので、今は完全に薄口を好むようになっている。だから外食は基本、昼食時のみで朝食、夕食は自分で作ることが多い。ただ仕事柄、夜も会食が必要な時もあるので、完全に自炊ではない。
とはいえ、疲れている時に料理をするのは案外と面唐ュさい。元々ナマケグマの性分であるため、自炊するにも楽な献立が望ましい。もちろん暇があれば、手の込んだ献立も作るが、この時期は仕事が多忙なため、可能な限り料理には手を抜きたい。
そんな私の最近の得意料理は「シラス丼」である。
正直、料理と名付けるのが恥ずかしいほどの手抜き料理である。用意するのは暖かいご飯とシラスと大葉だ。丼にシラスを万遍なく振り鰍ッ、刻んだ大葉を乗せる。ごま油を大匙一杯分たらし、醤油をちょいちょいとたらせば出来上がり。
馴れると5分とかからず出来る。まァ、実際にはキュウリの浅漬けとか、小松菜のお浸しなどを添えるので、もう少し時間はかかる。味噌汁は作ったり、作らなかったり気分次第。
疲れて料理がしたくないが、味の濃い外食は避けたい時には非常に便利である。手抜き料理としては美味しい部類に入ると自負している。
さて、今夜はどうしようかな。
いささかうろ覚えなのだが、若い頃の病気療養中の時は読書だけでなく、ヴィデオ、ゲームと時間潰しをずいぶんとやった。
そのなかでも記憶に残っているゲームが大戦略であった。要は戦争シュミレーション・ゲームなのだが、これがなかなかの難物である。
ハードがスーパーファミコンだったか、それともセガ・メガドライブであったか覚えていないが、3カ月くらい熱中した。私が取り組んだのは、大戦略のうち第二次世界大戦の東部戦線を扱ったバルバロッサ作戦を範としたヴァージョンである。
ちなみにバルバロッサ作戦とは、ナチス・ドイツのソ連侵略作戦の一端である。ゲームではドイツ側、ロシア側の二陣営を選択できる。私は当初、ドイツ側でゲームを始めた。
初戦は大勝利であり、その後も序盤は楽勝であった。しかし、侵攻を進める度に援軍を繰り出すソ連軍に手を焼くようになった。今でも覚えているが、キエフ攻防戦のし烈さは、TV画面の前で歯噛みするほどであった。
苦戦の理由は兵站が延びすぎて、補給がままならず、戦線を維持できないことであった。一方、ソ連側はウクライナ東部の工業地帯から無尽蔵に補給を続けられる。何度もやり直したが、私はキエフ攻略は出来たが、戦線を維持できずに撤退、すなわち敗北している。
戦史に詳しい方ならご存知だと思うが、歴史上の事実としてもドイツ軍は、この東部戦線で苦戦し撤退を余儀なくされている。そこで物は試しと、ソ連側陣営になってみて、ドイツ軍の侵略に対抗してみた。
これが予想以上に苦戦だった。まァドイツ軍の強いこと、強いこと。戦線をまるで維持できず、撤退を繰り返さざるを得なかった。だが、撤退する度に後方の軍需物資製造拠点である黒海沿岸に近づく為、兵站が楽になった。
粘り強く戦線を維持できれば、なんとかドイツ軍を止めることが出来た。しかし苦しい戦いであったと思う。兵站の重要性を思い知らされたゲームであった。
ところで、21世紀の現在、ロシア軍がウクライナに侵攻しての戦乱状態になっている。ロシア側を批難する声は大きいが、私は少々疑問に思っている。
ロシアにとってウクライナは絶対防御ラインである。散々、ウクライナを食い物にしてきたロシアだが、このウクライナこそがロシアにとって生命線であることは誰よりも強く意識しているのだろう。
ユーラシア大陸指折りの穀倉地帯を抱え、工業地帯を有し、さらにロシアがのどから手が出るほど欲する不凍港を有するウクライナは、絶対に西側には渡せない。だからこその軍事侵攻であった。ロシアにとっては祖国防衛戦争である。
その一方、ウクライナを西側に誘いながらも、今回の危機に手をこまねいているEU及びアメリカ。特にEUの中核ともいえるドイツが及び腰である。当然であろう。第二次世界大戦時、東部戦線で敗退した苦い記憶があるドイツが、積極的になれないのだろう。
今回の紛争がどのような決着に至るのかは不明ですが、決して西側社会が望む結果とはならないだろうと予測しております。
勉強が出来ても、バカはバカであるようだ。
私は十代半ばまで左翼活動にいささか関わっていた。家族にも友人にも知らせず、教会の同志との勉強会と称して、民青を中心とした読書会のゲストメンバーとして左翼推奨の本を読み、その読書会でリーダーたちの演説に聞き入る未来の活動家気取りであった。
その時はあまり意識していなかったが、当時のリーダーたちは勉強の良く出来る人が多かった。そのせいか、喧嘩は苦手な人が多かった。当時、学生運動家はヤクザや某大学応援団などに睨まれていて、夜の繁華街ではしばしば喧嘩が起きていた。
応援団の奴らは嫌いだったが、ヤクザ連中には小学生の頃からの知り合いが少なくなかった。知り合いといっても銭湯で背中を流してあげたり、祭りの神輿担ぎの時に指導を受けたりする健全なお付き合いだった。また夜店の手伝いもしていたので、いろいろと知り合いが多かった。
読書会のメンバーが彼らとの喧嘩に巻き込まれると、怖がる女子学生に頼まれて私が助けに行くことが多かった。まだ子供の私ならば、ヤクザ連中も大目に見てくれるからだ。ただし、応援団の連中はダメで、摘まみあげられて放り出された。
もっとも助けにいくといっても、別に戦う訳ではない。路上でボコられている読書会のメンバーに覆いかぶさり、「このへんで勘弁してあげて」と頼み、彼らを背負ってその場から離れるだけである。
こうして女子学生たちが待っているアパートまで運んであげると、彼女らからお菓子や夜食を振る舞われていた。こちらが目当てであったことは内緒である。
読書会でのアジ(演説のことね)では勇ましい彼ら学生運動家は、実戦では弱いというか、喧嘩が下手だった。私も喧嘩は弱いが、どの程度弱いのか判別できるくらいには場数は踏んでいた。だから内心、相手を考えて喧嘩しろよなと冷淡にみていた。
ただしそれを口にしたことはない。彼らはなまじ勉強ができるので、自身を美化する傾向が強かったことは分かっていた。私が興味深く思っていたのは、知識があり、演説が上手いが実戦は弱い運動家ほど、強い相手に戦う姿勢をアピールしたがることだ。
彼らにとって権力の犬の下っ端であるヤクザや応援団は本来の敵ではなく、最大の敵は日本を支配する自民党政治家とそれを支援するアメリカであるそうだ。だから、彼らの演説では常に権力者との闘争こそが主題であった。だからヤクザや応援団に喧嘩で負けるのは恥ではないそうだ。
子供心に変な理屈だと思ったが、それを口にするほど馬鹿ではない。ただ、この人たちについていって良いのか疑問は感じていた。多分、私が左翼活動から手を引いた一因だと今にして思う。
そんな気持ちを思い出せるのが、最近たまに見かけるコロラドの先生こと、牧田覚である。幾つかの大学を渡り歩いた大学の先生だが、人間関係が上手く行かずに現在は文筆業がメインとなっている御仁らしい。
統計学などを駆使して政府のコロナ対応を批判する記事を書き殴っているので、目にした方もいるかもしれない。最近の主張はコロナ検査の不足だと政府を非難することである。出たな、検査バカが。
私とて日本政府のコロナ対応に不満がないわけではない。しかし、理解できないのが、この手の検査不足を誹謗する方々の主張だ。検査を増やせば、たしかに陽性患者は今より増えると思うが、その増えた患者の受け入れはどうするのだ?
その一番肝心な部分を放っておいて、政府の対応を批難するだけってどうよ。要は政府の失策を批難する自分、偉い~ってだけじゃないのか。
ちなみにこのコロラド先生、実は非常に口が悪いらしい。ツイッター上の公式アカウントが停止処分を受けているのだが、その原因が他者への誹謗中傷。とにかく「死ね」とか「死刑」とか罵詈雑言が目立つ。
私はこの人をみると、十代の頃の左派学生運動家のリーダーたちを思い出します。言論を卑下するつもりはないけど、結局口先だけの輩って、それを内心自覚しているからこそ、言葉が過激になりがち。だから批難しても、反撃してこない政府を狙うのでしょうね。
マスコミってバカなのか。
予想通り電子帳簿保存法の適用が2年間、延長されました。元々、現場との意見調整抜きで作られた法案なので、国税庁内部で相当に葛藤があったようです。
一部のIT企業、それも小規模な企業なら可能でしょうけど、一部上場の数千人の社員を抱える企業の経理慣行を変えるにはあまりに期間が短すぎる。出来る訳がない。
そんなこと、ちょっと企業の総務部や経理課に訊いてみれば分かる事。おそらくTV局も新聞社も、まず間違いなく電子帳簿保存に対応しきれていないでしょう。
だから、この電子帳簿保存法を報じる記者は、自ら取材して確認とることなく、ただ記者クラブで配布された資料を丸投げしただけとすぐ分かる。いかにマスコミの取材能力が低下しているかが分かります。
ちなみにネットで検索してみると、上位にくるのは皆、広告系の記事ばかり。そりゃそうだ。事務系機器の会社にとっては絶好のビジネスチャンスですから。だから、それを批難する気はありません。
多分、私でもこの電子帳簿保存の手段は大手の事務機器メーカーに頼るでしょうから。
でも、まだ当分は対応する気はありません。そんな暇ないし、やる気もない。おそらく数年後には簡易版が出るでしょうし、法令も整備されて、より使いやすいシステムになっていると思いますよ。
基本的には自己責任で決断して欲しいのですが、バカなマスコミの丸投げ記事を真に受けて、今すぐ対応する必要はないと思います。