ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

性質が悪い

2023-12-08 14:06:39 | 社会・政治・一般

勉強が良く出来るおバカ、それが私の評価だ。

教育無償化という目標を掲げるのは良いとしても、それを党名にするのがおバカ。政治というものを理屈だけで考えるから、何が必要なのか、何が足りないのかが分からない。自分が正しいと信じているから、自分の過ちを認めることが出来ない。

政治とは人を動かすことだ。人は理屈だけでは動かない。高い理想を掲げても、それだけでは人は付いてこない。勉強が良くお出来になる政治家や官僚によくある勘違いである。人は口先だけでは動かない。

理想を語る人ではなく、理想を体現できる人にこそ人々は引き付けられる。

あまり語られることは少ないが、リーダーシップは学校教育では身に付かない。これは教わって覚えるのではなく、天与の才である。誰もが有する才能ではなく、一部の限られた者だけが有する才能である。

だから学校教育ではリーダーシップは教えないし、教えることも出来ない。その代わり組織の管理者を育成することで代替する。学校の勉強が良く出来れば、組織の中で管理者となることが出来る。これは現代はもとより古代においても同様であった。

例外は戦乱の時代である。戦いを生き抜くのは、組織の管理者ではなく、集団を引き付けるリーダーシップを有する指導者だ。実力主義の戦場にあっては名門の家名も、華美な鎧兜も必要ではない。過酷な戦場を戦い抜ける指導者こそが求められる。

だが戦いを終えて、平和な世になると必要になるのは組織の管理者だ。その意味で、日本の学校教育は組織管理者の育成に向いたものだ。これは、これで間違いではない。しかし、問題はあっても答えはない現実社会に対応するのが政治だ。

学校の勉強がよく出来る人は平時ならば、そこそこ良質な政治家になれる。しかし変化する時代に現実が十分に対応できていない時には、むしろ改革を妨げる邪魔者となる。現状こそを正しいと規定して仕事をする行政ならば、それでいい。

しかし、行政が現実に十分対応できていない時にこそ柔軟な思考を持つ政治家が求められる。民主主義社会での議会政治は、多数決原理で物事が決まる。つまり多くの有権者が引き付けられる政治家こそが、最適解を有するとみなす。

いくら勉強が出来ても、リーダーシップのない政治家には変革が出来ない。現・首相がその典型なのだが、野党にもこのタイプが多い。繰り返しますが、どんな美辞麗句で飾ろうと理想を体現できない政治家に有権者は惹かれませんよ。

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コマンドー

2023-12-07 12:19:36 | 映画

悪い奴は許さない、それが俺の正義だ。

そんな叫びが画面から聴こえてきそうな映画、それが「コマンドー」だった。とにかく凄いぞ、この映画。娘を誘拐された主人公(アーノルド・シュワルツェネッガー)がただひたすらに暴走する。法も秩序も関係なく、利用できるものは何でも使う。

その戦闘場面は捧腹絶倒の面白さ。なにせ主人公が撃てば必ず敵は倒れる。一方、圧倒的多数派の敵の攻撃は一切主人公には当たらない。ご都合主義もここに極まれりなのだが、アメリカの映画館ならば、きっと観客は拍手喝采であったと思う。

なに、日本だって映画はヒットしたし、なによりもTVでの放送は飽きるほど繰り返された。あまりTVを観ないと自負している私でさえ、TVでの放送は4回は観ている。もしかしたら、それ以上かもしれない。ちなみにwikiの記載では、TV放送回数は2018年までで21回であり、これは歴代最多映画らしい。これはある程度視聴率をとれなければ不可能だと考えると、やっぱり日本人も好きなのね。

面白いのは、これだけ人気があったにもかかわらず、続編は製作されなかったことだ。一応、続編の企画はあったのだが、肝心のアーノルド・シュワルツェネッガーが興味を示さなかったためお蔵入りとなったらしい。

続編がなかったからこそ、この映画は繰り返しTV放送されたのかしらと思わないでもない。なんにせよ、大した予算もかけず、大々的な宣伝もなしでこれだけ売れた映画は珍しいと思いますね。

あぁ~、なんだか又視たくなってきた。

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小野伸二の引退

2023-12-06 13:07:53 | スポーツ

安易に天才という言葉は使いたくないのだけど、高校での小野伸二を見た時は、こいつ天才じゃないかと思った。

たしかアンダー17の日韓戦だったと思う。当時はまだまだ南コリアのほうが強く、0-2で敗色濃厚な試合であった。そこに登場した伸二は、スルスルっと前線に上がると敵DFを一人、二人と交わして意図も容易にシュートをゴールにやさしく突き刺した。

呆然としたのは南コリアの選手だけでなく、日本のチームメイトも唖然としていた。まだ若すぎると最初から出さなかった日本の監督が一番動揺していたように見えたのは錯覚だろうか。とにかく、一人だけ異次元のプレーをしていた。

こんなの何時でも出来るぜと笑いを浮かべた小野に対し、本気で封じようとした南コリアの選手たちだが、軽く躱すばかりで、力づくのプレーは嫌いさと飄々と前線にパスを供給するだけだった。残念ながらそのチームに、小野の奇抜なパスを受けれるだけの力量を持った味方選手はいなかった。

この試合で、小野と契約したいと熱望するJリーグのチームは倍増したと云われる伝説的な試合であった。

後年小野はインタビューで「俺のサッカーでイメージを共有できたのは中村俊輔、ただ一人だった」と告白している。中村俊輔もまた「こいつには絶対負けたくない」と強烈なライバル意識を燃やしたのは、唯一小野伸二だけであったことを告白している。

実は希代のテクニシャン、小野伸二が最も技術的に素晴らしかったのは高校生の頃で、その後U17のアジア予選で、フィリピン戦での悪質なファールを受けて膝を損傷してからは、そのプレースタイルは一転している。いや、小野が最も苦しみ、もがき抜いた末に獲得した新たなスタイルであった。

小野自身は全盛期に遠く及ばぬと卑下するが、それが浦和レッズやフェイエノールト時代のあの驚異的なプレーの数々であった。並大抵の努力家ではない。サッカーが好きで好きでたまらない男が必死にたどり着いた姿であった。

小野に対する評価は、オランダで特に高くファンペルシーは「オランダ代表でも、オノほど上手い選手はいなかった」といい、スナイデルは「最も衝撃を受けた選手はオノ」と絶賛する。辛口評論家で知られるセルジオ越後でさえ小野を賛美する。

私も小野のプレーを観るのは大好きだった。あのエンジェル・パスともベルベット・パスとも云われた正確で受け手に優しいボールの出し手であり、時としてあまりに奇抜すぎて味方がついていけないこともあった。

またボールを受けるのは正に天才的に巧かった。機会があったらYOU-TUBEなどで観て欲しいが、ため息が出るほどの美しいトラップは空前絶後であったと思う。ボールを扱う技術は、今でも日本一だと私は信じている。

しかし同時に認めなければならないのは、小野伸二のサッカー選手としての限界です。小野の上手さを認めつつジーコは言い放つ「彼は腐ったミカンであった」と。どのチームにいってもお山の大将であった小野は、精神面で稚拙なところがあった。

一人で守れて、一人でゲームを作れて、その上得点も出来る小野はチームの中心選手ではあったが、同時にチームのバランスを崩す元凶ともなり得る諸刃の剣であった。先発では使ってもらえず、途中出場した試合での小野は、いささか不貞腐れた態度で「俺に何しろっていうのさ」と言わんばかりの気の抜けたプレーを平然とする。

小野以上に優れた選手であったジーコには、それは許せぬ怠慢であったと思われる。常にチームのために全力を尽くしたジーコだからこそ、厳しく接したのだろうが、小野が不貞腐れて代表合宿中にキャバクラ騒動を起こしたのは有名な事実だ。

私が少し気の毒に思うのは、多感な十代の頃、すなわち小野が誰よりも上手かった時代、彼には適切な指導者に恵まれなかった。いや、当時の日本には彼以上に上手い選手も監督もいなかった。オランダに渡り、そこで初めて従うに相応しいと思われる監督に出会えたが、そのオランダでもチーム一のテクニシャンであり、中心選手であったがゆえに、あまり改善されなかった。

その証拠に彼はオランダリーグからスペインやドイツ、イタリアへの移籍の声は掛からなかった。後にドイツのボーフムに移籍できたが、もはや中心選手足りえなかった。なにかが足らなかった。上手いだけでは世界のトップリーグには通用しない。これは中村俊輔にも共通する問題点であった。

実はこれは今も継続する日本サッカーの課題である。三苫や遠藤航が活躍しているが、世界のトップリーグでもトップチームには縁がない。辛うじて長谷部がブンデスリーガで実績を残しているが、まだまだ十分とは言いかねる。世界のサッカーを五段階評価すれば、今の日本はBクラスだと思う。運が良ければAにも勝てるレベルにようやく到達したというのが、現実だと思う。

散々文句を言ってますが、私は小野伸二のプレーを観るのが大好きでした。あれこそ金を払っても観る価値のあるプレーだったからです。彼が致命的な怪我から凄まじい努力で復活したことを高く評価しつつも、私は彼が単に上手いだけの選手であったことが残念でなりません。

その彼もついに引退です。本当にお疲れ様でしたとねぎらいたいと思います。

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沖縄省への指示

2023-12-05 09:34:32 | 社会・政治・一般

以下、あくまで意地の悪いヌマンタの邪悪な妄想です。

こちらP政府の連絡官である。沖縄省長官(予定)のTに命ず。アメリカ軍のオスプレイなる変態ヘリコプターを本島から排除せよ。この変態ヘリコプターは我が国の防衛上の危険分子であり、断固として排除せねばならぬ。

貴殿にアメリカ軍への指揮権はないことは承知している。だからこそ島の住人たちを洗脳して反オスプレイ、反アメリカ、反日本政府感情を煽り立てて人民主権の名のもとにオスプレイの排除を推し進めよ。

幸にして、この変態ヘリコプターは時々事故を起こす。まぁ実際には従来使用していたヘリコプターのほうが事故は多いが、その情報は無視して、あくまで島民にオスプレイへの反感を植え付け、煽り立てろ。

この作戦に成功したのなら、来るべき将来に貴殿の沖縄省長官の椅子は決まるはずである。祝愿成功(成功を祈る)    P政府を代表してSより。

はいはい、もちろん嘘です、捏造です。本気にしちゃいけませんぜ。平和を愛するP政府がこのような馬鹿らしいこと、言い出すはずがありませんから。ただ、真に受ける馬鹿がいるかもしれないので、一応繰り返します。これは嘘です。本当に嘘ですよぅ~

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何も起きず

2023-12-04 13:07:43 | 社会・政治・一般

ある意味、戦後最大の宗教家であった池田大作の死去が報じられた。

最初に書いておくと、私は創価学会の信者ではない。だが、池田大作が創価学会を日本一の宗教団体に育て上げた功労者であることは高く評価したい。ただし、政治への関心が強すぎたと思う。公明党という政党が創価学会の政治向けの存在であることは、もはや隠しようがない事実である。

これは政教分離を掲げる日本では必然の動きである。私が所属する税理士会は政治活動が出来ない。それゆえに税理士政治連盟を立ち上げて政治家への働きかけを行っている。別に違法なことはしていないと思うし、様々な政治思想を持つ会員がいる以上、仕方のないことだと割り切っている。

ただ政党を作ったりはしない。あくまで政治家への働きかけをする母体としての政治連盟である。ちなみに政治献金では毎年上位に入るのだが、どこまで意見が反映されているのかは、少々疑わしいと元経理部長は思う。

お金は有効な手段ではあるが、やはり万能ではない。議会政治における最大の武器は、やはり議員の数である。だからこそ池田大作は公明党を作ったのだろう。ある意味、正々堂々たる方策である。

もっとも戦後の日本は自由民主党が長年にわたり政権与党の座にあり、なかなか公明党は政治に関与できなかった。しかし長期政権ゆえの弛みからか、細川連立内閣が出来た頃から自由民主党単独での政権が難しくなった。小選挙区制度では、連立を組まねば一位はとれない現実が連立政権を必要とした。

ようやく公明党は政権与党となれ、創価学会の意向を政治に反映することが、ある程度出来るようになった。しかし残念なことに、この頃から池田大作は病気がちになり、表の場に出ることが厳しくなっていった。しかし、公明党はぶれずに一途に政権与党としての立場を固めていった。

特に閣僚のポストにはかなり力を入れていた。お飾りのような大臣ポストは欲しがらず、法務や財務といった実用的な大臣ポストに固執した。このあたりの事情は、大手のマスコミ様は詳細に語りたがらないが、地道に調べてみれば一目瞭然だ。

ただ霞が関の官僚たちは頭が固く、宗教とは距離を置きたがる傾向が強い。だから創価学会のための利益誘導がなされたとは思わない。しかし、何らかの形での影響はあったと推測できる。それが宗教に関するものなのかは不明だが、子供手当など福祉的な政策に影響を及ぼしていたのは確かだと思う。

政権与党の一角に名を連ねることの意義を十分味わったと思われる。だからこそ連立とはいえ与党であることに固執するはずだ。

実のところ池田大作が表舞台に現れなくなってから密かに囁かれていたのが、その死後のことだ。あまりに大きすぎる存在故に、巨大な組織をまとめ上げるのは誰が後継者でも難しい。そう予測すると、死語に混乱が生じ、場合によっては分裂の可能性もあるのではないか。私もそう考えていた時期もあった。

しかし現在はそうならないと考える。むしろ現状維持に固執するがゆえに混乱を忌避し、まとまることにこそ意義を見出すと予想している。つまり何も起こらないのではないか。現時点では、私はそう予測しています。

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