
昼になって雨が降ってきた。霧はまだ、高い所にとどまり降りてはこない。
第1牧区の「雷電さま」にいた問題の牛14番がようやく他の群れに合流し、「御所平」の草地に移っていた。この牛は、入牧の際に大暴れして、牧柵は破る、支柱は倒す、自らもバラ線に倒れ込み傷つくと、まさに凶牛化して普通なら手におえなかったが、幸い牛に対しては異能を発揮するF君が誘導役であったため、ようやくパドックへ押し込むことができた。こういう牛は放牧してもしばらくは警戒心が強く、何頭かの牛を巻き込みなかなか新しい環境に順応しようとしない。様子を見にいけば、3頭だったり4頭だったりで木の回りを走り回り、脱柵しようとさえした。
今日もその14番がいち早くこちらの接近に気付くと立ち上がり、3頭を連れて柵際に移動し、さらに近付くといまにも走り出そうとする構えを見せた。試みになだめるように声を出すと驚いたことに、13番が向きを変え、こちらに向かって走ってきた。すると14番まであとに従い付いてきて、12番の背後からこちらを見ている。これで何もせず、静かに立ち去れば、牛は少し安心する。そして何度か同じことを繰り返すうちに馴化してくる。ただ以前和牛が、追い上げの際頭を叩かれたことですっかり人を信用しなくなり、牧区替えを拒否して籠城し、手を焼いたこともあった。
図体は大きくとも大半はまだ生後1年かそこらの牛であり、無理もないといえば無理もないのである。

今年はクリンソウの開花も早く、そろそろ見納めか。雨の中、カメラを手にした二人ずれが、長谷に行きたいが通行できるかと尋ねてきた。「車両通行止め」とあるように通り抜けできないことを話すと諦めて、テイ沢へクリンソウの花でも撮ろうかと、車を置いて歩いていった。こういう人たちばかりならいいが、この通行止めの案内ではきっと無視する人もいるだろう。そして数キロも行ってから引き返さなければならない。それがペナルティかもしれないが、その旨を記した方が余程よいと思うが、サテ。
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