入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     「秋」 (43)

2015年10月14日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

                                           Photo by Ume氏

  今日も素晴らしい秋日和だった。朝ここに来る途中眺めた北アルプスは、乗鞍まで冠雪していた。前衛となる常念岳には雪はなかったが、その背後の槍と穂高はこのところの好天にもかかわらず、白い峰を青い空に輝かせていた。

 明日牛を集め、第2検査場に入れる。そして明後日、検査を済ませて里に下ろす。さっきも牛の様子を見にいったら、鈴の音に反応して森の中の水場からやってきたが、今日は塩を貰える日ではないと分かったのか、途中から付いてくるのを止め、後はいつものようにこちらが去る姿をじっと見送ってくれた。今日と違って給塩のときは、笛も鳴らすし、大きな声で呼ぶ。それでどこからともなく、呼びかけに答えて咆哮し、やってくる。そういうふうに放牧中に調教したわけだ。あの大きな図体をして、こちらの声に合わせて走ってくることもある。
 気儘な暮らしが間もなく終わることも知らず、牛たちはずっとここにいると思っているのだろうか。No.222の種牛見習いマッキー以外は、遠からず出産が待っている。無事それが済めばホルスタインは搾乳が始まり、和牛は繁殖牛の役割を繰り返す。





 上の写真のNo.12、通称「クロ」、もうこんなふうに主役を張ることもないだろう。天気の良い日も雨の日も、およそ動ずることなくその巨体で群れをリードした。放牧中の大概の牛は人に触れられるのを怖がるが、この和牛は平気だった。本来なら雄牛が圧倒的な力を持つが、まだ見習いの身、常にクロを立てて、従っていた。それもまた、見ていて微笑ましかったが、種牛を目指す立場としては如何なものか・・・。
 牛のこと、のみならず農業のことについても、また書くことにして、とりあえずまた暗い夜道を里に帰ることに。昨夜の日没後の西の空に見えた夕焼けの残光は、圧巻、感動。

 入笠牧場の宿泊施設及びキャンプ場の営業に関しましてはカテゴリー別の「H27の営業」を、また天体観測に関心のある方は「入笠牧場からの星空」をご覧ください。
 
 



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