
みんないなくなって、またいつも通りの人気のない牧場に戻った。
午前中、 陽射しを浴びながら枝打ちをしていたら汗ばんでさえきたが、午後になって日影に入れば、気温は10度にもならない。見た目には暮秋の日の光は明るく輝いていても、時折吹く風には温もりがない。これから来ようとしている季節を意識して、少し身構えてしまう。
ただ、暗い、色彩の消えた、初冬の寂しい風景やその雰囲気もまた、嫌いではない。何というか、森や林が活動を止めて、冬の眠りに入る前のわずかな時の穏やかさとか、静けさを、こんなふうに一人きりで味わっているのだという自己満足は、美味しくて、尊い。今年もあと半月もすれば、ここにも雪が降る。
明日は朝早くからCM撮影のロケハンがあり、その立ち合いをするためにもう一晩、ここに泊まろうかと思案していた。そしたらいま電話が入って、予定が少し遅くなった。HALは連れてきているし、食糧もあるので里に下りなくても何ら支障があるわけではない。さてどうしたものか・・・。
昨夜の賑やかで愉快だった団居(まどい)でも思い浮かべながら長い夜を過ごすことにして、ついでに久しぶりに鹿の夜間調査でもやってみるのもいいかも知れない。
ネギさん、まだPHに難ありますが、何とか投稿できました。
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