白樺の中には本格的な秋を待つこともなく、早くも黄色く色付いた葉を、あえなく風に散らせてしまっている木もある。あれらは病葉(わくらば)かも知れないが、この木は芽吹くのが遅く、散るのもまた早い。
権兵衛山をからかう今日の霧も、なんとなく秋冷を感じさせる。紅葉はまだだが、あまり待つこともなくそんな季節が、そこまで来ているような気がする。
激しい雨が降ってきて、さっきまで覗いていた青空も消えてしまった。そろそろ南に帰る準備に忙しいイワツバメが20羽ばかり、雨宿りをするでもなく電線にとまって濡れている。こんな山の中では、おいそれと雨を避ける場所とてないらしく、濡れて重くなる羽をひっきりなしに羽搏かせながら耐えている。こうした試練に負けず、9月になれば海を渡っていかなければならないが、それにしてもそれを習性と言っても、はたまた健気とかいじらしいと評してみても、言い足りない思いがあの鳥たちには残る。
雨が止んだと思ったら、イワツバメは1匹残らずどこかへと飛び去った。狂った雨に対しての、あれがあの鳥たちの避難方法だったのだろうか。
知人夫妻が来て、露天風呂の快適さ、特に湯の質を激賞していった。この湯は、一度に3,4人が入浴できるが、5名から10名ぐらいの同一グループに、最も適していると思う。入浴料1名500円也を頂戴しているが、不平不満の類は聞かない。
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