入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    ’16年「秋」 (42)

2016年10月09日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 昨夜の雨と風でいつもの道は荒れているだろうと、きょうは千代田湖経由で来た。枯れ木の峠を越えてしばらく行ったところで、すれ違った車の主がこの先に倒木が道路を塞いでいて、先には進めないと教えてくれた。オオダオ(芝平峠)の前か後かと聞くと手前だと言う。ならば迂回路もあるからと、念のため様子を見に行くことにした。
 ところが、倒木は峠の少し先だった。これではその大木を何とかしない限り、牧場へは行けない。こういう時に限って、いつも車に備えてある鋸がないことに気付いた。
 しばらくそこで途方に暮れていると、ある男の顔が浮かんだ。山奥氏である。正式、というのもおかしいが、奇人名は「百姓山奥いつもいる」、何度かこのブログにも登場して貰っている。趣味は海釣りのくせに、なぜか芝平の山の中に寓居を得て、大物狙いを夢見つつ終日(ひねもす)そのための釣り竿作りに余念のない、というような人物である。
 オオダオから電話をすると、運の良いことに彼はいた。酔ってもいなかった。眠そうな声でこちらの要件を了解してくれた。要件とは、彼自慢のドイツ製チェーンソーを拝借したかったのだ。
 それで、きょうは通行を避けたつもりの山道を3キロばかり下り、それからさらにすごい道を上って、その昔「ハイランド」などという洒落た名前の面影などすでに失せた、今は廃屋が目立つうらぶれた別荘地の一角に彼を訪ねた。
 氏の隠れ家まで行くと、彼も現場に駆けつけてくれようと準備をしているところだった。必要なのはチェーンソーと鋸だったが、一緒に来てくれるという。ならばと二人して別々の軽トラで現場に向かい、あとは始動の悪いチェーンソーをなだめすかして倒木を処理した。倒木は柳の大木だった。


 半分ばかり倒木処理を終えたところ、人影が山奥氏

 昨夜の風雨の爪跡は、他にもあった。褪色しかけた薄緑色のダケカンバの葉が、まさに黄色く色付く寸前に、狂った風はは大方の葉を散らしてしまったのだ。こちらの方が、落胆の度合いは大きかった。葉の落ちたダケカンバの森はあっけないほどスッキリとしてしまって、一夜にしてまるで初冬の森と見紛うほど季節感が進んでしまった。

  山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては、カテゴリー別の「H28年度の営業案内」及び「続・H28年度の営業案内」をご覧ください
 










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