二、三日前だったら考えられなかったような秋空が拡がって、その雲ひとつない大きな空を背景に、色付いた木々の葉が樹種によって異なる微妙な色採を精一杯、華やかにも、絢爛にも見せている。いつの間にこんな艶(あで)やかな秋が来ていたのだろう。それはまるで、牛が去ったあとの淋し気な風景を補ってくれているかのようでもある。
最も葉を落としてしまったのはコナシだが、散らずに残った葉とその枝が、紫がかった茶色とでも言ったらよいのか、絶妙な渋めの色合いを作り、大沢山の中腹や、小入笠の山腹を牧草の黄緑色には負けないで目立っている。初の沢にあるダケカンバの林もかなり落葉が進み、クリーム色の木肌がひと際目を引くようになった。わずかに緑の葉を残しているのは白樺とミズナラ、それと松やモミなどの常緑樹ぐらいだろうが、その白樺も葉よりも白い樹幹の方が、秋らしい風景には貢献しているのかも知れない。
何がこれほど周囲の景色を華やかにしているかと言えばやはり、基調になる落葉松の黄色に他の木々の葉の色が混ざり補い、そこに配色を間違えたかのようなど派手な赤や朱色の紅葉だか楓が加わり錦繡を完成させているからだろう。それと、忘れていけないのが日の光で、森全体を輝かせているのはまさしく、きょうのような秋晴れの日のせいである。
ねぎらいは 牛のひと舐め 牧閉じる ―― TDS君
そろそろ冬の問い合わせも来るようになった。昨冬に準じますが、詳細は後程。岩氏の予約、了解しました。
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