昨夜は春の小夜嵐で大分荒れた。それでボケの花は散ってしまったと思っていた。ところが朝起きて見たら、白い花びらは殆どと言っていいくらい散ることもなく、その花の勁さ、それに開花している時期の長さにも驚いた。このボケの開花を確認したのがちょうど1ヶ月前の13日のことで、その後26日に咲きかけた小枝を1本だけ小鉢に活けておいた。その花も散らずにいる。花を活けるなど柄にもないが、それを承知で毎年している。
風は止んだものの雨脚は相変わらず強い。きょうは午後から高遠まで行くことになっている。不要不急の外出には当たらないから、承諾した。高遠城址公園の花はまだ咲いているのかどうか、こんな情勢下では早く散ってくれた方がいいのかも分からない。
それにしても、新型コロナウイルスの脅威は長期化するようだ。各方面で自粛が叫ばれている。春の祭祀などの諸行事も次々と取り止めが決まって、そうした通知や連絡が毎日のように届く。今年は、ある小さな祭礼を受け持つ当家になっていたが、毎年5月第1日曜日と決まっているこの行事も中止にして、秋の取入れが終わってからにしようと考えている。ついでに言うと、当屋でない年は、肩身の狭い思いをしながら牧場を優先せてきた。
さて、その牧場の仕事がいよいよ来週から始まる。いつもなら大型連休を前に、そろそろ小屋やキャンプ場の予約が入るころだが、残念だが今年は受け付けることができない。牧場管理人が感染を恐れて営業を断念したかのように言う向きもあるが、そんな心配はしていない。ここは人数制限をしているし、予約が原則でもある。ゴム手袋を用意し、トイレや炊事場についても消毒薬を備えるなど、それなりの配慮はしている。
では何故か。要するに、大方の人が移動を自粛をし、必死でコロナ禍と闘おうとしている時に、それを無視して出掛けようとする人を受け入れることは難しいという判断である。以前に「厄介だ」と呟いたのも、その辺のことをどのように伝え、分かってもらえるかを考えたからだ。
5月から6月にかけての入笠牧場は本当に素晴らしい。一日も早くこの災厄を終息させて、コナシの花が咲き、小鳥が囀る「仙境の牧」へ、是非また皆さんをお呼びしたい(いつの間にか「天空」が他のところで使われるようになってしまったので「仙境」に)。
本日もお粗末な独り言。写真は雨に煙る高遠湖(高遠ダム)と、高遠コヒガンザクラ。右手の建物は「高遠さくらホテル」。