入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’20年「春」 (35)

2020年04月20日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 きょうが令和2年の、牧場仕事始め。初日だから主菜をウナギにして弁当を自作し、不安そうな顔を浮かべるHALに見送られて雨の中を7時に出発した。好天は昨夜のうちから諦めていたが問題は雪の状態で、恐らく車で上まで行くのは無理だろうと思っていた。ところが、オオダオ(芝平峠)に雪はなく、白い物が目に付き始めたのが池の平を過ぎて焼き合わせに近くになってからだった。楽観するなと言い聞かせても、次第に上まで車で行けそうな期待が膨らんできた。
 そんな思いでド日陰の大曲り手前まで来て、目に飛び込んできた光景に唖然とした。大きな山桜の倒木が、完全に行く手を塞いでいたのだ。ド日陰奴は例年のように雪ではなく、今年は倒木という新たな嫌がらせを繰り出してきた。そこから歩くことも考えたが、そんな悠長なことをしているよりか一時も早く倒木処理を済ますべきだと、その方に拘った。
 仕方なく焼き合わせまで引き返し、そこから迂回路となる入笠湿原、入笠登山口、そして牧場への経路を進み、覚悟していたことだが途中で車を捨て雪道を歩いた。とにかく、何を置いてもチェーンソーが必要だった。もちろん、林道の補修工事が始まればまた通行できなくなることは分かっていたが、牧場の始まったばかりの今しばらくだけでも、できたらあの迂回路は避け、いつものように北門から牧場への順路を行きたかった。
 そして再びド日陰の大曲り近くの現場まで戻り、桜の倒木の処理を終えた。安堵して、軽トラをいくらも走らせないうちに、また新たな倒木が目に入り、歩いて様子を見に行った。そして、再び唖然、言葉をなくした。何と、倒木箇所は4カ所にも及び、それがまるでド日陰の大曲りを車の侵入を防ぐように急な斜面から道に倒れ込んでいた。とても、その時手にしていたチェーンソーでは太刀打ちできないと諦めた。





 後で分かったことだが、こういう倒木の状況を行政も、工事関係者も先週のうちに知っていたという。それでいて、牧場管理人がきょうから上に行くことは分かっていても、何の沙汰もなかった。一事が万事、こんなもの。
 
 高遠城址の桜は大方散ってしまった。しかし、山室川の流域はこれから徐々に花が谷を飾る。かすかながらも、落葉松の樹林帯に薄緑の色が霞のように加わって見え、山全体はまだ色彩に乏しくも、冬の素っ気なさとはやはりどことなく違っていた。初日の辛酸も、きっとこれからの季節が、その自然が、忘れさせてくれるだろう。

本日もお粗末な独り言。
 





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