一体どれほどの量の雪が降ったというのだろうか。13日から14日にかけての季節外れの雪のことだが。山の中はそこかしこに倒木がやたら目に付く。これは風のせいというよりかも恐らく、水気を大量に含んだ雪の重みに木が耐えられなかったのだろう。その証拠に、常緑樹で葉の茂ったモミや赤松が目立ち、途中で折れている木も少なくない。落葉松の場合はモミと違って風のせいかも知れない。まだ芽吹き前ながら、この辺りの山は表土が薄いから、根元から倒れている。
実質的には、きょうが牧開きの日ということになる。予定通り、まず小屋中の窓を開けて中の空気を一新させ、ゴミの焼却もやった。それから、毎年のことながら一番厄介な水回りの仕事に取り掛かる。きょうは期待していたほどの水圧がなかなか出なくて、また水道管の破裂、ということが頭をよぎる。過去にそういうこともあった。だから台所の蛇口から清冽な水が勢いよく出るまでの間は安心できない。何とか今年の初日は、水源までの2キロほどの山の中を、漏水個所を探しながら歩かずに済んだ。
安堵も束の間、本業の牧場管理人になって各牧区内を点検しながら、今後の作業予定を立てることに。鹿が相変わらず多い。第3には2群で50頭以上、第1には30頭くらいか。今朝小屋に着いた時、大型の囲い罠の中に2頭入っていたが、仕掛けてはいないからそのうちに脱出したようだ。牧場内外4か所、倒木の処理もする。
テイ沢の様子について問い合わせがあり、それだけでなく妙に気になったから急いで行ってきた。それがきょうの写真で、こんなテイ沢は初めて見た。丸太橋の流失は2回経験済みだが、倒木で沢そのものがここまで荒れたことはなかった。下から6番目の丸太橋で引き返したが、橋は無事だったものの倒木処理は思うだに気が滅入る。このご時世だから来る人はいないと思うが、しばらくは入渓しないでもらいたいし、入笠山感覚ではまず無理。海老名出丸さん、切ないですね。
きょうも迂回路を来ると、途中で一人登山者がいた。声をかけたら、沢入りからだという。どうもそれしか、入笠へ来る方法はないようだ。伊那側の林道も、道路工事のため一般車輛は通行できない。
本日はこれまでといたします。