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この狭い谷間の集落が「山室」で、今は芝平、荊口を加えて「三義」と言う地名になっている。最奥の芝平まではおよそ8キロほどの距離があって、それぞれの集落の交流は容易ではなかっただろう。それゆえにか、かつては諍いのあった三つの村が「義」を大切にして結束しようというのが、村名の趣旨だと聞く。
長野県の人口は約200万人、昨年の県下で発生した交通事故は4千772件、その中で負傷者は5千
696人、死亡事故は45人と発表されている(県警本部交通企画課)。もちろん、事故のすべてを長野県人が起こしたわけではないが、これをおよその目安にして呟いてみたい。
多分、車の所有者は自賠責(強制)保険に加えて任意保険にも大方が入っていると思う。それも対人の死亡事故については、補償額無制限の保険を掛けている人が多いだろう。死亡事故が起きればまず強制保険(最高額3000万円)が適用され、それで不足した場合に任意保険の出番となるはずだ。因みに自賠責保険だけでも車検時に普通車2万10円、軽自動車1万9730円の保険料がかかる。
それでも安心のために、自動車保険ばかりではない。医療保険、がん保険、その他各種の生命保険に加入している人や団体、組織は非常に多い。その保険料金額は相当の負担になっているはずだ。
ところで国の防衛については、文民統制の縛りの中で自衛隊がその役割を担う。その防衛力を維持するための防衛費・保険料は国の安全のため、国民の間ではほぼ合意が形成されつつあるようだ。頻発する自然災害への自衛隊の役割、対応が評価されるようになった面も大きいだろう。
今回その防衛費の額がGDP比1%から2%を目途に増額されることが決まった。いわばこれは、補償のではなく「保障」のための保険ということだろう。
これについては、いつものように増税なら反対だという「市民の声」を、報道は待っていたかのように伝えた。応えた人は食品の値段とでも混同しているのだろうが、それはそれでいい。
しかし、日本国の政治家たる者が有権者におもねり、同じような言動をテレビカメラの前で声高に発言するというのは、はっきりと言うが情けない。増税などと口にすればたちどころに大放言扱いされ、次の選挙で痛い目に遭うことを怖れてなのだろうが、まさに身を守るための保険的発言で、視聴者の反応を気にする報道にも似たようなところが伺える。
2%について、しかし、その財源を国債発行で誤魔化す理由が政治家の保身のためだというなら、多分そうだが、日本国の政治家の羊のような気弱さを世界に晒すようなものではないのか。こんな国を畏れることはないと、ある国やあの人から侮られはしないかと心配になる。「消費税を上げてでも」くらいの発言をして、肝っ玉のあるところを見せる選ばれた人はいないのだろうか。いた?。
本日はこの辺で。