毎日のように同じことばかり呟くが、きょうも実にいい天気だ。予定していた通り富士見パノラマからゴンドラで山頂駅まで来て、そこから山スキーで約1時間、牧場の管理棟に着いたのは丁度10時だった。
湿原を迂回しながら来ると、入笠山の登山口までは圧接車でも入ったのか、雪道はしっかりと踏み固められていて、そこを山スキーなど履いて通るのを見られるのはさすがに気恥ずかしく、さりとて担ぐのも重く面倒なので、我慢した。まあ、大半の人たちもスノーシューズを履いていて、それも必要とは思えないからお互い様だとも言える。
登山口の無名の峠を過ぎて林道を牧場へと進むと、雪道は勝手に任せて踏まれた足跡で荒れて、スキーを進ませるのに要らぬ体力を使い、快適とは程遠かった。
小屋に着いて、いつもの日溜りで誰憚ることないドロドロのウイスキーを飲み、ついでにビールも飲んで、山の神に阻喪の無いようにした。クク。
1年振りの空白のせいでもあるだろうが、それでも、今感じていることは、最早や山スキーは、移動用であれば完全にスノーシューズに取って代わられたということだ。自然の山の中を滑走する上級スキーヤーなら別だが、登山者にはスノーシューズの方が遥かに有効で、値段がその3,4倍もする現在の山スキーは、はっきり言って登山者には向かない、止めた方がいい。
特にスキーの技術が伴わなければ、悲惨なことにもなりかねない。ここへ来たことのある某山の会のKさんには、どう思うかと訊かれて勧めなかったが、その考えを今度再認識した。
その上、きょう来た8人の客と午後、正月3日の日に残した踏み跡を辿って牧場まで登るのに付き合ったが、全員がワカンなのに対してこちらは山スキーで、まず急登、そして乾燥した雪質、そこにできた凸凹の踏み跡、こういう条件においては完全に後れを取って、彼ら彼女らに不本意な姿を晒す羽目となった。
何とかスキーの良い面についても呟きたいのだが、残念ながら思い付かない。それどころかあれがもし、かなりの重量の荷を背負って同じ雪道を登ったのだとしたら、もしかすればスキーを脱ぎ捨てツボ足で雪を掻きつつ行かねばならなかったかも知れない。それも、スキー靴と殆ど変わらないあんな窮屈な纏足用のような靴で。
*(以上は個人の感想でした)
次は冬眠中のはずのクマについて、呟くつもりです。
本日はこの辺で。明日は沈黙します。