入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’23年「冬」(9)

2023年01月13日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 この冬は昨年末の二度か三度の降雪によって、例年であれば牧場へは1月の初旬くらいまで車で行けたのに、それがかなわなかった。1月9日、帰る時に見た弁天様下の三叉路では、伊那から上がって来る林道に積もった雪の上には人の足跡もなければ、轍も残っていなかった。
 他方、富士見へ通ずる林道にはわずかながら人の歩いた足跡が残っていて、それが余計に伊那へ下る林道を寂しく見せていた。



 そんな入笠の伊那側であるが、1月10日付の毎日新聞長野県版にはまたしても法華道と、北原のお師匠のことがかなり大きく取り扱われていた。年末にわざわざ長野から同紙の記者が家まで取材に来て、それに応じたことで記事の掲載紙を送ってくれたのだった。
 
 また、きょうはきょうで、法華道のことについて山室の遠照寺へ「法華道を守る会」の会長である松井住職を訪ねることになっている。この会は、北原のお師匠が殆ど一人で続けてきた会だったが、それを松井住職が北原師から依頼されて受け継いだということのようだ。何しろ、高座岩は遠照寺の飛び地であることを北原のお師匠が発見したわけで、その点でも縁は深い。
 今度「三義村誌」を松井住職が中心になって復刻するに当たり、法華道の地図も載せる予定のようで、それに関する問い合わせ、確認であるらしい。

 古道は段々と人に知られるようになりつつある。お師匠の葬儀の際にも会葬者に法華道の地図と冊子、それに法華道と名付けた日本酒がお礼に配られ、以来牧場へもその関連で立ち寄る人もいる。お師匠にしたら、長年の苦労が報われ、さぞかし草葉の影で喜んでいることだろう。
 生前、御所平峠に運び上げた地蔵尊の前で、カセットに録音した法華経を聞きながら「オレが死んだ後のことを、ここでこうやって想像するんだ」なんて言って、照れ笑いしていたことを思い出す。幸福そうだったと言ってもいいだろう。

 冬の法華道は知る限り、誰も歩く人がいない。それ以外の季節についても、よくは知らない。お師匠は多くの人に古道ばかりかテイ沢やヒルデエラを案内し、より多くの人が訪ねることを願っていたはずだ。
 苦労して復活させた古道だから当然であるし、その遺志が伝わっていくことを願い、見ていたい。

 本日はこの辺で。

 
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