開田の雪景色をきょうの呟きに使おうとして行ってみた。ところが光が強くて、一体どんな風景が写ったか分からないまま帰って来た。雲と争う空木岳の山容は好きだが、この開田からは少々遠い。もっと上手に撮らないと、佳人と同じように、山が不満に思うだろう。済まない。
以前にも呟いたことがあるが、「法華の会」という俳句の結社がある。よく宗教の集まりと誤解されるが、この会の名前は最初の句会を開いた場所が古道・法華道とも縁(ゆかり)があって、何となくこの変な名に落ち着き、今日に至っている。
いきさつを縷々語れば面白いが、この会からはすでに抜けて何年にもなる。会はそれが理由かどうか分からないが、多分そうだろう、今も続いていて、昨年はついに記念誌を出した。昨夜で例会は「二百二十五回」を数えるという。伊那以外にも同人がいて、最近は「オンライン方式」などというハイカラな手法が使われるようになり、恐れ入るばかりだ。
例会の場所は変遷を重ね、今は伊那にある老舗の蕎麦屋の2階で行われている。あらかじめ投句、選句された句を肴に、酒を飲みながら批評し合うといやり方は会の発足以来、今も変わらない。主宰によれば「この会は俳句を肴に酒を飲む会だ」ということで、確かにそんな風景になっている。
この会の発足当時からの同人は、冬ごもりの無聊な日々を送る元同人のことを慮ってか、たまには例会に顔を出せと誘ってくれる。たとえそれが"お義理"だったとしても有難いことで、陰では哭いている。ただ、もう句作するのは、3歳の子供が遠い昔に少し覚えた英語を思い出すようなもので、もう無理と決めている。
にもかかわらずあんな雪の降る夜、どういう気紛れであったのか、自分でもよく分からない。知った顔に会って、酒を飲みたかったこともある。迷句に誘われたこともある。滅多に食すことのない老舗の蕎麦を食べたかったこともある。いろいろあったが、
オリオンの傾きに知る長居かな 正
この句に連れられて行ったような気がする。皆にもそう言った。ついでに、
寒き夜のオリオンに杖差し入れむ 誓子
ムー、負けていない、と。
もう名前を出してもいいかと思いながら、今回も「神足勝記の研究者O澤さん」としておきます。そうですか、ついに校了しましたか。長いことご苦労様でした。初めて会ってから、何年が過ぎたことやら。自転車で後を追いかけてくるのを横で知らせてくれた人とも、もう5年も会っていません。
2月、来られると言うなら、もちろん上がります。ただし、そちらこそ無理をしないように。かなり雪があります。また連絡します。
本日はこの辺で。