入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’23年「秋」(18)

2023年08月23日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 日曜日に罠を仕掛けて以来、鹿の捕獲にはいまだ至っていない。月曜日に里へ下りて1泊して火曜日に上がってきた朝は、一夜ではあっても小屋に灯が点かず人の気配が消えたわけだから期待していた。
 昨日、点検のために罠の中に軽トラで入ったら、上段の左隅に1頭の鹿がうずくまったまま、逃げようともしないでいた。これで、罠に入った2頭の鹿のうち1頭はいまだ中に残留しているということになる。

 それこそ、この自らを「exile」したような鹿の姿を、罠の外から見ている鹿たちはどう思うだろうか。囚われの鹿と見るのか、それとも勝手に自分から罠の中に入り、そこを棲み処としていると思うのか。
 あれだけの数の鹿が牧場内をまさに領地のようにしていて、それでも罠の中に入ろうとしないということは、恐らく前者の見方が正しいと判断せざるを得ない。
 
 この春に7頭捕獲したと思ったらゲートが作動せず逃がしたことがあったが、それからほどなくして3頭、さらに18頭を捕獲した。以後、牛の入牧、そして罠の中でも放牧をしていたから仕掛けてはいない。
 これまでの経験からすれば、あれからかなりの期間が経ち、鹿にとっては警戒心よりか、誘引に使っている塩への欲求の方が勝ると考えられるのだが、そうならない。
 高遠では立派なジビエセンターが完成し、ここでも鹿の捕獲が期待されているというのに、それに応えることができないでいる。

 すべての捕獲できない原因、理由は今も中にいる1頭の鹿のせいだろうか。アイツも仙人にでもなろうとして仲間を避け、1頭だけでおのが世界に暮らし、思索に耽り「片時も倦むことなく」過ごしたというあの人を真似しようとしている、と想像することは自由でも、ありえない。
 明日は県から派遣され、鹿の調査員が来る。せめて彼らだけにでも実態を知って貰いたいと思っている。これまでの識者と見做されている人たちが言っていることなどに頼っていては、もう、現実には追い付けないことを。
 里では鹿の数が減ったなどという噂が流れているやにも聞く。トンデモナイ話だ。

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 本日はこの辺で。
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