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予定では草刈りはとっくに終わっているはずが、昨日も北原新道へ行った。大分気になる点が目に付いて、それに手間取り、まだ満足するまでには至っていない。「せめてここだけは何とかしろ」と誰かの声がする個所が後からあとから出てきて、思わぬ展開に困惑している。
谷の向こう、テイ沢の南側の六兵衛山の斜面では、作業道の整備が始まった。千数百メートルの高所のあの急な斜面に、伐採した材木を運ぶ運搬機が通れるようにするため、重機が動いているのが遠くに見える。長い腕の先に鍬の付いた機械を操作する作業者からしたら目のくらむような高さだろうに、大したものだ。
昨秋、灌木の生い茂ったあの古い作業道跡を登ったことがある。なぜそんな気になったのか今では思い出せないが、樵を始め林業関係者の仕事の大変さを身をもって思い知った。
背丈を超えるクマササ、不安定な足場、急峻な斜面、下降することも登ることも思うに任せず、そういう場所で樹齢数十年の落葉松を重量のあるチェーンソーで一日に何10本も伐っていく。そのため主力のチェーンソーの歯は、最低でも朝と昼の2回は研がなければ仕事にならず、また時には10年以上の熟達者でも事故に遭うという。分かる気がした。
登山者にとっての山などは、彼らから見たらほんの一部の範囲を蠢いているに過ぎないだろう。
一昨日、半対峠に至る防火帯を歩いていた時、右手の広大な山腹は人の手で植えられた落葉松の人工林で、左手はダケカンバやモミ、ミズナラなどの原生林だと説明すると、二人のうちの一人が「人工林は建売住宅で、原生林は注文住宅みたい」などと言ったので笑った。
確かに原生林の景観、趣は見るだけならそうだ。しかし、眼下の視界の及ぶ限りの森林がその建売住宅であるのだから、これを作った人たちの苦労は想像を絶する。
国土の7割が森林だと言うわが国土だが、林業は以前のようには振るわない。その上、過酷な仕事であるだけに森を育て、守る人材が減っていく。
そんなことを考えたり、呟いていたら朝が来てしまった。この頃は4時間も眠ると目が覚めてしまう。午前3時に起きて、もうすぐ6時になる。
嵐の前の静けさ、今日は6時から撮影隊がやってくる。長い一日になる。華やかな世界のように見えて、実際の撮影現場は「カット、カット」「撮り直し」が際限もなく続く、忍耐の要る肉体労働である。
テキサスゲートを通過中の車の音がする。来たな。気温9度快晴。
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本日はこの辺で。