入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     「秋」 (51)

2015年10月25日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

    右手 噴煙を上げているのが御嶽山         Photo by 巣鴨韋駄天氏

  今日もいい天気だ。小梨の葉は大方散ってしまった。白樺やダケカンバの木々もその梢にわずかに葉を残すばかりで、白い樹幹がますます目立つようになってきた。ダイアナ・ロスの「If we hold on together」を一人絶叫しながら誰もいない広い牧場で、電気牧柵の冬対策をした。寒くもなく暑くもなく、いい時間がゆっくりと流れた。



 昨日のことだが、朝ここへ来る途中、「ど日蔭の曲り」で二人の初老の登山者に出会った。下から歩いてきたのかと聞いたら、ゴンドラで来て、大沢山の自転車コースを一周しているのだと言った。先行していたのは、あとで知ったがアメリカ人だった。上手いコースを選んだものだと感心した。日は当たらないが、今の時期に歩くには最適な落葉松の森が続き、澄んだ青空の向こうに乗鞍や御嶽山を眺めることのできる。最後は牧場を通過するなかなか趣きのある山道だが、こんなふうに、入笠周辺を自分たちでいろいろコースを考え、試してみようとする人は、残念なことにまだまだ少ない。
 キャンプ場とハウス利用の宿泊者が、偶然名古屋に関係していて驚いた。ブログを見て来たという4人の自転車組は名大のOBで、またN夫妻、オートバイで来たOさんは名古屋在住である。昨夜はテント泊のOさんとハウスに泊まるN夫妻を管理棟に呼んで酒を飲み、話した。暗くなって富士見から自転車で来た4人組は、ビーフシチューを造ると張り切っていたので、鹿肉も食べてみるかと勧めてみたら、取って置きの背ロースだっただけに好評だった。
 そして皆それぞれが、深まりゆく秋の森や谷へと消えていった。

 入れ代わるように、高校の英語教師をしている甥っ子のKが同僚二人とやってきた。結構にぎやかな土、日だった。
 Toshyさんお大事に。巣鴨さん、とりあえず。

 入笠牧場の宿泊施設及びキャンプ場の営業に関しましてはカテゴリー別の「H27の営業」を、また天体観測に関心のある方は「入笠牧場からの星空」をご覧ください。
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     「秋」 (50)

2015年10月24日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

Photo by Ms.F.R
  
  以前に農業について書きたいと言っておきながら、大分日が経ってしまった。もっとも格別わが国の農業政策や、最近大筋で合意されたTPPについてモノ申そうとしたわけではない。もとよりそんな知識も、能力もない。
 それはともかくあのころ、そう、まだ田圃には取り入れ前の黄金の稲穂が波打っていたころ、農業の世代交代と機械化ということについて考えるともなく考えさせられた。田園に、かって目にしたような、たくさんの働く人の姿を見ることがなくなってしまったからからだ。
 代わって今や60代、いや70代の高齢者が、農業に従事することが当たり前のようになってしまった。元気なうちは少しでも働きたいという気持も分からないではないが、その結果、農業を受け継ごうとする若い世代は減少の一途をたどるばかりで、農業、就中米作りは、とても世代交代が進んでいるとは言えなくなってしまった。
 こうした結果を生んだ原因の一つが、農業の機械化であろう。高齢者でも機械を使えば農業ができるようになり、「猫の手も借りたいくらい」人の手を必要としたかつての農業は、田園から消えてしまった。機械化が進むのに合わせ、耕地が整理・改良されて、3,40年前なら考えられなかったような広い田圃が増えた。それにもかかわらず、以前なら一家総出で何日もかかったであろう農作業が、あっという間に終わってしまう。それも、一人、二人の作業者と機械で。
 しかし、この後どうなるのだろうか。朝早くから働く親たちをしり目に、田畑に出ようとしなかった今の若い世代にお鉢が回ってきたときのことだ。親から受け継いだ機械を使えるうちは、せめて自分たちで食べる米や野菜ぐらいは作ろうとするかも分からない。しかし早晩そうした古い機械は、使用できなくなる。そうなったとき、彼らは何百万もする機械に投資するだろうか。それよりかむしろ、農業を捨てる方を選ぶだろう。古い世代のように、小さい頃から農作業をしてきたわけではない。農業に思い入れも、未練もないだろう。
 かくして日本の農業は、好むと好まざるとにかかわらず、遅かれ早かれ、集約化していくしかないと思う。この狭い国土で、海外から入ってくる米と競い、闘いながら。



 愛知のNさん、コメントありがとうございます。本日お目にかかります。東京のFさん、コメントありがとうございました。HPも拝見しました。是非「野歩の会」のお仲間と冬、お出掛けください。

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     「秋」 (49)

2015年10月22日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 今秋は入笠の長い秋を書いてきた。きょうの写真の「三本のミズナラの木」も、長く続いたい秋晴れのお陰でまだかなりの葉を残している。この風景の中に牛がいて、夏がゆっくりと過ぎ、やがて秋がやって来て、木々の葉が黄色く色付くころ牛たちは去り、牧を閉じた。それでもまだ秋は続いている。放牧地の中を歩いていると、ふと牛たちのことを思い出す。広い放牧地を知ってしまった牛たちが、狭い畜舎で自由に過ごせた牧場の日々を思い出し、懐かしんでいるだろうと。
 牛はかなり記憶のよい動物である。それは接していて分かる。入牧の祭に手荒なことをすれば人に懐こうとしないし、もちろん電気牧柵はすぐに学習する。先達ても牛を里に下ろすため、大沢山の第3牧区から一般道路を第2検査場まで連れていこうとしたら、道路の対面の第4牧区へ制止を振り切り入ってしまった。そこは1ヶ月前に、第4牧区から移動するときに通ったコースだったからだ。そして誘導されるまでもなく牛たちは森を抜けて、電気牧柵の前で当惑気に待っていた。あの大きな図体をしていても2歳にもならない牛が殆どで、その牛たちが間もなく母親になる。

 きょうも気持のよい秋日和。いつまで続くかと気になる。それでここの秋は終わるからだ。

 管理棟の公衆電話(0266-62-4122)が復活しました。昼の時間内でしたら問い合わせなどに対応できると思います。
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     星空 「秋」

2015年10月21日 | 入笠牧場からの星空

IC410


ハート星雲


    網状星雲
                                                   -以上3点、Photo by かんと氏

 と言うのもわれわれ人類は、ここまで文明を発展させて来たにもかかわらず、いまだこの地球上では相変わらず紛争が絶えないこと、圧政や飢餓に苦しむ人々が多いこと、などなど負の面をはしなくも200年以上も克明に宇宙に発信してきたし、この瞬間にもそうしている。もし200光年以内に、われわれ以上の文明を持つ平和を愛する知的生命体が存在していたとしたら、われわれ地球人をどのように評価するだろうか・・・。
 と、書いてみたが、われわれを密かに観察している知的生命体などは、200光年程度の狭い領域には多分存在していないと思う。それは一(いつ)に、宇宙は、銀河は、広大過ぎるからだ。
 では仮に、1000光年だったらどうだろうか。或は2000光年でもいい。あまり可能性があるとは思えないが、もしそれで何らかの反応があったとしても、2000年、4000年という時間が必要となる。そんなころまでもし人類が存続していたなら、われわれの子孫は銀河の住人として恥ずかしくない水準にきっと、達していることだろう。そう祈ろう。

 宇宙へ行っている間に、季節はまた一歩も二歩も進んだ。Umeさん、かんとさん、貴重な写真の提供、大変ありがとうございました。
 
 管理棟の公衆電話(0266-62-4122)が復活しました。昼の時間内でしたら、問い合わせなどに対応できると思います。Yahooメールがどこかに行ってしまい、只今メールを発信することも、受信を確認することもできなくなっています。
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     星空の競作 「秋」

2015年10月20日 | 入笠牧場からの星空
  今日と明日は久しぶりに星空の写真特集で、第1日目はUme氏とかんと氏の競作のかたちとなった。どちらの作品も寒さと睡魔と闘いながらの力作揃い。初めの2点はUme氏、そして次の3点はかんと氏の作品。お楽しみあれ。



    北斗七星と明けの明星(金星)


    オリオン座とスバル
                                                  -以上Photo by Ume氏




オリオン大星雲


    バックマン星雲


    カりフォルニア星雲
                                                  -以上Photo by かんと氏

 この広大、無窮の宇宙に、果たしてわれわれのような知性を持った生命体は存在するのだろうか。カール・セイガンは名著「コスモス」で、その可能性を探る「ドレイクの方程式」を紹介していた。先日「生命の星の条件を探る」(阿部豊著=文芸春秋)という本を飛ばし読みしていたら、この本の中でもこの方程式が取り上げられていた。興味があれば是非、同書を読んでもらいたい。
 しかし仮に、そうした知性が存在し、われわれの発する電波を傍受していたとしても、彼らはわれわれ人類を、友好関係を結びたくなるような相手だと考えてくれるだろうか。
 例えば未開の地で、裸で身に着けている物と言ったら腰皮かペニスサックぐらい、平気で人を殺し人肉を食すような野蛮な種族・未開人がいたとする。そういう人々と、高度な文明を享受し、平和を愛する人々が対等に交流したいと思うだろうか。もしかすればわれわれは、そんなふうに見做されてはいないかという、不安がある。(つづく)

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