入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    ’16年「秋」 (53)

2016年10月25日 | 入笠周辺の山と谷


 本日も高曇り、辺り全体の森や林、放牧地に、初冬とまでいかぬも晩秋の趣を感じるようになってきた。日が射しているかいないかの差で、季節感が大きく揺れて、いい季節の後ろ姿がいつしか見え始めるようになった。

 昨日は予定通り、種平小屋の高橋夫妻と笹平沢から白岩岳の現地踏査に行ってきた。天候はいつになく友好的で、稜線に出てからは風もあったが大きな真っ青な空の下で、久しぶりに普段の仕事を離れて秋の山を堪能できた。
 
 2万5千分の1の地図には、笹平沢の流れに沿って登っていく山道があり、沢が分岐する辺りからさらに道は山腹を上部へと続き、釜無山と白岩岳を結ぶ標高2千メートルの稜線上に続いている。さらにその鞍部から長い距離を経て、道は富士見へと至る。また、笹平沢出会いから少々現在の林道を下ると、右手にフトノ峠に登る山道があり、峠を経れば山室の集落へと下っていく。つまりこの山道は、いつのころまで使われたかは不明ながら、伊那側と富士見側を結ぶ役割を果たしてきたようだった。しかし現在は、フトノ峠に至る以前に山道は途中から獣道と判別がつかなくなってしまい、かつてのように利用することはできなくなっている。
 笹平沢も、前回は1千700メートルまで行きながらついに上部へと続く山道を発見できず、天候のこともあり、急峻な尾根のそれ以上の登行を断念して帰ってきた。ただ断念はしたが、その後もずっと引きずっていた。
 なぜそんな山道にこだわったかと言えば、現在使われている小黒川林道からの白岩岳ルートは、樹林帯の中にある相当急な尾根道を、標高差千メートルもひたすら登らなければならず、ために中級山岳の登山路としては一般向けとは言い難かった。だからもしも、笹平沢から稜線にある無名の峠までの山道が通行可能となれば、白岩岳を中心とした南アルプス北部への入山方法が一つ増えることになる。新たに渓谷美を楽しんだり、素晴らしい眺望の稜線を行く魅力的な登山道が期待されたのである。(つづく)



 愛知のNさん、東京のTさん、了解しました。Tさん、「ポン酢を持っていく云々」は鹿肉のことを言ってるのならバターも忘れないでください。ただし、まだ在庫は半身だけです。
 O沢さん、昨日の山行では幾つもの呂マークの石標を見ました。どうします?




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    ’16年「秋」 (52)

2016年10月23日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 晴れてこそいないが、風もない穏やかな一日だった。今年は雨ばかり降ったから、紅葉はいまいちではないかとよく聞かれるが、そうとは思わない。特にきょうのような風もない曇り空の下で、いかにも秋らしい静かな雰囲気を味わうのに、何の不足があろうか。
 
 牛が下りてしまって、牧場管理人の仕事もそれで終わるかと思われがちだが、どっこいこれから牧場の冬対策を約1か月足らずの間に済まさなければならない。
 一昨日から第4牧区の電気牧柵の支柱を一部は抜き、アルミ線は杭で地面に固定し、一部は支柱を残して上下2本張ってある線のうちの下段を上段に上げるなどの作業を行った。
 これは、雪と鹿に対する対策だが、抜いた支柱は何本づつかまとめて近くにデポし、その穴には翌年のために目印として支柱と同じぐらいの太さの木の棒を打ち込んでおく。こうしておかないと雪の多い年は、急な斜面に打った支柱は雪の移動で根本から折られてしまうし、また目印がなければ、改めて支柱を打ち込まなければならないから、これはかなり面倒な作業となる。
 2段に張ってあるアルミ線を上段に1本化するのは、それで鹿に線を切られるのを少しでも防ぐためだが、やらないよりはいいという程度で、もちろん鹿は容赦などしてくれるわけではない。
 と、まあこんふうに、この後も牧柵の補修や水対策などいろいろとあるわけで、とりあえず第4牧区はきょうで終わった。まだ第1牧区、第3牧区とあるが、きょうはそこまでにして、北原新道のずっと気になっていた悪い箇所の道普請をしてきた。



 今年2度目だが、「いい時期に来れて良かった」と、彼と彼女は喜んで帰っていった。昨夜はたった二人だけで焚火を囲んで、さぞかし思い出深い、楽しい夜を過ごすことができただろう。冬も、スノーシューズで雪の森を歩きに来ると言っていた。待ってる。
 
 今夜はここに泊まり、明日は種平小屋のご夫婦と笹平沢へ。

 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては、カテゴリー別の「H28年度の営業案内」及び「続・H28年度の営業案内」をご覧ください。
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    ’16年「秋」 (51)

2016年10月22日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 午前中は薄日が射していたが、今はすっかり雲に覆われてしまった。これで雨でも降れば、必死で秋を演出してくれている色付いた木々の葉は大半が散ってしまうだろう。そうなれば、この季節が少しでも長く続いて欲しいなどという思いは捨てるしかない。
 
 ところで、カエデ科の中にたくさんの種類の楓(かえで)と紅葉(もみじ)があるらしいということを、今になって知った。その違いなどについて特に気にしたこともなかったが、この頃、ここへ上ってくる途中、栗立川が山室川へ流れ込む赤坂狭付近に、楓だか紅葉だかが今を盛りと真っ赤に色付き、その中にはいきなり緑から赤くなる葉もあれば、緑、黄色、赤と段階を経る葉もあることに気が付いた。
 その違いが、必ずしも種類の違いだけではないと思いつつも、とりあえず「山渓カラー名鑑日本の樹木」という本を開いてみたら、もういけない。あまりの種類の多さに驚き、たまらず本を閉じた。家にも古い紅葉の木があるが、ついでにその名前も調べてみようなどと考えた自らの浅はかさは、悔いるよりも嗤った。 
 本当のことを言えば、木々の名前も鳥の名前も、花の名前も星座の名前も、(あまり)知らない。これまで覚えてこなかった。数学の公式だか定理だかと同じように、取り返すことのできないわが人生において、ただただ遠い存在にしておいた。
 いや確かに、このブログでは知ったかぶりをしたこともある。キノコなら最低4種類は分かるし、まだ毒キノコには当たったことはない。だから、その範囲では書いた。星のことは関心があったから、大それたことと知りつつ、それで宇宙のことにも多少触れた。牛守の身でありながら、牛を含めて家畜が、あまりにも徹底して人間のためだけに飼育されてる事実を、控え目に書いた。
 だから一昨日、山を下りていった牛たちのことを思うと不憫だと、正直に言う。
 
 これが赤羽さん、滅裂した現在の心境であります。月曜日は種平小屋と笹平沢の踏査です。O沢さん、サイベリア・・・。
 仲の良さそうな二人が、今キャンプ場で夕餉の支度をしている。
 
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    ’16年「秋」 (50)

2016年10月21日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 山道に落葉が目立つようになった。それも美しい。だが、いつの間にか10月も半ばを過ぎてしまえば、秋はもうそろそろそ退場の準備でも始めるつもりなのだろうか。昨日はあれほど褒め称えたのに、ここでこらえるだけこらえなければ、今年は随分と存在感のない秋だったと思われてしまうだろう。
 昨日のようなあんな晴天でなくても構わない。きょうのような高曇りの空でもいい。あるいは紅葉に煙るような雨が降るのもいい。ともかくどうかゆっくりと季節は進んでいって欲しい。この秋に寄せる思い、佳人が老いてゆく身を少しでも遅らせたいと願う気持ちと、似ているかも知れない。
 




 今年の「ツタウルシ大賞」もまだ決めてない。Ume氏からも、先日の冷え込んだ早朝の、霜の降りたヒルデエラ(大阿原)の写真を送ってもらってある。しかし、あえてまだ載せないでいる。それもこれも暖かな秋のイメージ、かの国で言う「インデイアンサマー」を、少しでも長引かせ、実際に目にしてもらいたいと考えているからだが・・・、早くしないと、早くしないと。

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    ’16年「秋」 (49)

2016年10月20日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


  二、三日前だったら考えられなかったような秋空が拡がって、その雲ひとつない大きな空を背景に、色付いた木々の葉が樹種によって異なる微妙な色採を精一杯、華やかにも、絢爛にも見せている。いつの間にこんな艶(あで)やかな秋が来ていたのだろう。それはまるで、牛が去ったあとの淋し気な風景を補ってくれているかのようでもある。
 最も葉を落としてしまったのはコナシだが、散らずに残った葉とその枝が、紫がかった茶色とでも言ったらよいのか、絶妙な渋めの色合いを作り、大沢山の中腹や、小入笠の山腹を牧草の黄緑色には負けないで目立っている。初の沢にあるダケカンバの林もかなり落葉が進み、クリーム色の木肌がひと際目を引くようになった。わずかに緑の葉を残しているのは白樺とミズナラ、それと松やモミなどの常緑樹ぐらいだろうが、その白樺も葉よりも白い樹幹の方が、秋らしい風景には貢献しているのかも知れない。
 何がこれほど周囲の景色を華やかにしているかと言えばやはり、基調になる落葉松の黄色に他の木々の葉の色が混ざり補い、そこに配色を間違えたかのようなど派手な赤や朱色の紅葉だか楓が加わり錦繡を完成させているからだろう。それと、忘れていけないのが日の光で、森全体を輝かせているのはまさしく、きょうのような秋晴れの日のせいである。

 ねぎらいは 牛のひと舐め 牧閉じる  ―― TDS君

 そろそろ冬の問い合わせも来るようになった。昨冬に準じますが、詳細は後程。岩氏の予約、了解しました。

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