入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’18年「夏」 (37)

2018年08月14日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

       ゴイシシジミ        Photo by KAKU氏

   こんばんは。キャンプ場盛況でお疲れさまです。天龍川の水泳の記述を懐かしく読みました。天龍川の水門近くの遊水場とありますが、ややわか   りにくいかと思いました。田への灌漑用水のため天龍川から取水し、その方法として「うし」(聖牛などが一般的だがこの辺りではうし・牛枠と   言た。)を用いた。これは用水を取り込むために天龍川の本流の中に上流に向かって斜めに「うし」(木枠)を100mほど並べて天龍川の土手    に水門を作り下流へ用水を供給していた。その「うし」によってせき止められた場所が、絶好の遊泳場でした。鮎も掴めました。牛枠に吸い込ま   れ命を落とす子もいたことが思い出されて切ないです。
 
 TDS君から届いた天竜川にあった遊泳場の、さらに詳しい説明。「牛」は3,4本の丸太を三脚のように上部で組み合わせ、重しに石を使い水中に沈めた。

 で、また「どうしても」だが、自分の泳げる距離を知ること、月のクレーターを見ること、それら以外では、当時は一般的だった下駄スケートでなく、靴スケートで滑ってみたいと思ったことぐらいしか思い出せない。何かに夢中になることがあまりないまま時が過ぎて、いつしか大人になってしまい、その時代もすでに後半にさしかかっている。
 あれだけ山に行ったのに、草花や鳥にはついぞ関心を払わないまま終わってしまった。そのことに気付くのも遅すぎた。 もちろん、自然の繰り広げる情景を前に目をつむっていたわけではない。新緑の谷川、梓川の清流、涸沢の紅葉、雪の千畳敷・・・、いくらでも美しい自然の造形を思い出すことができる。しかし、そういう自然の様相を目にしたくて山に行ったのだとは思わない。小心を鍛えに行ったのだ、というくらいの方が納得できる。
 本を読むのは好きだが、何か分野を決めていたわけではなくて、多少の雑学は増えたかも知れないが身に沁みたと思えるほどのものがどれだけあったか。小学校のころに感じたり、思ったりしたことは今もあまり変わらない。成長することがないまま、肉体だけその老化を許して、昆虫、岩石採集を始め長続きしなかった諸々はその象徴だろうか。

 yariceさん、早速通信ありがとうございました。お蔭様で、ほぼ考えていたような夏の営業ができました。ここではもう、秋が始まります。

 月の半ば、15日以降は小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。



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’18年「夏」 (36)

2018年08月13日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

Photo by KAKU氏

 遠い昔の子供のころ、蝶といえばモンシロチョウにクロアゲハだった。蝶はそれだけだった。夏休み、都会から親戚の子が来て、採集した昆虫を怪しげな薬品の入った注射器で次々と殺してしまうのを見て衝撃を受けた。そうやって、昆虫の標本を作るなどということはそれまで思いもしなかった。
 そして真似事を承知で、捕虫網を買い、注射器や怪し気な薬品の入ったナントカセットも手に入れた。しかし、田舎の店に売っていた薬品では、なぜか昆虫をすぐには薬殺することができなかった。
 従弟の岩石採集にも付き合った。後で分かったことだが、従弟の持っていたハンマーは岩登り用で、自分が買ったハンマーこそ本格的な岩石採集用だったのにもかかわらず、長い紐の付いた短い柄のハンマーでないことに不満を感じた。そんなふうで、真似事の昆虫採集も岩石採集も、長く続くことはなかった。
 あのころ、一番に関心があったのは水泳だった。プールなどないからみな天竜川で泳いだ。夏休み中、毎日のように学校で決めた水門の近くの遊泳場に通った。一応、父兄が交代で監視してくれたが、今からすれば危険がいっぱいで、中でも本流を息継ぎせずに一気に泳ぎ切ることは、監視人たちの目を盗んでの大冒険だった。今のようにプールで泳ぐわけではないから、自分がどのくらいの距離を泳ぐことができるのか分からず、そのことが馬鹿なように気になり、どうしても知りたかった。
 どうしてもと言えば、月のクレーターも見たかった。理科室にあった望遠鏡は、当時としては貴重なものだったから、子供の自由にはならなかった。のみならず、知る限り使用されたことはなく、薄暗い理科室の人体模型などその他の教材とともに、そこだけが妙に不気味な空間だった。
(この続き、何とか明日辻褄を合わせます)

 月の半ば、15日以降は小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。

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      ’18年「夏」 (35)

2018年08月12日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 昨夜は上に泊まった。目を覚ましたら、カーテンの隙間が明るくなっていて驚いた。夜中に一度も目を覚まさなかったようだ。珍しい。暑くもなく寒くもなく、ここは眠るのにも最高の場所だろう。
 
 昨夜も肝心な時に天気は崩れ、天体観測は期待通りにはいかなかった。天候ばかりはどうしようもないが、天はますます意地悪くなるような気がし、そのせいもあってか予報への信頼は薄れる。星の狩人たちは出番を失ったまま、すでに二晩を無駄にした。
 
 予報の当否は別にして、気象庁が富士山測候所の職員が残した貴重な記録「カンテラ日誌」68年分を溶解処分したことを最近、毎日新聞が大きく取り上げていた。戦時中の観測員の記録もあったという。
 それに対して「毎日の出来事や感想を個人的に書き留めたもの。職務ではなく、行政文書に当たらない。庁舎内のスペースは有限で、必要ないものを無尽蔵に保管できない(毎日新聞8月10日)」というのが、同庁総務課の理由説明である。
 何たることを言うのかと、唖然とするしかない。なるほど廃棄処分は規則や法には触れないかも知れない。しかし、だからいいのか。言うに事欠き「必要ない」とは。こういう記録がどれほどの価値を持っているのかも分からないというのが信じられない。いや、切ない。もっと言えば、こういう輩や組織に気象予報や自然災害への警告をしてほしくない。高額なスーパーコンピューターを駆使し、日々膨大なデーターを集め解析し、その上で出す様々の予報の意義や価値、目的をすら、疑いたくなるからだ。長年にわたる富士山測候所の職員の多くの苦労の記録が「必要ない」なら、必要なものとは何か是非とも教えてもらいたい。
「老婆でもいいから、女性の顔が見てみたい」と、雪と烈風の吹きすさぶ日本一の高所で、観測員の一人が笑って言った。「芙蓉の人」の著者が草葉の陰で怒っている。

 月の半ば、15日以降は小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。


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’18年「夏」 (34)

2018年08月11日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 きょうは「山の日」だとか。どこも山はそれなりに賑わっているのだから今さらと思うし、海に対抗したのだとしても、山と海とでは男と女以上に非対称的な気がする。徒(いたずら)に「観光を生かして地域の活性化、発展」などともっともらしい言葉を掲げ、催しを企画し、人を呼び、その結果はたしてそうした地域、場所は謳い文句のようになったのだろうか。むしろ環境、特に住環境が一変し、それまでの雰囲気や味わいが消えてしまったのではないだろうか。懐かしい故郷が消えてしまったと憤りを訴えた人たちもいたと聞く。
 牧場で働くようになって富士見側と比較して、伊那側はあまりにも見捨てられた場所だったし、行政の手も入ってはいなかった。当初はそのことに不満を感じて何とかしたいと思ったが、今はその気持ちも変わった。むしろ、今のままでいいと、自然から教えられた。それが、伊那側のありようだと。やがては変わっていくかも知れないが、もうそんな日のことまで考える気はない。
 ほとんど毎朝のように立ち寄るコンビニの店長が、「入笠に関する情報は富士見ばかりで、伊那はさっぱりですね」とよく言う。それに対しても「それでいいんだよ」というのがもっぱらの応えだ。
 一方で、富士見はスキー場として始めた施設を、通年営業で成功できた数少ない例だと思う。数々の努力や苦労は知っている。老若男女を問をわずどんな人でもゴンドラを利用すれば、壮大なパノラマを眺め、天空を体感することができる。四季を通じて訪れる人の絶えない、今や立派な観光地だ。富士見は小さな行政単位だが「活性化、発展」を実現できた好例だろう。
 こちらは天然の静けさ、"廃村"にも似たような忘れられた魅力で売るしかない。kuku

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    ’18年「夏」 (33)

2018年08月09日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 朝は良く晴れて、中央アルプスはいつになくくっきりと見えていた。それが昼ごろになって曇り空になってしまった。台風13号は遠ざかっているのではなかったのか。いや実際、遠ざかっている。となれば、これは「変わりやすい夏山の天気」ということで片付けるしかない。気温は正午現在24度と、快適。




          もうこんなものが生えていた

 明日からここにもそれなりに客人が来る。小屋に13人の団体が3泊の予定で入り、地衣類の調査研究のM君に加え、星屋のかんと氏が4泊、TBI氏が3泊、それに1泊だけだがTOK氏も来る。小屋を団体貸し切りにするとなると、残るは管理棟の10畳2室となる。48畳の小屋の12畳を仕切って、1名はそちらに行ってもらおうかと思っている。
 他方、テント場は余裕があるから、こちらは全く心配してない。少し前にキャンプの予約が入り、「今週末は珍しく予約が多いけど、何かあったのですか」とボケてみたら、「ペルセウス座流星群です、そちらは星空がきれいだと聞いてますので」と、誠実なお返事をいただき恐縮した。てっきり「お盆休みじゃないですか」と言われると思っていた。今年もそのお盆休みに下からの支援はない。

 そんなわけで、ここでは水のことは最重要だから、水源地の点検と整備に行ってきた。昨日も書いたが、山の秘めたる保水力にはただもう感謝、ひたすら頭を下げるばかりだ。埋設した水道管の状況を点検しながら沢筋を登っていくと、取水や導水に苦労したことが懐かしく思い出され、泣けた。
 地下から湧き出る水は冷たくて、1分と手を入れていることはできない。草の上に横になって、白樺の葉の隙間を通して真っ青な空を眺めていたら、改めて心地の良い水音が聞こえてきた。テイ沢に比べれば水流は細いから、その瀬の音はピアノ・・・、嘲われる。ついでに瞑想でもしようかと思ったが、これまた柄にもないと思い止めておいた。

月の半ば、15日以降は小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。
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