★桜桃忌
また、太宰治が亡くなった桜桃忌の時期が来ました。私はいつもこの時期寂しい気になるのですが実は太宰治との出会いは普通の方より遅かったです。大学に入ってそれからですのでかなり遅いと思います。
当時はまだ太宰の存在よりも石原慎太郎の太陽の季節などむさぼり読んでいた時代です。また吉行淳之介が好きで遠藤周作、児島信夫など当時第三の新人と云われた方たちの本を必死に読んでいたのです。
勿論太宰治の存在は知ってはいましたがそんなことよりも読みたいものを読むという自分の気持ちがだんだん後回しにしていたような気がいたしますし誰もが太宰は読まない方がいいよなんて言ってるのを聞くとあまりその気にならなかったことも事実でした。
ある日古本屋で一冊の本を見つけました。それは太宰治の初版本『人間失格』でした。定価は300円と書いています。そこで詠んだことは一生忘れることができない衝撃的なことでした。
「恥の多い生涯を送ってきました」第1の手記の冒頭の言葉です。もう私はこの時点で太宰の虜になっていました。はしがきの三葉の写真の描写、「私はその男の写真を三葉見たことがある」というのっけから身の毛がよだつような書き出しでした。私は一気に読みましたがもう怖くて体がぶるぶる震え三日三晩寝るに寝れない状況が続いたのです。もうやめておけばいいのですがこの後次から次に読み漁ります。
当時は故郷の先輩の大江健三郎の本が人気があり私も全集を集めては読んでいましたが衝撃度と云うことでは比較になりませんでした。人間失格は1948年5月に脱稿し7月に発行されました。1948年6月13日愛人の山崎富栄と玉川上水で入水心中、38歳でした。坂口安吾、織田作之助、石川淳などと新戯作家、無頼作家と呼ばれていましたが特に織田作之助が自殺した時「織田君、君はよくやった・・・」と云うのです。
そして太宰は1948年6月に後を追うように亡くなったのです。彼の墓前は三鷹市の禅林寺にありますがこの太宰の墓前で自決をしたのが田中英光でした。オリンピックのボートの選手で体格のいい青年でしたが後を追いました。かれは高知県の岩崎家に生まれましたが母方の田中家に入籍し田中と名乗ったのです。太宰は「君の小説を読んで泣いた男がいる、かってなきことである」と云って田中英光を称賛しています。そしてオリンピックのことを書いた「オリンポスの果実」が発表されるのです。
私は太宰の死のことと彼の墓前で自決をした田中英光のことが忘れることはできません。太宰の本は勿論ですが田中英光の本も貪るように読んだものです。この太宰は6月13日に亡くなりましたが玉川上水で発見されたのは6月19日奇しくも太宰治の誕生日であったのです。そこで短編小説「桜桃」にちなんで6月19日は「桜桃忌」ということで太宰をみんなで偲んで供養をしているというわけです。
そんなことで来週の19日がその日になりますが早めに書かせていただきました。
塾の方は問い合わせが徐々に増えてきました。今日もお休みでしたが現在学習相談会実施中ですのでなかなか時間の折り合いがつかないものですから今日お話しさせていただきました。最初は小学生、中学生、高校生と動いていきますが出来るだけ体験をしてもらい納得の上で入会していただいています。
夏期講習は一コマいくらという考え方ですが当然ご提案はあります。科目によって出来不出来があるわけですので全科目受講されるのがベストですが最低でも苦手な科目でいいのではないでしょうか・・・。
講習のスタイルは前週も書きましたが平常と全く同じスタイルをとっています。ですからどの塾におきましてもいい点悪い点があるかと思いますが兎に角お話をじっくり聞いた方がいいかと思います。そのうえでお決めになればいいのではないでしょうか。今から中学生はテストが実施されますが今週来週あたりに答えが返ってきます。私ども長良教室&芥見教室では解答があれば構わないことにしています。高校生は昨日11日(土)進研模試が実施されたようですが早速解直しをしている高校三年生が見えました。このように解答があればなんだって構わない。学校のワークであれチャレンジであれ全く問題にはなりません。何故ならその問題が生徒には今一番心配している問題だからです。従ってそれを解決してあげることが一番で、できていなければここでやった問題と同じだよって教えてあげれるし、類似問題も出してあげることができます。要は入試までに完璧にクリアできればいいわけですので気になる問題は解決しましょう。
第1回岐阜新聞テストは8月の第三日曜日になっています。第1回ですが締め切りは7月6日であったと思います。これは非常に自分の立ち位置が分かりますので受験してください。また見知らぬ人と同席し受験本番と同じような雰囲気で実施されますので体験的にも受験をしてみてください。
一方、高校生は全国共通テストがこの18日、19日に教室で実施をいたします。特にこの暑い夏が終わればもうセンター試験の申込が始まります。何としてもこの時期頑張らなくてはいけないのです。やらなければ悔いが残ります。しかし、やって仮に駄目だとしてもそれは悔いは残りません。ならば悔いの残らぬように頑張るしかありませんので精一杯やりましょう。
<今日の言葉>
『私達には今日も明日も困難が待ち受けている。それでも私には夢がある』
キング牧師
<今週のYouTube>
永井龍雲の『桜桃忌』を選びました。
https://www.youtube.com/watch?v=plAHN9ZeoCY
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無料体験実施中!
<詳細>
http://mm-homepage.com/dozan/
長良教室 058-210-1730
芥見教室 058-244-0170