堀江敏幸サーフィン。
「まるまる、フルーツ」(おいしい文藝)というアンソロジーの中に
堀江敏幸「西瓜の味」が入っていたのです。
たぶんみんな、一言言いたいでしょ。西瓜の食べ方について。
堀江さんも言いたかった。4ページ分のスペースに 彼の言いたいことは書いてあって
八月のこの時分に読むと 気持ちのどこかが涼んでいくような気がした。
アンソロジーのジャケットカバーには
青いギンガムチェックのクロスの上にフルーツがどっさりのったお皿が一つ。
大きな西瓜がでんと真ん中に座り 周りにはバナナ、さくらんぼ、ぶどうにいちじく、そうしてこれはなにみかんだろう。。。
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そんなことを考えていたら 一つ歌を思い出した。
♪ いちご 夏みかん 二十世紀の梨 りんご かき くり
好きなくだもの
「おかあさんといっしょ」だったと思っていたけれど 別の子供向け番組の中の曲だったようだ。
下の子が生まれて 日々はてんてこ舞い。
子どもは寝たし家族はいるし、じゃ 「あれ買って、この手続きして、そこに行って…」
短い時間にあれもしようこれもしようと 飛び出した。
行き着いて手続き済んで では買い物して帰ろう。
飛び込んだスーパーのレジかごを手に 店内を急ぎ足していたら、この曲がかかった。
♪ バスケットにつめこんで
季節の風はこんでください
バスケットにつめこんで
ゆったりとしたそのメロディーを耳にして その時突然、涙があふれた。
あまりに心にすとんと 歌が入ってきてしまった。
あまりにすとんと。
題は 「フルーツバスケット」。
椅子取りゲームと同じ名前だった。