■大同特殊鋼渋から工場から長年にわたり群馬県内にひろく投棄されてきた有毒スラグ問題は一向に解決に向けた道順が見えてきません。その中にあって行政の不作為を追及している当会が適している住民訴訟が、唯一の道しるべとなっております。先日の11月11日に前橋地裁で開催された第7回口頭弁論期日において、裁判長からの指揮に基づいて、原告である当会の代表と事務局長名で、提出期限日である11月30日午前11時30分に、次の内容の鑑定申立書を地裁に提出しました。
第7回口頭弁論期日の様子は次のブログを参照ください。
〇2016年11月13日;大同スラグ訴訟・・・ようやく先行きが見えてきた感じの第7回目の口頭弁論期日の様子↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2163.html#readmore
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平成27年(行ウ)第7号 住民訴訟事件
原告 小川賢 外1名
被告 群馬県知事大澤正明
平成28年11月30日
前橋地方裁判所民事第2部合議係 御中
原告 小 川 賢 印
原告 鈴 木 庸 印
鑑 定 申 立 書
頭書事件について,次のとおり鑑定の申立をします。
第1 証明すべき事実
「萩生川西地区 区画整理補完3工事」及び「萩生川西地区 農道舗装工事」において使用された「混合スラグ砕石」において、スラグに含まれるフッ素や六価クロム等の有害物質が環境基準の許容範囲を超えている事実
第2 鑑定を求める事項
(1)萩生川西地区で使用されたスラグと天然石との混合砕石の内、スラグに含まれる六価クロム・フッ素の含有量及び溶出量の分析調査。
(2)スラグのみを鑑定する理由
①常温では固体同士は混ざり合うことはないこと。
②日本工業規格JIS A5015道路用鉄鋼スラグではスラグと天然石を混合することを規定していないこと(甲50号証参照)
③群馬建設工事必携ではクラッシャランと道路用鉄鋼スラグを混合することを規定していないこと(甲51号証)
第3 鑑定の方式
鑑定は次の要領で実施するものとする。
(1)試料採取の場所
支道27号。この道路の入口から奥に向かって約30mの範囲。甲53号証に試料採取予定位置を示す(乙16号証の2ページ目にある支道27号線写真位置図の上にプロット)。
(2)試料採取の要領
1)採取地点と方法
①試料1
入口から奥に向かって、右側の舗装と未舗装の境界付近において、未舗装の部分で、地表の土を除けると現れるスラグ混合砕石と思しき砕石を拾い出し、ハンマーで割ったあと、フェノールフタレイン溶液を振りかけて、赤紫色に変色した(アルカリ性を示した)試料のみを採取袋に入れる。採取試料は20個程度とする。
②試料2
次に、入口から奥に約30mの距離にある左側の舗装と未舗装の境界付近において、上記①と同様の手順で、採取を行う。採取試料は20個程度とする。
③試料3
上記①と②の対角線上の舗装された道路の中心点において、ディスクサンダーを用いて舗装を縦横約30㎝ずつ切り取り、その中をハンドスコップで掘ると現れるスラグ混合砕石と思しき砕石を拾い出し、ハンマーで割ったあと、フェノールフタレイン溶液を振りかけて、赤紫色に変色した(アルカリ性を示した)試料のみを採取袋に入れる。採取試料は20個程度とする。
2)採取に必要な道具
ハンドスコップ、ハンマー、ディスクサンダー、フェノールフタレイン溶液、埋め戻し用砕石、補修用アスファルト合材は原告が用意する。また、採取作業は、原告の指定する作業者が行う。
3)採取作業の立会人
上記採取作業には原告の指定する作業者のほか、裁判所、原告、被告が立ち会い作業の経緯を確認する。
4)分析
試料袋はそれぞれ立会人の面前で封印したのち、原告の手により次の環境分析業者に送られる。
・エコテスト(甲54号証)
5)費用
採取作業に必要な器具(ハンマー・ハンドスコップ・電動ディスクサンダー及び発電機・バーナー・転圧機、など)および作業員の人件費:5万4千円は原告が調達する。フェノールフタレイン溶液:4,860円、埋め戻し用切込砕石40~0:837円、粒度調整砕石30~0;1,150円、補修用アスファルト合材:2160円、分析費用試料1件につき:2万1, 600円及び送料;944円など、試料3件ずつ合計費用20万円程度が想定される。なお、原告がこの費用を一旦支払い被告の負担に備え裁判所に支払った領収書の写しを提出する。
以 上
【添付】
甲53号証 試料採取予定場所 ※PDF ⇒ b53vbgoe.pdf
甲54号証 環境分析業者の見積書 ※PDF ⇒ b54pigrexgj.pdf
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■この原告らによる鑑定申立に対して、被告の群馬県側が大同特殊鋼の擁護の観点からどのような反論をしてくるのか注目されます。
なお、今後の予定としては、次のような手順で裁判が進行する予定です。また、萩生川西地区の区画整理補完3工事の対象場所は、工事を発注した被告でないと特定できませんが、おおむね乙16号証の示された箇所だと認識できます。そして、農道舗装工事は、このうち4カ所の農道で施工されています。
●2016年11月30日 原告が農道舗装工事場所として支道27号線を特定し鑑定申立書を提出。
●2016年12月27日 この日までに、被告が「萩生川西地区 区画整理補完3工事」及び「萩生川西地区 農道舗装工事」の各対象場所について書証を用いて準備書面を提出する予定。
●2016年12月27日 同じくこの日までに、被告が、河道路盤材は基準値内であるが、風評被害を避けるためもあって補完工事をしたと主張しているが、「風評被害を防ぐことができるということは、仮に、下層路盤材から基準値を超えるフッ素や六価クロムが検出されるおそれがある場合であっても、その後アスファルト整備をすれば、環境基準を超えないことになる。」ことがその主張の前提でよいのか、について説明した準備書面を提出する予定。
●2017年01月13日 原告らから鑑定の申立てがなされことから、被告はこの日までに意見書を提出する予定。
●2017年01月20日 午前10時30分から第8回口頭弁論期日が前橋地裁で開催予定。
引き続き、県土がサンパイまみれのまま放置されるのか、それともきちんと有毒スラグが処理され県民の安心・安全な生活が担保されるのか、読者の皆様におかれましては、当会のブログを注視していただければ幸いです。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
第7回口頭弁論期日の様子は次のブログを参照ください。
〇2016年11月13日;大同スラグ訴訟・・・ようやく先行きが見えてきた感じの第7回目の口頭弁論期日の様子↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2163.html#readmore
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平成27年(行ウ)第7号 住民訴訟事件
原告 小川賢 外1名
被告 群馬県知事大澤正明
平成28年11月30日
前橋地方裁判所民事第2部合議係 御中
原告 小 川 賢 印
原告 鈴 木 庸 印
鑑 定 申 立 書
頭書事件について,次のとおり鑑定の申立をします。
第1 証明すべき事実
「萩生川西地区 区画整理補完3工事」及び「萩生川西地区 農道舗装工事」において使用された「混合スラグ砕石」において、スラグに含まれるフッ素や六価クロム等の有害物質が環境基準の許容範囲を超えている事実
第2 鑑定を求める事項
(1)萩生川西地区で使用されたスラグと天然石との混合砕石の内、スラグに含まれる六価クロム・フッ素の含有量及び溶出量の分析調査。
(2)スラグのみを鑑定する理由
①常温では固体同士は混ざり合うことはないこと。
②日本工業規格JIS A5015道路用鉄鋼スラグではスラグと天然石を混合することを規定していないこと(甲50号証参照)
③群馬建設工事必携ではクラッシャランと道路用鉄鋼スラグを混合することを規定していないこと(甲51号証)
第3 鑑定の方式
鑑定は次の要領で実施するものとする。
(1)試料採取の場所
支道27号。この道路の入口から奥に向かって約30mの範囲。甲53号証に試料採取予定位置を示す(乙16号証の2ページ目にある支道27号線写真位置図の上にプロット)。
(2)試料採取の要領
1)採取地点と方法
①試料1
入口から奥に向かって、右側の舗装と未舗装の境界付近において、未舗装の部分で、地表の土を除けると現れるスラグ混合砕石と思しき砕石を拾い出し、ハンマーで割ったあと、フェノールフタレイン溶液を振りかけて、赤紫色に変色した(アルカリ性を示した)試料のみを採取袋に入れる。採取試料は20個程度とする。
②試料2
次に、入口から奥に約30mの距離にある左側の舗装と未舗装の境界付近において、上記①と同様の手順で、採取を行う。採取試料は20個程度とする。
③試料3
上記①と②の対角線上の舗装された道路の中心点において、ディスクサンダーを用いて舗装を縦横約30㎝ずつ切り取り、その中をハンドスコップで掘ると現れるスラグ混合砕石と思しき砕石を拾い出し、ハンマーで割ったあと、フェノールフタレイン溶液を振りかけて、赤紫色に変色した(アルカリ性を示した)試料のみを採取袋に入れる。採取試料は20個程度とする。
2)採取に必要な道具
ハンドスコップ、ハンマー、ディスクサンダー、フェノールフタレイン溶液、埋め戻し用砕石、補修用アスファルト合材は原告が用意する。また、採取作業は、原告の指定する作業者が行う。
3)採取作業の立会人
上記採取作業には原告の指定する作業者のほか、裁判所、原告、被告が立ち会い作業の経緯を確認する。
4)分析
試料袋はそれぞれ立会人の面前で封印したのち、原告の手により次の環境分析業者に送られる。
・エコテスト(甲54号証)
5)費用
採取作業に必要な器具(ハンマー・ハンドスコップ・電動ディスクサンダー及び発電機・バーナー・転圧機、など)および作業員の人件費:5万4千円は原告が調達する。フェノールフタレイン溶液:4,860円、埋め戻し用切込砕石40~0:837円、粒度調整砕石30~0;1,150円、補修用アスファルト合材:2160円、分析費用試料1件につき:2万1, 600円及び送料;944円など、試料3件ずつ合計費用20万円程度が想定される。なお、原告がこの費用を一旦支払い被告の負担に備え裁判所に支払った領収書の写しを提出する。
以 上
【添付】
甲53号証 試料採取予定場所 ※PDF ⇒ b53vbgoe.pdf
甲54号証 環境分析業者の見積書 ※PDF ⇒ b54pigrexgj.pdf
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■この原告らによる鑑定申立に対して、被告の群馬県側が大同特殊鋼の擁護の観点からどのような反論をしてくるのか注目されます。
なお、今後の予定としては、次のような手順で裁判が進行する予定です。また、萩生川西地区の区画整理補完3工事の対象場所は、工事を発注した被告でないと特定できませんが、おおむね乙16号証の示された箇所だと認識できます。そして、農道舗装工事は、このうち4カ所の農道で施工されています。
●2016年11月30日 原告が農道舗装工事場所として支道27号線を特定し鑑定申立書を提出。
●2016年12月27日 この日までに、被告が「萩生川西地区 区画整理補完3工事」及び「萩生川西地区 農道舗装工事」の各対象場所について書証を用いて準備書面を提出する予定。
●2016年12月27日 同じくこの日までに、被告が、河道路盤材は基準値内であるが、風評被害を避けるためもあって補完工事をしたと主張しているが、「風評被害を防ぐことができるということは、仮に、下層路盤材から基準値を超えるフッ素や六価クロムが検出されるおそれがある場合であっても、その後アスファルト整備をすれば、環境基準を超えないことになる。」ことがその主張の前提でよいのか、について説明した準備書面を提出する予定。
●2017年01月13日 原告らから鑑定の申立てがなされことから、被告はこの日までに意見書を提出する予定。
●2017年01月20日 午前10時30分から第8回口頭弁論期日が前橋地裁で開催予定。
引き続き、県土がサンパイまみれのまま放置されるのか、それともきちんと有毒スラグが処理され県民の安心・安全な生活が担保されるのか、読者の皆様におかれましては、当会のブログを注視していただければ幸いです。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】