■5月29日15:00に当会副代表以下4名のメンバーが県庁14階を訪れ、高崎市の介護老人保健施設・若宮苑をめぐるケアプラン偽造とそれに関連する高崎市不正給付に関して、不正に支出された公金のうち、群馬県が負担した部分の補助金の回収について相談をしました。ところが、隣の部屋(ブース)で、マイクを胸に仕込んだ県職員らが、こっそりと盗聴していることが発覚し、県職員のなかから「警察を呼ぶぞ!」などと、脅迫めいた発言も飛び出す始末で、当会副代表ら会員は、急遽、相談の中止を余儀なくされたのでした。そのため、当会会員は、5月31日付で担当責任者職員の懲戒請求書を群馬県知事宛に郵送しましたが、さらに県知事の早急な事件対応を願い、6月5日付で次の公開情報提供書を特定記録郵便で知事宛てに郵送しました。
*****公開情報提供書*****
平成29年6月5日
〒370―8570
群馬県前橋市大手町1―1―1
群馬県知事 大澤正明 殿
情報提供者
群馬県高崎市剣崎町906番地
岩崎 優
偽造ケアプラン被害者
岩崎クニ子(84歳・要介護4)
公 開 情 報 提 供 書
件名:『高崎市長の税金流用事件』について
(群馬県からの補助金を不正流用していた高崎市の実態)
前略
高崎市長が介護保険制度に係る『群馬県からの補助金を不正流用』している事件について、法的根拠及び事実関係とそれらを示す証拠等を添えて情報提供しますので、『法』に基づく速やかな対応をお願い致します。
1.貴殿に求めたい対応
●根拠法:【介護保険法第五条・2】
市町村を保険者とする介護保険制度では、都道府県は『介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるように、必要な指導及び適切な援助をしなければならない。』と、明確に規定されています。
すなわち、現行制度における『群馬県』の役割は、まず『高崎市』に給付費の12.5%を負担する他に補助金を拠出している立場から必要な指導を行うことが義務付けられているわけです。
この法律に基づき、群馬県が高崎市に負担した補助金(12.5%)を回収するために
必要な指導又は法的手段により補助金(税金)回収を確実なものとして頂く必要があります。
貴職に於かれましては、県民の先頭に立って誠心誠意努力を尽くし、介護保険の財源の保全、即ち、不正流用された群馬県民の税金(12.5%)を高崎市長から必ず回収するとともに、同市長の税金流用については『再発防止』『緊急対策』等を徹底的に検証し、群馬県民の安全・安心を確保し、その成果を県民に広く広報し、『大澤県政の補助金における信頼』を損なう事の無きよう強くお願い申し上げます。
ただでさえ利用者急増でひっ迫する介護保険の財源ですが、群馬県からの補助金=税金(12.5%)を不正に流用したうえに、それを隠ぺいしようとしている高崎市がこの事件でどのようなことを行なったのか、その実態について詳細を以下に記載します。
<この事件の詳細>
情報提供者の母、岩崎クニ子(以下「クニ子」)は、高崎市から指定を受ける介護老人保健施設若宮苑(以下「若宮苑」)に次の通り入所しました。
(1) 平成27年4月6日~平成27年4月28日(入所)。以下「本件入所1」という。
(2) 平成27年5月20日~平成27年6月5日(短期入所)。以下「本件入所2」という。
(3) 平成27年6月20日~平成27年8月12日(入所)。以下「本件入所3」という。
(4) 平成27年9月18日~平成27年10月15日(入所)。以下「本件入所4」という。
上記の4回の若宮苑入所に係る『高崎市の税金流用事件』のうち、「本件入所1」、「本件入所3」及び「本件入所4」は、介護保険施設サービスです。ところが、若宮苑は、介護保険法で定める施設サービス計画(ケアプラン)が存在していないにもかかわらず施設サービスを提供した期間が存在します。または、ケアプランが作成されず、作成されていても、入所者による文書での同意及びその文書の交付をしないまま、介護保険施設サービスを提供しました。
さらに、本件入所3及び同4では、ケアプラン第2表(アセスメント項目・栄養マネジメント計画)の家族同意欄の『岩崎 優』名義の署名が『岩崎 俊』と偽造されているにも拘わらず、高崎市はこれを偽造文書とは扱わずに正当な文書と偽装し、群馬県からの補助金を介護報酬と称し、若宮苑への支払いに充当しました。
本件入所2は、短期入所療養介護(ショートステイ)に係るものですが、若宮苑は介護保険法で定める短期入所療養介護計画(ケアプラン)を作成する時期が遅れ、ケアプランが存在していないにもかかわらず、居宅サービスが提供された期間が存在します。さらに入所者による文書での同意及びその文書の交付をしないまま、居宅サービスを提供しました。それにも拘わらず、高崎市はこれを問題視せずに、群馬県からの補助金を介護報酬と称し、若宮苑への支払いに充当しました。
<この事件の問題性>
以上のように、
(1) 高崎市が介護報酬と称し群馬県からの補助金(12.5%)を流用したこと
(2) または、若宮苑が介護報酬(税金)として補助金(12.5%)の支払いを不正に受けたこと
は、介護保険法第22条第3項が定める『偽りその他不正の行為』により支払いを受けたものに他ならず、高崎市長には若宮苑に対し、その額の返還とそれに100分の40を乗じた額を回収すべき義務があります。よって、貴殿にも、偽造ケアプラン犯罪の実行行為者である若宮苑に対し、介護報酬と称し、若宮苑への支払いに充当された群馬県からの補助金(12.5%)を取り戻す責務があります。
2.文書偽造の態様
この『偽造ケアプラン』に係る立証は、『東京高等裁判所』『大阪高等裁判所』等から選任鑑定人として指定された筆跡鑑定人により『偽造』と鑑定されました。
つきましては、利用者保護の観点に立ち、『サービスの質の確保』及び『保険給付の信頼』を失わないように、貴殿には迅速かつ的確な対応をお願いいたします。
さらに貴殿におかれましては、税金流用を看過する高崎市長のこの振る舞いを傍観することなく、厳しく戒めていただかねばなりません。さもないと、県民の一人一人が将来に夢と希望を抱き、安心して暮らすことのできる郷土の創生を目指す『ふるさと群馬』の発展に悪影響を及ぼしかねないからです。
群馬県民の期待を裏切り、補助金が流用されるという今回の事件を二度と発生させないようにする為にも、『流用された補助金は必ず全額回収』するという行政の基本的な常識を一刻も早く実践すべきです。
これこそが、県民の願いでもあり、県民全体の利益に繋がるのです。
しかし、ここで貴職の無関心が加われば、介護保険制度の信頼性は維持できないばかりか県民との信頼関係が損なわれる事態を招きかねません。
このため、貴職が無関心にならないように、今回の事件に係る入所ごとの介護保険法違反を説明いたします。
3.介護保険法違反の態様
(1)本件入所1について
岩崎クニ子が若宮苑に入所したのは、平成27年4月6日です。
ところが、施設サービス計画が作成されたのは、同月25日であり、退所日である同月28日の僅か3日前のことでした。即ち、入所日である同月6日から同月25日までの間は、施設サービス計画なしで介護保健施設サービスが提供されていたのです。
介護保健施設サービスとは、施設サービスに基づいて提供されるものであり、当初から施設サービス計画がなければ、そもそも利用者にあわせた適切な介護、療養は不可能です。施設サービス計画を欠くことは、介護保険法違反となるのです。
加えて、本件入所1では、40号省令14条7項、8項が定める入所者の文書による同意及びその交付がなされておらず、この点についても40号省令違反です。
(2)本件入所2について
岩崎クニ子が若宮苑に入所したのは、平成27年5月20日です。
ところが、短期入所療養介護計画が作成されたのは、退所日の前日の同年6月4日です。入所日から退所日までの前日の間は、短期入所療養介護計画なしで居宅サービスが提供されていた状態にあり、介護保険法違反となります。
加えて、本件入所2では、37号省令147条3項が定める入所者の文書による同意及びその交付がなされておらず、この点についても基準省令違反です。
(3)本件入所3について
岩崎クニ子が若宮苑に入所したのは、平成27年6月20日です。
ところが、施設サービス計画が作成されたのは、同年7月15日です。入所日から約25日間は、施設サービス計画なしで介護保健施設サービスが提供されていた状態であり、介護保険法違反となります。また、入所者の文書による同意及びその交付がなされていないのは、本件入所1及び同2と同様です。
加えて、きわめて重大な違法事由として、施設サービス計画第2表(アセスメント項目・栄養マネジメント計画)が2枚存在し、うち1枚の家族署名欄の『岩崎 優』名義の署名が偽造されている点です。しかも名前の『優』を『俊』と間違えて書いている等、外見上、『岩崎 優』本人の署名ではないことは明らかですが、東京高等裁判所等から選任鑑定人として指定される鑑定人の鑑定結果も、同署名の筆跡は、『岩崎 優』本人の筆跡でないことが明らかとなっています。
施設サービス計画第2表の利用者家族同意を偽造し、若宮苑の用に供することは、言うまでもなく私文書偽造同行使罪(刑法159条・161条)に該当し、犯罪です。
(4)本件入所4について
施設サービス計画は、全く作成されていません。従って、当然、入所者の文書による同意及びその交付もなされていません。
加えて、重大な違法事由として、本件入所3と同様、施設サービス計画第2表(アセスメント項目・栄養マネジメント計画)の家族署名欄の『岩崎 優』名義の署名が偽造されている点が挙げられます。名前の『優』を『俊』と間違えて書いている等、外見上、『岩崎 優』本人の署名ではないことは明らかですが、筆跡鑑定の結果も同署名の筆跡は、『岩崎 優』本人の筆跡ではないことが明らかとなっています。
施設サービス計画第2表の利用者家族同意を偽造し、若宮苑の用に供することは、言うまでもなく私文書偽造同行使罪(刑法159条・161条)に該当し、犯罪です。
(5)順法精神の重要性
本件入所1~4については、明らかに重大な運営基準違反に該当していますが、このうち本件入所3及び同4は、介護保険法云々以前の問題であり、お年寄りを騙した悪質な詐欺事件であります。しかし高崎市長は、この行政上の違法行為及び偽造事件について無関心を装い、結果的に若宮苑の違法行為を幇助する形となり、補助金(12.5%)を給付してしまいました。
この様に順法精神(コンプライアンス)に欠ける高崎市長のデタラメな介護保険運営は、介護保険法違反のみならず、刑法違反(私文書偽造罪)をも容認しかねない振る舞いです。このことは、納税者市民・県民の信頼を裏切る行為であり、保険者の立場をわきまえずに、若宮苑を幇助することに終始する結果を招いてしまっています。
いったい、この『高崎市のデタラメ介護保険』は群馬県内の一般市、町村において通用するのでしょうか? 仮に、これが群馬県内に普遍的に通用すれとすれば、少なくとも高崎市における介護サービスの観点からの『公平性』は担保されます。しかし『補助金を流用した法律違反』は厳然たる事実であることに何ら変わりはありません。
4.結言
介護保険制度は、社会に定着し17年目を迎えました。2000年度から始まった介護保険制度は利用者が増え続け、第5番目の社会保険として社会に定着しています。
その反面で、制度実施以来なんと保険給付費が17年間で約3倍以上に急増し、その結果として介護保険料も2倍に増大するなど財政問題が今後の課題となり、その結果、政府は、介護保険法改正案を閣議決定し、2018年8月度から高所得者については、介護サービス利用時の自己負担割合を現行の2割から3割に値上げすると決定しました。
この度の利用料金の値上げについては、高齢者の暮らしを直撃することになりました。しかし、一方で補助金(12.5%)を流用し、群馬県民の利益を損なうという前代未聞の事件が発生しています。『県民全体の利益保護』及び『県民の財産を高崎市長から回収』して頂くために、勇気を振り絞り実名を公表して情報提供を致します。
貴職の見解が県民全体の利益となり、更には、要介護者の尊厳を考える際の基として活用され、高齢者の安心をもたらす介護の実現に寄与することを当会は心から期待いたします。
なお、本公開情報提供書は貴職に提出する際に記者会見で明らかにし、また、また貴職の見解を得た上で、あるいは得られなかったときに、再度記者会見で見解の有無及び内容を明らかにしてまいりたいと考えます。同時にその経過を含めて市民オンブズマン群馬のホームページ上でも明らかにし、群馬県内の介護事業者はもとより、広く介護情報誌に報告してまいる所存です。
本件につきましては急を要する事件でありますので、平成29年6月16日(金)限り必着で、貴職の見解を文書にしたためて頂き、下記に郵送にてご連絡いただきますようお願い申し上げます。
記
〒370―0883 高崎市剣崎町906番地
要介護者の尊厳を守る会 副会長 岩崎 優
携帯: 090―9839―8702
事務局: 027―343―2610
なお、高崎市不正給付事件については下記の情報を参考にして頂ければ幸いです。
web検索:高崎市職員措置請求第70―1号
私文書偽造事件に関する記事 ⇒pink.ap.teacup.com/ogawaken/2151.html
pink.ap.teacup.com/ogawaken/2318.html
pink.ap.teacup.com/ogawaken/2328.html
その他の高崎市不正給付事件 ⇒pink.ap.teacup.com/ogawaken/2255.html
pink.ap.teacup.com/ogawaken/2258.html
以上
添付資料:1 高崎市長が若宮苑に対し、密かにケアプラン未作成を指摘した公文書。第311―7号(H28.3.10付)
添付資料:2 高崎市長が若宮苑の不正に対し、『文書による指摘事項はありません。』とし、HPにおいて全国的に偽造を隠蔽した平成27年度指導結果発表。
添付資料:3 『東京高等裁判所』等から選任鑑定人として指定を受ける鑑定人により『偽造』と鑑定された筆跡鑑定書。
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■6月16日の知事からの回答の有無及び内容について、引き続き注視していきたいと思います。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】