■平成27年4月30日の提訴から既に2年2カ月が経過した大同有毒スラグの農道への不法投棄問題にかかる舗装工事費用の返還を責任者である吾妻農業事務所長(当時)に求めることを群馬県知事に義務付ける住民訴訟の第11回口頭弁論が、9月8(金)午前10時から前橋地裁21号法廷で開かれました。
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↑東吾妻町萩生川西地区での大同有毒スラグ不法投棄にかかる住民訴訟の第11回口頭弁論が開かれた前橋地裁。↑
当日朝、地裁1階ロビーに張り出された開廷表には次の事案が書かれていました。当会の事案は本日の21号法廷における午前中の唯一の審理事案です。いつものように9時50分に法廷の傍聴席入り口ドアの鍵が開けられると、さっそく中に入りました。
*****開廷表*****
第21号法廷(本館2階)開廷表
平成29年9月8日 金曜日
●開始/終了/予定 10:00/10:10/弁論
○事件番号/事件名 平成27年(行ウ)第7号/住民訴訟事件
○当事者 小川賢 外/群馬県知事大澤正明
○代理人 ― /関夕三郎
○担当 民事第2部合議係
裁判長 菅家忠行
裁判官 佐藤 薫
裁判官 金澤 康
書記官 清宮貴幸
●開始/終了/予定 13:10/13:20/弁論(判決言渡)
○事件番号/事件名 平成28年(ワ)第395号/損害賠償請求事件
○当事者 中澤とよ子/柴田忍
○代理人 安倍明/村上大樹
○担当 民事第2部合議係
裁判長 菅家忠行
裁判官 佐藤 薫
裁判官 金澤 康
書記官 清宮貴幸
●開始/終了/予定 13:10/13:20/弁論(判決言渡)
○事件番号/事件名 平成29年(ワ)第80号/損害賠償請求事件
○当事者 吉田智明/国
○代理人 ― /益子浩志
○担当 民事第2部合議係
裁判長 菅家忠行
裁判官 佐藤 薫
裁判官 金澤 康
書記官 清宮貴幸
●開始/終了/予定 13:10/13:20/弁論
○事件番号/事件名 平成29年(ワ)第229号/損害賠償等請求事件
○当事者 海老根篤/阿左美守
○代理人 ― /臼田佳充
○担当 民事第2部合議係
裁判長 菅家忠行
裁判官 佐藤 薫
裁判官 金澤 康
書記官 清宮貴幸
●開始/終了/予定 13:10/13:20/弁論
○事件番号/事件名 平成29年(ワ)第230号/損害賠償等請求事件
○当事者 海老根篤/宮崎武
○代理人 ― /臼田佳充
○担当 民事第2部合議係
裁判長 菅家忠行
裁判官 佐藤 薫
裁判官 金澤 康
書記官 清宮貴幸
●開始/終了/予定 13:10/13:20/第1回弁論
○事件番号/事件名 平成29年(ワ)第310号/損害賠償請求事件
○当事者 飛田隼人 外/深山工業株式会社 外
○代理人 勝浦教嗣/上野猛
○担当 民事第2部合議係
裁判長 菅家忠行
裁判官 佐藤 薫
裁判官 金澤 康
書記官 清宮貴幸
**********
■10時きっかりに、裁判長が2名の裁判官を従えて入廷してきました。全員起立して礼をしたあと、さっそく審理が開始されました。
裁判長:おはようございます。
原告・被告:おはようございます。
書記官:平成27年行ウ第7号。
裁判長:それでは、提出していただいたものから、順番から言うと被告の準備書面、第10準備書面が提出されています。この通り陳述しますか?
被告:はい、陳述します。
裁判長:はい。書面としては原告のほうでも、準備書面(15)を提出していただいています。このとおりということでよろしいですか?
原告:ええ、あのう、陳述に先立って1か所訂正させてください。頁13分の6。6ぺージ目の上から3行目の冒頭です。すいません。「原告」と「被告」をミスタイプしてしまったので、これを「被告」と、「被」というふうに、「原」を替えていただけますか? 以上です。
裁判長:はい、この2の中身の1行目のところですね?
原告:そのとおりです。
裁判長:上から3行目ですね?
原告:はい。それを踏まえたうえで、陳述したいと思います。
裁判長:それでは、証拠の追加の、乙号証は25と26まで写しで提出ということでよろしいですかね?
被告:はい。
裁判長:それから甲号証が70から73まで。こちらも写しということですねよろしいですか?
原告:はい、いずれも写しで提出します。
裁判長:さてと、それでひととおりの主張、立証はいただいていると思うが、裁判所のほうで、あらためて記録を検討してもし何か補充していただくところがあればさらに補充をしていただくと。で、それがなければ、そろそろ判断をさせていただこうかなと思っているので、次回の弁論期日を決めて、あらためて、その間、記録を精査させていただいて、補充事項があればご連絡を差し上げるということでよろしいでしょうかね?
被告:・・・。
原告:はい、わかりました。
裁判長:そういう方向にいたします。それで、ちょっと検討が、最終検討になるので、次回期日を11月に入れようかと思います。11月の10日。あるいは24あたり、いかがでしょうかね。10日いかがですか?
被告・原告:大丈夫です。
裁判長:10時でよろしいでしょうか。
被告・原告:はい。
裁判長:では、次回期日は11月10日の午前10時ということにします。補充いただくことがなければ、そこで請求を検討して、あとは判決ということになります。
被告:・・・。
原告:はい、了解です。
裁判長:では、きょうのところはこれで終わりにします。
<当会注:以上の内容は、法廷に出席した当会の代表と副代表、そして傍聴していた当会会員のメモ及び記憶をもとに記載したものであり、正式な内容は裁判所の調書によります。>
■以上のように、今回の第11回口頭弁論は、3分足らずで終了しました。この後、裁判所から、補充要請があれば直ちに対応する所存ですが、上記のとおり、11月10日(金)午前10時からの次回第12回口頭弁論で結審の公算が非常に強くなりました。次回結審した場合、判決は今年度中、すなわち来年3月末までには出されることになると思われます。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
※参考資料:「第11回口頭弁論で陳述及び提出された裁判資料」
●被告第10準備書面
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*****被告第10準備書面*****PDF ⇒ 2017081610.pdf
<P1>
前橋地方裁判所(清宮書記官)御中:FAX 027-233,0901
石原・関・猿谷法律事務所 街中 :FAX 027-230-9622
平成27年(行ウ)第7号 住民訴訟事件
原告 小川賢,外1名
被告 群馬県知事大澤正明
第10準備書面
平成29年8月16日
前橋地方裁判所民事第2部合議係御中
被告訴訟代理人弁護士 関 夕 三 郎
同 弁護士 笠 本 秀 -
同 指定代理人 富 澤 貞 夫
同 指定代理人 澤 下 勲
同 指定代理人 稲 本 一 秀
同 指定代理人 篠 原 孝 幸
同 指定代理人 油 井 祐 紀
同 指定代理人 安 藤 敏
<P2>
第1 はじめに
本準備書面は,原告らの平成29年3月31日付け原告準備書面(13),同年5月31日付け原告準備書面(14)及び同年6月16日の口頭弁論における原告らの弁論内容を踏まえ,これに反論するものである。
原告らの上記主張の趣旨は,要するに,本件農道の下層路盤材として用いられたブレンド骨材に含まれている鉄鋼スラブは特別管理産業廃棄物に該当するので,廃棄物処理法上の改善命令(廃棄物処理法19粂の3),措置命令(同法19条の5及び同条の6)により撤去されなければならなかったのであり,撤去せずに本件長道舗装工事を行ったことは最少経費最大効果の原則に反するというものと解される。
しかし,以下に述べるとおり,本件農道の下層路盤材として用いられたブレンド骨材に含まれている鉄鋼スラブが特別管理産業廃棄物に該当するとしても,廃棄物処理法上の改善命令や措置命令によって当然に撤去が求められるわけではなく,本件農道に関しては,撤去せずに舗装工事を施工することにも合理性があったから,本件農道舗装工事は最少経費最大効果の原則に反しないものというべきである。
第2 改善命令(廃棄物処理法19条の3)について
1 改善命令(廃棄物処理法19条の3)とは,事業者や廃棄物処理業者等で産業廃棄物処理基準又は産業廃棄物保管基準が適用される者により,当該基準に適合しない廃棄物の保管,収集,運搬又は処分が行われた場合に,市町村長や都道府県知事等において,当該者に対し,廃棄物処理の方法の変更その他必要な措置を講ずべきことを命ずるものである。
この改善命令は,公衆衛生の向上や生活環境の保全を目的として,将来に向け再びその違法な処理状態そのものが継続しないようにするものである(乙25・375頁参照)。
2 これを本件についてみると,本件長道の下層路盤材として用いられているブレンド骨材に含まれる鉄鍋スラグの敷設又は舗装については,産業廃棄物処理
<P3>
基準又は産業廃棄物保管基準が適用される者の行為でないため,改善命令の対象ではない。
第3 措置命令(廃棄物処理法19条の5及び同条の6)について
1 産業廃棄物に係る措置命令は,産業廃棄物の既に行われた違法な処理に起因して生活環境の保全上支障が生じ,又は生ずるおそれがある場合に支障を除去するため,違法な処理をした者や違反行為に関与した者に対し,必要な措置を命ずるものである(廃棄物処理法19粂の5,乙25・383ないし384頁参照)。
また,排出事業者に対しては,違反行為への関与がない場合であっても,一定の要件の下に措置命令を発することができるものとされている(同法19条の6,乙25・386頁参照)。
2 措置命令を発令する要件である「生活環境の保全上支障が生じ,又は生ずるおそれがあると認められるとき」(廃棄物処理法19条の5第1項柱書)とは,人の生活に密接な関係かおる環境に何らかの支障が現に生じ,又は社会通念上そのおそれがあると思料するに相当な状態が生ずることをいうものと解されている(乙25・378頁)。
また,措置命令は,「必要な限度において」(開法19条の5第1項柱書)発令することが認められているところ,この点に関しては,支障の程度及び状況に応じ,その支障を除去し又は発生を防止するために必要であり,かつ経済的にも技術的にも最も合理的な手段を選択して措置を講ずるように命じなくてはならないものとされ,具体的には,例えば,最終処分場において,浸出液により公共の水域を汚染するおそれが生じている場合には,遮蔽工事や浸出液処理施設の 維持管理によって支障の発生を防止できるときは,まずその措置を講ずるように命ずるべきであって,これらの方法によっては支障の発生を防止できないときに初めて,処分された廃棄物の撤去を命ずるべきであると解されている(乙26・27頁)。
3 これを本件についてみると,まず,本件農道の下層路盤材に混合されている鉄
<P4>
鋼スラグに起因して,人の生活に密接な関係がある環境に何らかの支障が現に生じている事実はない。そこで,通常人をしてそのおそれがあると思わせるに相当な状態が生じているかを検討すると,①萩生川西地区県営農地整備事業の中で本件農道整備工事と同時期に施工された無道から試料を採取して実施した調査において,いずれも基準値<※脚注:1>を下回っていたこと(乙14・25頁),②これまで,大同特殊鋼株式会社から排出された鉄鍋スラグが混合されているブレンド骨材が使用された群馬県内の場所に関し,土壌汚染対策法に沿って実施された地下水検査においてこれまでに基準値を超過した地点はないこと,③原告らの主張も,「これから先,何年にも渡って起こる可能性を孕む新たな土壌汚染の発生」(原告らの平成29年3月31日付け原告準備書面(13)5頁・15行目),「土の部分から雨水が浸入し,ブレンド骨材の有害物質が新たな土壌汚染や地下水汚染を引き起こす恐れがある。」(同7頁7行目以下),「擦り付けた土は厚さが薄く,いずれ浸食によりブレンド骨材が露出する恐れがある」(同8頁下から3行目)などを総合すると,通常人をして人の生活に密接な関係がある環境に何らかの支障が生ずるおそれがあると思わせるに相当な状態が生じているとは言えない。
また,支障を除去する方法の選択の観点からも,大同特殊鋼株式会社から排出された鉄鋼スラグが混合されているブレンド骨材が下層路盤材等に使用された問題に関しては,技術的な基準が規定されている土壌汚染対策法を参考に使用された場所ごとに鉄鋼スラグの性状や使用状況等に応じて対応策を検討するのが相当であるところ,本件農道舗装工事は、環境省が定めた「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)」(乙22)に準拠しており,支障の程度及び状況に応じ,その支障を除去し又は発生を防止するために必要であり,経済的にも技術的にも最も合理的な手段といえる。
したがって,本件農道に関しては,「生活環境の保全上支障が生じ,又は生ずるおそれがある場合」(廃棄物処理法19条の5第1項柱書)の要件を充たさず,
<※P4脚注:1>ここで採用された基準値は,JIS A5015道路用鉄鋼スラグ環境安全品質基準及び土壌汚染対策法施行規則の定める基準値である(乙14・3頁)。
<P5>
また,本件農道舗装工事は「必要な限度」(同法19条の5第1項柱書)の措置と認められ,最少経費最大効果の原則に反しない。
第4 小括
以上のとおり,本件長道のブレンド骨材の敷設又は舗装は,廃棄物処理法上の改善命令(同法19状の3)は対象外であり,また,措置命令(同法19条の5),本件農道に関しては,「生活環境の保全上支障が生じ,又は生ずるおそれがある場合」(廃棄物処理法19粂の5第1項柱古)の要件を充たさず,また,本件農道舗装工事は「必要な限度」(同法19条の5第1項往古)の措置といえるため,最少経費最大効果の原則に反しないことは明らかというべきである。
第5 本件鉄鋼スラグが特別管理産業廃棄物に当たらないこと
なお,原告らは,原告らの平成29年3月31日付け準備書面凱及び同年5月31日付け準備書面(14)において,本件鉄鋼スラグにはフッ素が含まれているから特別管理産業廃棄物(廃棄物処理法第2条第5項)に該当する旨主張する。
しかし,「鉱さい」の特別管理産業廃棄物該当性については,廃棄物処理法施行令第2粂の4第5号へが,
第2条第8号に掲げる廃棄物(事業活動に件って生じたものに限る。以下「鉱さい」という。)(環境省令で定める基準に適合しないものに限る。)及び当該鉱さいを処分するために処理したもの(環境省令で定める基準に適合しないものに限る。)
と規定し,これを受けて,廃棄物処理法施行規則第1条の2第8項が
令第2条の4第5号への鉱さいに係る環境省令で定める基準は,当該鉱さいに含まれる判定基準省令別表第一の一の項から三の項まで,五の項,六の項及び二三の項の第一欄に掲げる物質ごとにそれぞれ当該各項の第二欄に掲げるとおりとし,令第2条の4第5号への鉱さいを処分するために処理したものに係る環境省令で定める基準は,当該処理したものが,廃酸又は廃アルカリの場合は当該廃酸又は廃アルカリに合まれる
<P6>
別表第二の一の項から三の項まで,五の項,六の項及び二三の項の第一欄に掲げる物質ごとにそれぞれ当該各項の第二欄に掲げるとおりとし,廃酸又は廃アルカリ以外の場合は当該処理したものに含まれる判定基準省令別表第六の一の項から三の項まで,五の項,六の項及び二三の項の第二欄に掲げる物質ごとにそれぞれ当該各項の第三欄に掲げるとおりとする。
と規定している。そして,上記規定において委任されている判定基準省令とは,「金属等を含む産業廃棄物に係る判定基準を定める省令」であるところ,この別表第一の一の項から三の項まで,五の項,六の項及び二三の項にはフッ素は挙げられていない。
したがって,フッ崇が含まれているから特別管理産業廃棄物に該当する旨の原告らの主張は誤りである。
以上
*****証拠説明書(乙25~26)*****JPEG ⇒ 2017081609.jpg
平成27年(行ウ)第7号住民訴訟事件
原告 小川賢,外1名
被告 群馬県知事 大澤正明
証拠説明書(乙25~26)
平成29年8月16日
前橋地方裁判所民事第2部合議係 御中
被告訴訟代理人弁護士 関 夕 三 郎
同 弁護士 笠 本 秀 一
●号証:乙25
〇標目:廃棄物処理法の解説[平成24年度版](抜粋)
〇原本・写しの別:写し
〇作成年月日:H24.12.25
〇作成者:一般財団法人日本環境衛生センター
〇立証趣旨:廃棄物処理法上の改善命令及び措置命令の概要
●号証:乙26
〇標目:行政処分の指針について
〇原本・写しの別:写し
〇作成年月日:H25、3.29
〇作成者:環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課長
〇立証趣旨:改善命令及び措置命令に関する概要及び処分の指針など
*****書証目録******
前橋地方裁判所
平成27年(行ウ)第7号 住民訴訟事件
書 証 目 録
乙第25号証 及び 乙第26号証
上記正写致しました
弁護士 関 夕 三 郎
*****乙25号証*****
PDF ⇒ 20170816_otsu_no25_1of3.pdf
20170816_otsu_no25_2of3.pdf
20170816_otsu_no25_3of3.pdf
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*****乙26号証*****
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20170816_otsu_no26_2of2.pdf
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●原告準備書面(15)
*****原告準備書面(15)*****PDF ⇒ 20170831i15jver4imow.pdf
<P1>
事件番号 平成27年(行ウ)第7号 住民訴訟事件
原告 小 川 賢 外1名
被告 群馬県知事 大澤正明
平成29年8月31日
前橋地方裁判所民事2部合議係 御中
原告準備書面(15)
原告 小 川 賢 ㊞
原告 鈴 木 庸 ㊞
平成29年8月16日付の被告第10準備書面のあと、あらたな重大事実が判明したので必要な補充を加えたうえで、原告は、被告第10準備書面に対して次の通り反論する。
第1 新たな重大事実の判明によるスラグ撤去の緊急必要性
萩生川西地区に敷設された大同特殊鋼渋川工場から排出された有害な鉄鋼スラグ(以下「大同スラグ」という。)の撤去すべき根拠について、あらたな重大事実が判明したので、必要な補充を加えるべく次のとおり陳述する。
1 鉱さいという廃棄物に分類される大同スラグは、適正に処理しなければ、地下水汚染を確実に誘発すること。
渋川市金井にある「小林製工運送」の最終処分場が地下水汚染を引き起こしていることが報道されている(甲70号証)。その報道では、この処分場は専ら大同スラグなどの産業廃棄物を埋め立てていることが説明されている。この最終処分場において、専ら大同特殊鋼の廃棄物を埋め立てていたことは地元説明資料(甲71号証)の中でも、埋め立てた廃棄物の種類とともに記述されている(同号証2頁)。
報道によればこの最終処分場は、業者が水を通さない「不透水層」より上に廃棄物を埋め立てる計画だったのに計画を逸脱して層より下に埋め立てたことを理由に被告群馬県より
<P2>
2005年、に改善命令の行政処分を受けている。だが不思議なことに改善命令から12年経た2017年4月被告群馬県の調べで環境基準の8倍超の地下水汚染が検出され、8月になって新聞報道により、我々住民は汚染の事実をようやく知るところとなった。
2 最終処分場に埋め立てられていた廃棄物
計画を逸脱して地下水脈より深く廃棄物を埋め立てていても、コンクリートなど無害な廃棄物であれば地下水汚染にはつながらず、改善命令により撤去すれば生活環境に影響はないはずである。
どのような廃棄物が入っていたのか。このことについて、情報公開により入手された「廃棄物処理施設変更申請書」に記載がある(甲71号証3頁)。これによると「鉱さい(無害)」「汚泥(無害)」「がれき類」など無害な物が処理(最終埋設処分)されていることが分かる。被告群馬県は大同特殊鋼が大同スラグを「鉱さい」という廃棄物として長年埋め立てていた事を知っていたことになり、甲5号証及び甲31号証のスラグ混合砕石の廃棄物認定がもっと早期に行われれば、萩生川西地区の農道が廃棄物まみれにならなかったと思うと、原告のみならず群馬県民として悔しくてならない。
ちなみに、甲5号証の場合は平成26年4月22日付であり、原告は後日この書類を確認することができたが、甲5号証が発出された直後の平成26年5月ごろ中央混合所(東吾妻町箱島にある佐藤建設工業の所有地を大同特殊鋼が借りて大同スラグと天然砕石を混合していた施設。中央橋混合所と呼ばれることもある)に「鉱さい」「産業廃棄物置場」と描かれた看板が掲げられた。これを見て原告は、吾妻農業事務所に「(大同スラグは)廃棄物だから撤去してほしい」とお願いをしたわけだが、吾妻農業事務所はこれを無視して農道舗装工事を強行した。
なお、甲31号証の場合は平成27年9月11日であり、この日、被告群馬県は大同スラグを「廃棄物」と認定して調査結果を公表した。
ところでこれに関連して不思議なことがある。甲71号証2頁目の地元説明資料の「(2)埋め立てている産業廃棄物とその具体例」の項には、
名称:鍛造スケール<鉱さい>
どんなものか:鋼塊を加熱する時に表面に付着する酸化物で錆のような物。ほとんどはリサイクルしていますが一部埋め立てています。
の記載がある。このように、大同スラグが廃棄物として最終処分している実態が歴然とあるのに、この廃棄物と同様であるものを、リサイクルする場合になぜ許可を取らないのか?
例えば、廃コンクリートやコンクリート廃材などは管理型処分場に最終処分することも可能である。しかし莫大な量になるため、県の許可を基に破砕という中間処理を施すことにより、再生砕石としてリサイクルすることが国をあげて進められている。
この例に倣って、最終処分場に鉱さいとして捨てていた大同スラグをリサイクルしたか
<P3>
ったらしかるべき許可を取ればよかったではないか?ということになる。
この観点から言えば、確かに被告群馬県県土整備部は平成22年10月22日付でいわゆる「倉嶋通知」と呼ばれる大同スラグの使用を推進する文書を県庁及び県内の出先機関等に配信した(甲9号証)。しかし一方で、平成22年12月7月付の甲71号証「産業廃棄物処理施設変更許可申請書」が被告に提出されて許可が出されているのである。
被告群馬県は、大同スラグが鉱さいという分類の廃棄物であることを知っていたのであるから、大同特殊鋼や佐藤建設工業が、最終処分場に一部埋設処分すべき鉱さいをリサイクルするには、廃棄物として認識したうえで廃棄物処理法所定の許可を取るべきであり、被告もそのように指導監督するべきであった。なぜなら、被告群馬県環境部局は、小林製工運送の最終処分場の変更申請書類などを通じて、有毒物質による環境基準値を大幅に超える地下水の深刻な汚染状況など、大同スラグが有害な産業廃棄物であることを知り得る立場にあったからである。
3 廃棄物処理施設変更の理由
改善命令は2005年つまり平成15年に発出されているようであるが、甲71号証2頁の地元説明資料の「3.処分場の経緯」には改善命令の記述はない。改善命令により施設を変更する際には、地元に説明をするはずであるし、監督官庁の群馬県環境部局にも変更申請をするはずである。
平成22年日付の「廃棄物処理施設変更申請書」(甲71号証3頁)には、変更の理由が記載されている。
【変更の理由】平成10年6月に公布された新構造基準にあわせて人口の遮水層による安全性を高めるため
上記の記載に改善命令の記述はなく「計画を逸脱」などの文言も見当たらない。平成10年・平成15年・平成22年と時系列的にも間隔が空くことも加味すれば、当該新聞報道と比べると大変不自然であり、被告群馬県の対応姿勢には、大きな疑問を抱かざるを得ない。
4 地下水汚染の状況
新聞記事(甲70)では「今年4月、地下水から環境基準の8倍超にあたる1リットル当たり0・42ミリグラムの六価クロムが検出された。」と報道されている。
原告はこれとは別に情報公開請求により得られた、この最終処分場が群馬県に年1回提出するこの浸出水検査結果を入手した(甲71号証4頁)。群馬県が改善命令を発出したとする平成15年(2005年)より後の平成20年の数値である。
それによると、六価クロムが0.44mg/L検出されおり、当該新聞報道と近似値を示している。またフッ素が9.3mg/Lも検出されている。これは全ての地下水の基準値(甲
<P4>
72号証)の11.6倍に相当する驚愕すべき数値である。当該新聞報道では分からなかったが、この最終処分場の地下水汚染は六価クロムとフッ素の汚染が顕著であり、国土交通省が発表したスラグ混合砕石の有毒物質検査(甲7号証)と同様の特徴を示し、地下水汚染が「鉱さい」という分類の大同スラグを起因とすることが分かった。
5 萩生川西地区のスラグを放置すれば、スラグ最終処分場と同様の被害を招くと考える
この最終処分場は、平成29年4月に至っても地下水汚染が改善されていないことを鑑みると、今も工事中で地下水汚染対策に苦しんでいる状況が推察できる。地下水汚染が収まらなければ、遮水シートなどを設置することはできず、平成10年の新構造基準に合わせた安全性を担保することはできず(甲71号証3頁の変更の理由)、廃棄物から浸み出した液なのか地下水なのか区別できる状況ではないからである。
この状況を萩生川西地区に当てはめると、
① まず萩生農道下には遮水シートなど平成10年の新構造基準に合わせ安全性を高める設備はないこと。農道は最終処分場ではないので、けだし当然であること。
② また甲64号証の環境科学の専門家の知見にもあるとおり、農道アスファルト舗装や薄い盛り土を施しても水が遮断されることはなく、地下水汚染が何年にもわたり起きる可能性があること。
という二つの事実を指摘できるので、小林製工運送の最終処分場のように、取り返しのつかない地下水汚染を引き起こす可能性が大である。
第2 被告第10準備書面に対する反論
1 「第1 はじめに」への原告の反論
被告は冒頭で「本準備書面は、原告らの平成29年3月31日付け原告準備書面(13)、同年5月31日付け原告準備書面(14)及び同年6月16日の口頭弁論における原告らの弁論内容を踏まえ、これに反論するものである。」として、次のように陳述している。
「原告らの上記主張の趣旨は、 要するに、 本件農道の下層路盤材として用いられたブレンド骨材に含まれている鉄鋼スラグは特別管理産業廃棄物に該当するので、廃棄物処理法上の改善命令(廃棄物処理法19条の3)、措置命令(同法19条の5及び同条の6)により撤去されなければならなかったのであり、撤去せずに本件農道舗装工事を行ったことは最小経費最大効果の原則に反するものと解される。」
これに対して原告は次の通り反論する。
<P5>
原告は原告準備書面(13)12頁で「被告が“ブレンド骨材”と称する大同特殊鋼由来のスラグは、群馬県が廃棄物と認定しているものである(甲5号証・甲31号証)。環境基準を超えても超えていなくても、萩生農道に敷設された状況は不適正であるので、原因者の負担で撤去の上、廃棄物処理法施行令第7条第1項のいずれかの処理施設に適正に処理しなければならない。」と述べた。
要するに原告の言いたいことは、適正に大同スラグを処理していただきたい、ということなのである。
特にその際、撤去した廃棄物について環境調査を行い、有害物質が基準値を超えて含まれていれば、大同スラグは特別管理産業廃棄物に該当するので、同施行令第7条第1項第14号イに定める遮断型最終処分場に最終処分することになる。
甲31号証で「フッ素により土壌を汚染するおそれがある」と述べたのは、そもそも被告群馬県であった。特別管理産業廃棄物であれば、特に注意して取り扱わなければならない。
廃棄物処理法上の改善命令(廃棄物処理法19条の3)、措置命令(同法19条の5及び同条の6)などを駆使して、廃棄物を撤去しなければならない。廃棄物の適正処理なくして環境上周辺住民の生活の安全は図られたものとは言えなし、廃棄物が不適正に敷設されてあれば風評被害など防ぐことは到底できない。
被告には県民の安全・安心な生活環境の保全を確保する責務があるはずである。
被告は続けて次のとおり陳述している。
「しかし、以下に述べるとおり、本件農道の下層路盤材として用いられたブレンド骨材に含まれている鉄鋼スラグが特別管理産業廃棄物に該当するとしても、廃棄物処理法上の改善命令や措置命令によって当然に撤去が求められるわけではなく、本件農道に関しては、撤去せずに舗装工事を施工することも合理性があったから、本件農道舗装工事は最小経費最大効果の原則に反しないものというべきである。」
原告は被告のこの主張に対して次のとおり反論する。
不適切に処分された産業廃棄物は、特別か否かにかかわらず廃棄物処理法に従い適正に処理しなければならない。ましてや鉄鋼スラグが特別管理産業廃棄物に該当するなら、同施行令第7条第1項第14号イに定める遮断型最終処分場に最終処分しなければならない。さもないと、廃棄物処理法第1条の目的は到底達成できない。具体的には新聞記事(甲70号証)で報道されている小林製工運送の最終処分場のように取り返しのつかない地下水汚染を引き起こすおそれがある。
<P6>
2 「第2 改善命令(廃棄物処理法19条の3)について」への原告の反論
被告は「1 改善命令(廃棄物処理法19条の3)とは、事業者や廃棄物処理業者等で産業廃棄物処理基準又は産業廃棄物保管基準が適用される者により、当該基準に適合しない廃棄物の保管、収集、運搬又は処分が行われた場合に、市町村長や都道府県知事等において、当該者に対し、廃棄物処理の方法の変更その他必要な措置を講ずべきことを命ずるものである。この改善命令は、公衆衛生の向上や生活環境の保全を目的として、将来に向け再びその違法な処理状態そのものが継続しないようにするものである(乙25・375頁参照)。」として「2 これを本件についてみると、本件農道の下層路盤材として用いられるブレンド骨材に含まれる鉄鋼スラグの敷設又は舗装については、産業廃棄物処理基準又は産業廃棄物保管基準が適用される者の行為でないため、改善命令の対象ではない。」とその主張を陳述している。
原告は被告の主張に対して次のとおり反論する。
甲15号証3頁の試験成績表を見ると、「再生砕石40~0」が材料として(株)佐藤建設工業によって搬入されていることが分かる。また、「備考欄」をみると「スラグ15%混合」との記述が見られる。原告準備書面(1)で述べたようにこの再生砕石は正規の再生砕石ではなく、許可の範囲を超えて不適法に処理された廃棄物を15%程度、天然石と混合したシロモノである。また敷設されたブレンド骨材は混合率など管理されてなく100%に近い現場もある(甲43号証)。
原告は平成26年6月、被告吾妻農政事務所をたずねて東吾妻町萩生川西地区の農道工事現場を教えてもらい、同現場を視察した結果、現場の農道の敷砂利に使われているシロモノは不適法な廃棄物であることを確認した。そのうえで、吾妻農業事務所に電話をして、担当責任者に丁寧に説明し、撤去を求めた。
その後、平成28年8月佐藤建設工業が廃棄物処理の許可を取り消す行政処分を被告から受けた(甲73号証)。その処分理由として「株式会社佐藤建設工業が許可を受けている産業廃棄物収集運搬業の事業範囲に鉱さいは含まれていないほか、同社が許可を受けている産業廃棄物処分業は、がれき類の破砕のみであり、許可なく事業の範囲を変更した。」とある。このことから、平成26年6月に原告が被告に行った説明の正しさが、立証されたことが分かる。
本件農道工事については、様々な材料を使い南波建設(株)が工事を完成させた。群馬県
<P7>
の工事のマニュアルである群馬建設工事必携には廃棄物の処理及び清掃に関する法律を遵守しなければならないとの規定がある(甲47号証)、建設材料を選定する際には、発注者の被告群馬県農政部とともに、廃棄物処理法に違反した材料を使用しないよう留意しなければならない。
(株)佐藤建設工業は、甲73号証によると許可なく事業範囲を変更しており、産業廃棄物処理基準が適用される者であり、原因者として不適正に処理された廃棄物を撤去する責任があることから、同社にその責任を負えない事情があるときは、工事受注者の南波建設が、廃棄物処理法に違反した建設材料を撤去の上、工事を完成させなければならない。さもないと、甲70号証の報道のように、萩生川西地区の農道でも地下水汚染が拡大するおそれがある。
3 「措置令令(廃棄物処理法19条の5及び同条の6)について」への原告の反論
被告は「1 産業廃棄物に係る措置命令は、産業廃棄物の既に行われた違法な処理に起因して生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがある場合に支障を除去するため、違法な処理をした者や違反行為に関与した者に対し、必要な措置を命ずるものである(廃棄物処理法19条の5、乙25・383ないし384頁参照)。また、排出事業者に対しては、違反行為への関与がない場合であっても、一定の要件の下に措置命令を発することができるものとされている(同法19条の6、 乙25・386頁参照)。」とし、さらに「2 措置命令を発令する要件である「生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認められるとき」(廃棄物処理法19条の5第1項柱書)とは、人の生活に密接な関係がある環境に何らかの支障が現に生じ、又は社会通念上そのおそれがあると思料するに相当な状態が生ずることをいうものと解されている(乙25・378頁)。」と主張する。
続けて被告は「また、措置命令は、『必要な限度において』(同法19条の5第1項柱書)発令することが認められているところ、この点に関しては、支障の程度及び状況に応じ、その支障を除去し又は発生を防止するために必要であり、かつ経済的にも技術的にも最も合理的な手段を選択して措置を講ずるように命じなくてはならないものとされ、具体的には、例えば、最終処分場において、浸出液により公共の水域を汚染するおそれが生じている場合には、遮蔽工事や浸出液処理施設の維持管理によって支障の発生を防止できるときは、まずその措置を講ずるように命ずるべきであって、これらの方法によっては支障の発生を防止できないときに初めて、処分された廃棄物の徹去を命ずるべきであると解されて
<P8>
いる(乙26・27頁)。」との主張を陳述している。
原告は被告の主張に対して次のとおり反論する。
萩生川西地区の大同スラグが敷設された農道は、最終処分場ではないので、例示として最終処分場を持ち出すべきではない。そもそも、萩生川西地区の農道工事に伴って使用された偽装再生砕石をめぐる本事件において、遮蔽設備や浸出液処理施設のごとき設備維持管理の話を出されても困るのである。萩生川西地区の本件農道工事現場は、群馬県が誇る豊かな農業環境に恵まれた地区内にある農道であり、最終処分場と勘違いされては困惑を招くだけである。
次に被告は「3 これを本件についてみると、まず、本件農道の下層路盤材に混合されている鉄鋼スラグに起因して、人の生活に密接な関係がある環境に何らかの支障が現に生じている事実はない。」と陳述している。
原告は被告のこの主張に対して次のとおり反論する。
甲70号証の報道にあるように、専ら大同スラグを埋め立てした最終処分場から取り返しのつかない地下水汚染が広がっている。人の生活に密接な関係がある環境に支障が現に生じている事実が厳然として被告の前に提示されているではないか。
続けて被告は「そこで 、通常人をしてそのおそれがあると 思わせるに相当な状態が生じているかを検討すると、①萩生川西地区県営農地整備事業の中で本件農道整備工事と同時期に施工された農道から試料を採取して実施した調査において、いずれも基準値¹を下回っていたこと(乙14・25頁)、」との主張を陳述している。
¹ここで採用された基準値は、JIS A5015道路用鉄鋼スラグ環覚安全品質基準及び土壌汚染対策法施工規則の定める基準値である(乙14・3頁)。
原告は被告の主張に対して次のとおり反論する。
甲64号証の環境科学の専門家の知見にもあるとおり、基準値(0.8mg/L)以内と言ってもフッ素濃度は0.76mg/Lと比較的高いレベルであったことから安全と結論付けるのは早計である。
また被告自身が甲57号証でフッ素による土壌汚染のおそれに言及している。群馬県内
<P9>
の廃棄物の監督官庁である被告群馬県環境森林部が「おそれ」に言及したのであるから、もはや基準値をわずか下回ったことなど意味がないのではないか、甲70号証に報道された最終処分場のように地下水汚染が懸念される。
同じく被告は「②これまで、大同特殊鋼株式会社から排出された鉄鋼スラグが混合されているブレンド骨材が使用された群馬県内の場所に関し、土壌汚染対策法に沿って実施された地下水検査においてこれまでに基準値を超過した地点はないこと、」と主張している。
原告は被告のこの主張に対しても次の通り反論する。
甲70号証に報道された小林製工運送の最終処分場から、大同スラグに特徴的な有害物質が地下水から検出されている(甲72号証)。萩生川西地区の本件農道の場合、特に大同スラグの混合率が高く、支道27号線などは、100%大同スラグ砕石が敷設されているので、地下水汚染が著しく進んでいるおそれがある。また土壌汚染対策法に沿った地下水検査などを選択的に実施するのではなく、不適法不適切に処理された廃棄物については例外なく、廃棄物処理法に則り、適切に廃棄物を処理しなければならないのであり、被告にはぜひそのことを例外なく排出者・原因者に実行させてもらいたい。
同様に被告は「③原告らの主張も、『これから先、何年にも渡って起こる可能性を孕む新たな土壌汚染の発生」(原告らの平成29年3月31日付け原告準備書面(13)5頁・15行日)、「土の部分から雨水が浸入し、ブレンド骨材の有害物質が新たな土壌汚染や地下水汚染を引き起こす恐れがある 。」(同7頁7行日以下)、擦り付けた土は厚さが薄く、いずれ浸食によりブレンド骨材が露出する恐れがある」(同8頁下から3行日)などを総合すると、通常人をして人の生活に密接な関係がある環境に何らかの支障が生ずるおそれがあると思わせるに相当な状態が生じているとは言えない 。
原告は被告のこの主張に対して次の通り反論する。
原告や県会議員の丁寧な“スラグを撤去させてからの本件農道舗装”のお願いに耳を傾けず、廃棄物に土をかぶせて蓋をしておきながら、「通常人をして人の生活に密接な関係がある環境に支障が生ずるおそれがあると思わせるに相当な状態が生じているとは言えない。」とは、自分の行動を歪めて美化するにもほどがある。土壌汚染や土壌汚染を起因として引き起こされた水質汚染について、土をかぶせたり舗装で蓋をして隠れて見えないからと言って、「通常人には支障がない」とはいかなることか。地下水脈は通常人をして目に見えずどこ
<P10>
をどの様に流れているか計り知れない。甲70号証に報道された小林製工運送の最終処分場のように仮に地下水が汚染されたら萩生川西地区の農業地帯のあちこちから汚染した地下水が浸み出しているのがいつ公になるかもしれないのだから、今のうちに汚染原因物質を撤去するのが根本的な対策なのではないのか。さもないと、同地区の営農環境は壊滅的ダメージを被り、取り返しのつかない事態を招くのではないか。
被告はさらに続けて、「また、支障を除去する方法の選択の観点からも、大同特殊鋼株式会社から排出された鉄鋼スラグが混合されているブレンド骨材が下層路盤材等に使用された問題に関しては、技術的な基準が規定されている土壌汚染対策法を参考に、使用された場所ごとに鉄鋼スラグの性状や使用状況等に応じて対応策を検討するのが相当であるところ、本件農道舗装工事は、環境省が定めた「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)」(乙22)に準拠しており、支障の程度及び状況に応じ、その支障を除去し又は 発生を防止するために必要であり、経済的にも技術的にも最も合理的な手段といえる。したがって、本件農道に関しては、「生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがある場合」(廃棄物処理法19条の5第1項柱書)の要件を充たさず、また、本件農道舗装工事は「必要な限度」(同法19条の5第1項柱書)の措置と認められ,最少経費最大効果の原則に反しない。」とその主張を陳述している。
原告は被告の主張に対して次の通り反論する。
甲58号証は被告が示した乙22号証「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)」の冒頭部分であるが、そこには「1.1.1 土壌汚染対策法の目的」が示されている。それによると、まず「『①新たな土壌汚染の発生を未然に防止する』ために、廃棄物の処理及び清掃に関する法律により対処することになる。」と書かれている。
大同特殊鋼株式会社から排出された大同スラグが混合されているブレンド骨材が下層路盤材等に使用された問題に関して、支障を除去する方法の選択の観点からは 、「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)」の目的が示す通り、汚染源たる有害な大同スラグを廃棄物の処理及び清掃に関する法律により対処する。具体的には撤去のうえ適切な処理施設に処理することが 、その支障を除去し又は発生を防止するために、経済的にも技術的にも最も合理的な手段といえる。汚染が土壌や地下水に広がってからでは、撤去する物質の量が莫大になり経済的であるはずがない。
そもそも被告は、「1.1.1 土壌汚染対策法の目的」①に示された土壌汚染源たる大同スラ
<P11>
グの対処を怠っていることを、深く肝に銘じなければならない。
4 「第4 小括」への原告の反論
被告は「第4 小括」として「以上のとおり、本件農道のブレンド骨材の敷設又は舗装は、廃棄物処理法上の改善命令(同法19条の3)は対象外であり、また、措置命令(同法19条の5)本件農道に関しては ,「生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがある場合」(廃棄物処理法19条の5第1項柱書)の要件を充たさず、また、本件農道舗装工事は「必要な限度」(同法19条の5第1項柱書)の措置といえるため、最少経費最大効果の原則に反しないことは明らかというべきである。」とその独自の主張で締めくくっている。
原告はこの被告の呆れた主張に対して次の通り反論する。
甲70号証に報道された小林製工運送の最終処分場に改善命令を発出したように、本件農道に廃棄物が不適切に敷設されているので、なるべく早く廃棄物処理法よる措置命令を発出してもらいたい。
5 「第5 本件鉄鋼スラグが特別管理産業廃棄物に当たらないこと」への原告の反論
被告は末尾に「なお、原告らは、原告らの平成29年3月31日 付け準備書面(13)及び同年5月31日付け準備書面(14)において、本件鉄鋼スラグにはフッ素が含まれているから特別管理産業廃棄物(廃棄物処理法第2条第5項)に該当する旨主張する。しかし、「鉱さい」の特別管理産業廃棄物該当性については、廃棄物処理法施行令第2条の4第5号へが、第2条第88に掲げる廃棄物(事業活動に伴って生じたものに限る。以下「鉱さい」という。)(環境省令で定める基準に適合しないものに限る。)及び当該鉱さいを処分するために処理したもの(環境省令で定める基準に適合しないものに限る。)と規定し、これを受けて、廃棄物処理法施行規則第1条の2第8項が令第2条の4第5号への鉱さいに係る環境省令で定める基準は、当該鉱さいに含まれる判定基準省令別表第一の一の項から二の項まで、五の項、六の項及び二三の項の第一欄に掲げる物質ごとにそれぞれ当該各項の第二欄に掲げるとおりとし、令第2条の4第 5号への鉱さいを処分するために処理したものに係る環境省令で定める基準は、当該処理したものが、廃酸又は廃アルカリの場合は当該廃酸又は廃アルカリに含まれる別表第二の一の項から二の項まで、五の項、六の項及び二二の
<P12>
項の第一欄に掲げる物質ごとにそれぞれ当該各項の第二欄に掲げるとおりとし、廃酸又は廃アルカリ以外の場合は当該処理したものに含まれる判定基準省令別表第六の一の項から三の項まで、五の項、六の項及び二三の項の第二欄に掲げる物質ごとにそれぞれ当該各項の第三欄に掲げるとおりとすると規定している。そして、上記規定において委任されている判定基準省令とは、「金属等を含む産業廃棄物に係る判定基準を定める省令」であるところ、この別表第一の一の項から三の項まで、五の項、六の項及び二三の項にはフッ素は挙げられていない。したがって、フッ素が含まれているから特別管理産業廃棄物に該当する旨の原告らの主張は誤りである。」と、これまた独自の主張を陳述している。
これに対して原告は次の通り反論する。
原告も別表にフッ素が挙げられていないことは、既に読み込み済みである。しかし、本件鉄鋼スラグは次の事由を鑑みれば、誰が何を言おうと特別管理産業廃棄物に該当するのである。
①廃棄物処理法第2条第5項が「この法律において『特別管理産業廃棄物』とは、産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものとして政令で定めるものをいう。」と規定し、産業廃棄物には特別管理産業廃棄物とそれ以外の産業廃棄物の二種類しかないこと。
②甲48号証に環境基本法(平成5年法律第91号)第16条第1項による土壌の汚染に係る環境上の条件につき、人の健康を保護し、及び生活環境を保全するうえで維持することが望ましい基準が示されていること。なお、これは環境省の告示である。
③甲62号証に同じ「鉱さい」の分類である石綿含有廃棄物を溶融したことにより生じた「鉱さい」にフッ素の基準値が示されていること。基準値を下回れば廃棄物施行令第6条第1項第三号イに掲げる安定型産業廃棄物として環境大臣が指定する産業廃棄物になるという環境省の告示であるが、廃棄物施行令第6条第1項第三号イには、それが特別管理産業廃棄物以外のものという説明が記述されていること。
被告は、「(原告は)準備書面(14)において、本件鉄鋼スラグにはフッ素が含まれているから特別管理産業廃棄物(廃棄物処理法第2条第5項)に該当する旨主張する。」と主張する。だが原告としては、そんな単純な理由により主張するのではない。
本件鉄鋼スラグ=大同スラグにより土壌を汚染するおそれがあり、さらに地下水をも汚染するおそれがあるのであるから、廃棄物処理法第2条第5項に規定する、人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有しているから特別管理産業廃棄物に該当
<P13>
する旨、原告として主張するものである。
甲31号証で「フッ素により土壌を汚染するおそれがある」と述べたのは被告群馬県である。「おそれ」があれば、廃棄物処理法は特別管理産業廃棄物だと法定されている。
第3 まとめ
萩生川西地区の農道には大同特殊鋼渋川工場から排出された有害な大同スラグが大量に敷設してあり、敷砂利工か下層路盤工かにかかわらず、小林製工運送の最終処分場のように地下水汚染を引き起こす可能性が高い。
どうやら被告群馬県は大同スラグに対し、特別な忖度があるように推察されるが、今対策しなければ同地区の営農環境は壊滅的被害を受けることになる。今回、大同スラグの撤去対策を実施せずに先送りした場合、安全・安心な生活環境への支障の除去を将来にわたり担保することは、技術的にも予算的にも容易ではない。次の世代に負の遺産を遺そうとせず、被告は、本件農道現場のみならず県内各地の同様な大同スラグの敷設現場において、今すぐ原因者に大同スラグを撤去させるよう命じなければならない。
そして、東吾妻町の本件農道については、大同スラグの撤去を命じると共に、原告の再三の要請を無視して本件農道舗装工事を決裁した吾妻農業事務所長に対して、被告は本件工事で支出した公金分を損害賠償請求しなければならない。
以上
*****証拠説明書(甲70~73)*****PDF ⇒ b7073170831ver4.pdf
事件番号 平成27年(行ウ)第7号 住民訴訟事件
原告 小 川 賢 外1名
被告 群馬県知事 大澤正明
平成29年8月31日
前橋地方裁判所民事2部合議係 御中
証拠説明書(甲70~73)
原告 小 川 賢 ㊞
原告 鈴 木 庸 ㊞
●号証:甲70
〇標目:新聞記事(平成29年8月24日付朝日新聞朝刊群馬版)
〇原本・写しの別:写し
〇作成年月日:平成29年8月24日
〇作成者:朝日新聞社
〇立証趣旨:専ら大同特殊鋼渋川工場から出た鉄鋼スラグなどを埋め立てている最終処分場で、直下の地下水から環境基準の8倍を超える有害物質が検出されたとする新聞記事。スラグが埋設された最終処分場から地下水汚染が発覚したことで、萩生川西地区に敷設されたスラグからも地下水を汚染することが容易に想定できる。
●号証:甲71
〇標目:小林製工運送㈱の特定事業許可に係る申請書類に関する公文書部分開示決定通知書と関連文書(抜粋)
〇原本・写しの別:写し
〇作成年月日:平成29年7月24日
〇作成者:被告廃棄物・リサイクル課
〇立証趣旨:1頁:被告の公文書部分開示決定通知書により公表された書類である。即ち被告が保有している情報が部分開示されたことを示す。
2頁:最終処分場の地域住民から事前に受けた問い合わせに対する大同特殊鋼からの回答を示す。
・専ら大同特殊鋼から排出されているもののみが搬入されていることが分かる。
・鉱さいについて、一部埋め立てている他は殆ど全て工場内でリサイクルしていることが記載され、廃棄物を無許可でリサイクルしていることをほのめかしている。即ち、実態と異なる説明が記されている。
・処分場の経緯が記載されているが、改善命令を受けていた事実について何の記述もなく、当該事実に触れられていない。
3頁:小林製工運送が平成22年12月7日付で被告に提出した産業廃棄物処理施設変更申請書を示す。
・処理する産業廃棄物の種類に鉱さい(無害)をはじめ無害を強調するものばかり記載されているが、無害のものからなぜか地下水が汚染されてしまったわけで、大同スラグの有害性の実態がまざまざと露呈したことが分かる。
・変更の理由に平成10年の新構造基準にあわせて安全性を高めるためとあるだけで、被告群馬県から改善命令を受けたことには微塵も触れられていない。被告は当然このことを知っていながら、黙認していたことが分かる。
4頁:大同特殊鋼が平成20年7月19日に群馬県に提出した計量証明書。処分場の浸出水から環境基準値を超えるフッ素9.3mg/L、六価クロム0.44mg/Lが検出されていることが分かる。この二つの有害物質は大同特殊鋼由来のスラグから特徴的に検出されている。
●号証:甲72
〇標目:地下水の水質汚濁に係る環境基準(抜粋)
〇原本・写しの別:写し
〇作成年月日:平成9年3月13日
〇作成者:環境庁(現・環境省)
〇立証趣旨:環境基本法第16条の規定に基づく水質汚濁に係る環境上の条件のうち、地下水の水質汚濁に係る環境基準。「第1 環境基準」に「すべての地下水につき」とあり、最終処分場であろうと萩生川西地区の農道であろうが、六価クロムやフッ素の環境基準がどの地下水に対しても適用されなければならないことが分かる。
●号証:甲73
〇標目:【8月4日】産業廃棄物処理業者に対する行政処分について
〇原本・写しの別:写し
〇作成年月日:平成28年8月3日
〇作成者:被告廃棄物・リサイクル課
〇立証趣旨:(株)佐藤建設工業が産業廃棄物の運搬や処分の許可を、被告から取消される行政処分を受けたことが分かる。これにより、萩生川西地区の農道に敷設されたスラグが許可の範囲を超えた不適法な廃棄物であることや、(株)佐藤建設工業は産業廃棄物処理基準が適用される者であることが分かる。
以 上
*****甲70号証*****
PDF ⇒ b70vl.pdf
*****甲71号証*****
PDF ⇒ b71hj.pdf
*****甲72号証*****
PDF ⇒ b72n.pdf
*****甲73号証*****
PDF ⇒ b73hs.pdf
**********
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/5e/e96c671d1f3e060e74c222ee96fd5f17.jpg)
↑東吾妻町萩生川西地区での大同有毒スラグ不法投棄にかかる住民訴訟の第11回口頭弁論が開かれた前橋地裁。↑
当日朝、地裁1階ロビーに張り出された開廷表には次の事案が書かれていました。当会の事案は本日の21号法廷における午前中の唯一の審理事案です。いつものように9時50分に法廷の傍聴席入り口ドアの鍵が開けられると、さっそく中に入りました。
*****開廷表*****
第21号法廷(本館2階)開廷表
平成29年9月8日 金曜日
●開始/終了/予定 10:00/10:10/弁論
○事件番号/事件名 平成27年(行ウ)第7号/住民訴訟事件
○当事者 小川賢 外/群馬県知事大澤正明
○代理人 ― /関夕三郎
○担当 民事第2部合議係
裁判長 菅家忠行
裁判官 佐藤 薫
裁判官 金澤 康
書記官 清宮貴幸
●開始/終了/予定 13:10/13:20/弁論(判決言渡)
○事件番号/事件名 平成28年(ワ)第395号/損害賠償請求事件
○当事者 中澤とよ子/柴田忍
○代理人 安倍明/村上大樹
○担当 民事第2部合議係
裁判長 菅家忠行
裁判官 佐藤 薫
裁判官 金澤 康
書記官 清宮貴幸
●開始/終了/予定 13:10/13:20/弁論(判決言渡)
○事件番号/事件名 平成29年(ワ)第80号/損害賠償請求事件
○当事者 吉田智明/国
○代理人 ― /益子浩志
○担当 民事第2部合議係
裁判長 菅家忠行
裁判官 佐藤 薫
裁判官 金澤 康
書記官 清宮貴幸
●開始/終了/予定 13:10/13:20/弁論
○事件番号/事件名 平成29年(ワ)第229号/損害賠償等請求事件
○当事者 海老根篤/阿左美守
○代理人 ― /臼田佳充
○担当 民事第2部合議係
裁判長 菅家忠行
裁判官 佐藤 薫
裁判官 金澤 康
書記官 清宮貴幸
●開始/終了/予定 13:10/13:20/弁論
○事件番号/事件名 平成29年(ワ)第230号/損害賠償等請求事件
○当事者 海老根篤/宮崎武
○代理人 ― /臼田佳充
○担当 民事第2部合議係
裁判長 菅家忠行
裁判官 佐藤 薫
裁判官 金澤 康
書記官 清宮貴幸
●開始/終了/予定 13:10/13:20/第1回弁論
○事件番号/事件名 平成29年(ワ)第310号/損害賠償請求事件
○当事者 飛田隼人 外/深山工業株式会社 外
○代理人 勝浦教嗣/上野猛
○担当 民事第2部合議係
裁判長 菅家忠行
裁判官 佐藤 薫
裁判官 金澤 康
書記官 清宮貴幸
**********
■10時きっかりに、裁判長が2名の裁判官を従えて入廷してきました。全員起立して礼をしたあと、さっそく審理が開始されました。
裁判長:おはようございます。
原告・被告:おはようございます。
書記官:平成27年行ウ第7号。
裁判長:それでは、提出していただいたものから、順番から言うと被告の準備書面、第10準備書面が提出されています。この通り陳述しますか?
被告:はい、陳述します。
裁判長:はい。書面としては原告のほうでも、準備書面(15)を提出していただいています。このとおりということでよろしいですか?
原告:ええ、あのう、陳述に先立って1か所訂正させてください。頁13分の6。6ぺージ目の上から3行目の冒頭です。すいません。「原告」と「被告」をミスタイプしてしまったので、これを「被告」と、「被」というふうに、「原」を替えていただけますか? 以上です。
裁判長:はい、この2の中身の1行目のところですね?
原告:そのとおりです。
裁判長:上から3行目ですね?
原告:はい。それを踏まえたうえで、陳述したいと思います。
裁判長:それでは、証拠の追加の、乙号証は25と26まで写しで提出ということでよろしいですかね?
被告:はい。
裁判長:それから甲号証が70から73まで。こちらも写しということですねよろしいですか?
原告:はい、いずれも写しで提出します。
裁判長:さてと、それでひととおりの主張、立証はいただいていると思うが、裁判所のほうで、あらためて記録を検討してもし何か補充していただくところがあればさらに補充をしていただくと。で、それがなければ、そろそろ判断をさせていただこうかなと思っているので、次回の弁論期日を決めて、あらためて、その間、記録を精査させていただいて、補充事項があればご連絡を差し上げるということでよろしいでしょうかね?
被告:・・・。
原告:はい、わかりました。
裁判長:そういう方向にいたします。それで、ちょっと検討が、最終検討になるので、次回期日を11月に入れようかと思います。11月の10日。あるいは24あたり、いかがでしょうかね。10日いかがですか?
被告・原告:大丈夫です。
裁判長:10時でよろしいでしょうか。
被告・原告:はい。
裁判長:では、次回期日は11月10日の午前10時ということにします。補充いただくことがなければ、そこで請求を検討して、あとは判決ということになります。
被告:・・・。
原告:はい、了解です。
裁判長:では、きょうのところはこれで終わりにします。
<当会注:以上の内容は、法廷に出席した当会の代表と副代表、そして傍聴していた当会会員のメモ及び記憶をもとに記載したものであり、正式な内容は裁判所の調書によります。>
■以上のように、今回の第11回口頭弁論は、3分足らずで終了しました。この後、裁判所から、補充要請があれば直ちに対応する所存ですが、上記のとおり、11月10日(金)午前10時からの次回第12回口頭弁論で結審の公算が非常に強くなりました。次回結審した場合、判決は今年度中、すなわち来年3月末までには出されることになると思われます。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
※参考資料:「第11回口頭弁論で陳述及び提出された裁判資料」
●被告第10準備書面
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/0f/b1ac7c6df3e28530227ef41f9959e300.jpg)
*****被告第10準備書面*****PDF ⇒ 2017081610.pdf
<P1>
前橋地方裁判所(清宮書記官)御中:FAX 027-233,0901
石原・関・猿谷法律事務所 街中 :FAX 027-230-9622
平成27年(行ウ)第7号 住民訴訟事件
原告 小川賢,外1名
被告 群馬県知事大澤正明
第10準備書面
平成29年8月16日
前橋地方裁判所民事第2部合議係御中
被告訴訟代理人弁護士 関 夕 三 郎
同 弁護士 笠 本 秀 -
同 指定代理人 富 澤 貞 夫
同 指定代理人 澤 下 勲
同 指定代理人 稲 本 一 秀
同 指定代理人 篠 原 孝 幸
同 指定代理人 油 井 祐 紀
同 指定代理人 安 藤 敏
<P2>
第1 はじめに
本準備書面は,原告らの平成29年3月31日付け原告準備書面(13),同年5月31日付け原告準備書面(14)及び同年6月16日の口頭弁論における原告らの弁論内容を踏まえ,これに反論するものである。
原告らの上記主張の趣旨は,要するに,本件農道の下層路盤材として用いられたブレンド骨材に含まれている鉄鋼スラブは特別管理産業廃棄物に該当するので,廃棄物処理法上の改善命令(廃棄物処理法19粂の3),措置命令(同法19条の5及び同条の6)により撤去されなければならなかったのであり,撤去せずに本件長道舗装工事を行ったことは最少経費最大効果の原則に反するというものと解される。
しかし,以下に述べるとおり,本件農道の下層路盤材として用いられたブレンド骨材に含まれている鉄鋼スラブが特別管理産業廃棄物に該当するとしても,廃棄物処理法上の改善命令や措置命令によって当然に撤去が求められるわけではなく,本件農道に関しては,撤去せずに舗装工事を施工することにも合理性があったから,本件農道舗装工事は最少経費最大効果の原則に反しないものというべきである。
第2 改善命令(廃棄物処理法19条の3)について
1 改善命令(廃棄物処理法19条の3)とは,事業者や廃棄物処理業者等で産業廃棄物処理基準又は産業廃棄物保管基準が適用される者により,当該基準に適合しない廃棄物の保管,収集,運搬又は処分が行われた場合に,市町村長や都道府県知事等において,当該者に対し,廃棄物処理の方法の変更その他必要な措置を講ずべきことを命ずるものである。
この改善命令は,公衆衛生の向上や生活環境の保全を目的として,将来に向け再びその違法な処理状態そのものが継続しないようにするものである(乙25・375頁参照)。
2 これを本件についてみると,本件長道の下層路盤材として用いられているブレンド骨材に含まれる鉄鍋スラグの敷設又は舗装については,産業廃棄物処理
<P3>
基準又は産業廃棄物保管基準が適用される者の行為でないため,改善命令の対象ではない。
第3 措置命令(廃棄物処理法19条の5及び同条の6)について
1 産業廃棄物に係る措置命令は,産業廃棄物の既に行われた違法な処理に起因して生活環境の保全上支障が生じ,又は生ずるおそれがある場合に支障を除去するため,違法な処理をした者や違反行為に関与した者に対し,必要な措置を命ずるものである(廃棄物処理法19粂の5,乙25・383ないし384頁参照)。
また,排出事業者に対しては,違反行為への関与がない場合であっても,一定の要件の下に措置命令を発することができるものとされている(同法19条の6,乙25・386頁参照)。
2 措置命令を発令する要件である「生活環境の保全上支障が生じ,又は生ずるおそれがあると認められるとき」(廃棄物処理法19条の5第1項柱書)とは,人の生活に密接な関係かおる環境に何らかの支障が現に生じ,又は社会通念上そのおそれがあると思料するに相当な状態が生ずることをいうものと解されている(乙25・378頁)。
また,措置命令は,「必要な限度において」(開法19条の5第1項柱書)発令することが認められているところ,この点に関しては,支障の程度及び状況に応じ,その支障を除去し又は発生を防止するために必要であり,かつ経済的にも技術的にも最も合理的な手段を選択して措置を講ずるように命じなくてはならないものとされ,具体的には,例えば,最終処分場において,浸出液により公共の水域を汚染するおそれが生じている場合には,遮蔽工事や浸出液処理施設の 維持管理によって支障の発生を防止できるときは,まずその措置を講ずるように命ずるべきであって,これらの方法によっては支障の発生を防止できないときに初めて,処分された廃棄物の撤去を命ずるべきであると解されている(乙26・27頁)。
3 これを本件についてみると,まず,本件農道の下層路盤材に混合されている鉄
<P4>
鋼スラグに起因して,人の生活に密接な関係がある環境に何らかの支障が現に生じている事実はない。そこで,通常人をしてそのおそれがあると思わせるに相当な状態が生じているかを検討すると,①萩生川西地区県営農地整備事業の中で本件農道整備工事と同時期に施工された無道から試料を採取して実施した調査において,いずれも基準値<※脚注:1>を下回っていたこと(乙14・25頁),②これまで,大同特殊鋼株式会社から排出された鉄鍋スラグが混合されているブレンド骨材が使用された群馬県内の場所に関し,土壌汚染対策法に沿って実施された地下水検査においてこれまでに基準値を超過した地点はないこと,③原告らの主張も,「これから先,何年にも渡って起こる可能性を孕む新たな土壌汚染の発生」(原告らの平成29年3月31日付け原告準備書面(13)5頁・15行目),「土の部分から雨水が浸入し,ブレンド骨材の有害物質が新たな土壌汚染や地下水汚染を引き起こす恐れがある。」(同7頁7行目以下),「擦り付けた土は厚さが薄く,いずれ浸食によりブレンド骨材が露出する恐れがある」(同8頁下から3行目)などを総合すると,通常人をして人の生活に密接な関係がある環境に何らかの支障が生ずるおそれがあると思わせるに相当な状態が生じているとは言えない。
また,支障を除去する方法の選択の観点からも,大同特殊鋼株式会社から排出された鉄鋼スラグが混合されているブレンド骨材が下層路盤材等に使用された問題に関しては,技術的な基準が規定されている土壌汚染対策法を参考に使用された場所ごとに鉄鋼スラグの性状や使用状況等に応じて対応策を検討するのが相当であるところ,本件農道舗装工事は、環境省が定めた「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)」(乙22)に準拠しており,支障の程度及び状況に応じ,その支障を除去し又は発生を防止するために必要であり,経済的にも技術的にも最も合理的な手段といえる。
したがって,本件農道に関しては,「生活環境の保全上支障が生じ,又は生ずるおそれがある場合」(廃棄物処理法19条の5第1項柱書)の要件を充たさず,
<※P4脚注:1>ここで採用された基準値は,JIS A5015道路用鉄鋼スラグ環境安全品質基準及び土壌汚染対策法施行規則の定める基準値である(乙14・3頁)。
<P5>
また,本件農道舗装工事は「必要な限度」(同法19条の5第1項柱書)の措置と認められ,最少経費最大効果の原則に反しない。
第4 小括
以上のとおり,本件長道のブレンド骨材の敷設又は舗装は,廃棄物処理法上の改善命令(同法19状の3)は対象外であり,また,措置命令(同法19条の5),本件農道に関しては,「生活環境の保全上支障が生じ,又は生ずるおそれがある場合」(廃棄物処理法19粂の5第1項柱古)の要件を充たさず,また,本件農道舗装工事は「必要な限度」(同法19条の5第1項往古)の措置といえるため,最少経費最大効果の原則に反しないことは明らかというべきである。
第5 本件鉄鋼スラグが特別管理産業廃棄物に当たらないこと
なお,原告らは,原告らの平成29年3月31日付け準備書面凱及び同年5月31日付け準備書面(14)において,本件鉄鋼スラグにはフッ素が含まれているから特別管理産業廃棄物(廃棄物処理法第2条第5項)に該当する旨主張する。
しかし,「鉱さい」の特別管理産業廃棄物該当性については,廃棄物処理法施行令第2粂の4第5号へが,
第2条第8号に掲げる廃棄物(事業活動に件って生じたものに限る。以下「鉱さい」という。)(環境省令で定める基準に適合しないものに限る。)及び当該鉱さいを処分するために処理したもの(環境省令で定める基準に適合しないものに限る。)
と規定し,これを受けて,廃棄物処理法施行規則第1条の2第8項が
令第2条の4第5号への鉱さいに係る環境省令で定める基準は,当該鉱さいに含まれる判定基準省令別表第一の一の項から三の項まで,五の項,六の項及び二三の項の第一欄に掲げる物質ごとにそれぞれ当該各項の第二欄に掲げるとおりとし,令第2条の4第5号への鉱さいを処分するために処理したものに係る環境省令で定める基準は,当該処理したものが,廃酸又は廃アルカリの場合は当該廃酸又は廃アルカリに合まれる
<P6>
別表第二の一の項から三の項まで,五の項,六の項及び二三の項の第一欄に掲げる物質ごとにそれぞれ当該各項の第二欄に掲げるとおりとし,廃酸又は廃アルカリ以外の場合は当該処理したものに含まれる判定基準省令別表第六の一の項から三の項まで,五の項,六の項及び二三の項の第二欄に掲げる物質ごとにそれぞれ当該各項の第三欄に掲げるとおりとする。
と規定している。そして,上記規定において委任されている判定基準省令とは,「金属等を含む産業廃棄物に係る判定基準を定める省令」であるところ,この別表第一の一の項から三の項まで,五の項,六の項及び二三の項にはフッ素は挙げられていない。
したがって,フッ崇が含まれているから特別管理産業廃棄物に該当する旨の原告らの主張は誤りである。
以上
*****証拠説明書(乙25~26)*****JPEG ⇒ 2017081609.jpg
平成27年(行ウ)第7号住民訴訟事件
原告 小川賢,外1名
被告 群馬県知事 大澤正明
証拠説明書(乙25~26)
平成29年8月16日
前橋地方裁判所民事第2部合議係 御中
被告訴訟代理人弁護士 関 夕 三 郎
同 弁護士 笠 本 秀 一
●号証:乙25
〇標目:廃棄物処理法の解説[平成24年度版](抜粋)
〇原本・写しの別:写し
〇作成年月日:H24.12.25
〇作成者:一般財団法人日本環境衛生センター
〇立証趣旨:廃棄物処理法上の改善命令及び措置命令の概要
●号証:乙26
〇標目:行政処分の指針について
〇原本・写しの別:写し
〇作成年月日:H25、3.29
〇作成者:環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課長
〇立証趣旨:改善命令及び措置命令に関する概要及び処分の指針など
*****書証目録******
前橋地方裁判所
平成27年(行ウ)第7号 住民訴訟事件
書 証 目 録
乙第25号証 及び 乙第26号証
上記正写致しました
弁護士 関 夕 三 郎
*****乙25号証*****
PDF ⇒ 20170816_otsu_no25_1of3.pdf
20170816_otsu_no25_2of3.pdf
20170816_otsu_no25_3of3.pdf
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*****乙26号証*****
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20170816_otsu_no26_2of2.pdf
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●原告準備書面(15)
*****原告準備書面(15)*****PDF ⇒ 20170831i15jver4imow.pdf
<P1>
事件番号 平成27年(行ウ)第7号 住民訴訟事件
原告 小 川 賢 外1名
被告 群馬県知事 大澤正明
平成29年8月31日
前橋地方裁判所民事2部合議係 御中
原告準備書面(15)
原告 小 川 賢 ㊞
原告 鈴 木 庸 ㊞
平成29年8月16日付の被告第10準備書面のあと、あらたな重大事実が判明したので必要な補充を加えたうえで、原告は、被告第10準備書面に対して次の通り反論する。
第1 新たな重大事実の判明によるスラグ撤去の緊急必要性
萩生川西地区に敷設された大同特殊鋼渋川工場から排出された有害な鉄鋼スラグ(以下「大同スラグ」という。)の撤去すべき根拠について、あらたな重大事実が判明したので、必要な補充を加えるべく次のとおり陳述する。
1 鉱さいという廃棄物に分類される大同スラグは、適正に処理しなければ、地下水汚染を確実に誘発すること。
渋川市金井にある「小林製工運送」の最終処分場が地下水汚染を引き起こしていることが報道されている(甲70号証)。その報道では、この処分場は専ら大同スラグなどの産業廃棄物を埋め立てていることが説明されている。この最終処分場において、専ら大同特殊鋼の廃棄物を埋め立てていたことは地元説明資料(甲71号証)の中でも、埋め立てた廃棄物の種類とともに記述されている(同号証2頁)。
報道によればこの最終処分場は、業者が水を通さない「不透水層」より上に廃棄物を埋め立てる計画だったのに計画を逸脱して層より下に埋め立てたことを理由に被告群馬県より
<P2>
2005年、に改善命令の行政処分を受けている。だが不思議なことに改善命令から12年経た2017年4月被告群馬県の調べで環境基準の8倍超の地下水汚染が検出され、8月になって新聞報道により、我々住民は汚染の事実をようやく知るところとなった。
2 最終処分場に埋め立てられていた廃棄物
計画を逸脱して地下水脈より深く廃棄物を埋め立てていても、コンクリートなど無害な廃棄物であれば地下水汚染にはつながらず、改善命令により撤去すれば生活環境に影響はないはずである。
どのような廃棄物が入っていたのか。このことについて、情報公開により入手された「廃棄物処理施設変更申請書」に記載がある(甲71号証3頁)。これによると「鉱さい(無害)」「汚泥(無害)」「がれき類」など無害な物が処理(最終埋設処分)されていることが分かる。被告群馬県は大同特殊鋼が大同スラグを「鉱さい」という廃棄物として長年埋め立てていた事を知っていたことになり、甲5号証及び甲31号証のスラグ混合砕石の廃棄物認定がもっと早期に行われれば、萩生川西地区の農道が廃棄物まみれにならなかったと思うと、原告のみならず群馬県民として悔しくてならない。
ちなみに、甲5号証の場合は平成26年4月22日付であり、原告は後日この書類を確認することができたが、甲5号証が発出された直後の平成26年5月ごろ中央混合所(東吾妻町箱島にある佐藤建設工業の所有地を大同特殊鋼が借りて大同スラグと天然砕石を混合していた施設。中央橋混合所と呼ばれることもある)に「鉱さい」「産業廃棄物置場」と描かれた看板が掲げられた。これを見て原告は、吾妻農業事務所に「(大同スラグは)廃棄物だから撤去してほしい」とお願いをしたわけだが、吾妻農業事務所はこれを無視して農道舗装工事を強行した。
なお、甲31号証の場合は平成27年9月11日であり、この日、被告群馬県は大同スラグを「廃棄物」と認定して調査結果を公表した。
ところでこれに関連して不思議なことがある。甲71号証2頁目の地元説明資料の「(2)埋め立てている産業廃棄物とその具体例」の項には、
名称:鍛造スケール<鉱さい>
どんなものか:鋼塊を加熱する時に表面に付着する酸化物で錆のような物。ほとんどはリサイクルしていますが一部埋め立てています。
の記載がある。このように、大同スラグが廃棄物として最終処分している実態が歴然とあるのに、この廃棄物と同様であるものを、リサイクルする場合になぜ許可を取らないのか?
例えば、廃コンクリートやコンクリート廃材などは管理型処分場に最終処分することも可能である。しかし莫大な量になるため、県の許可を基に破砕という中間処理を施すことにより、再生砕石としてリサイクルすることが国をあげて進められている。
この例に倣って、最終処分場に鉱さいとして捨てていた大同スラグをリサイクルしたか
<P3>
ったらしかるべき許可を取ればよかったではないか?ということになる。
この観点から言えば、確かに被告群馬県県土整備部は平成22年10月22日付でいわゆる「倉嶋通知」と呼ばれる大同スラグの使用を推進する文書を県庁及び県内の出先機関等に配信した(甲9号証)。しかし一方で、平成22年12月7月付の甲71号証「産業廃棄物処理施設変更許可申請書」が被告に提出されて許可が出されているのである。
被告群馬県は、大同スラグが鉱さいという分類の廃棄物であることを知っていたのであるから、大同特殊鋼や佐藤建設工業が、最終処分場に一部埋設処分すべき鉱さいをリサイクルするには、廃棄物として認識したうえで廃棄物処理法所定の許可を取るべきであり、被告もそのように指導監督するべきであった。なぜなら、被告群馬県環境部局は、小林製工運送の最終処分場の変更申請書類などを通じて、有毒物質による環境基準値を大幅に超える地下水の深刻な汚染状況など、大同スラグが有害な産業廃棄物であることを知り得る立場にあったからである。
3 廃棄物処理施設変更の理由
改善命令は2005年つまり平成15年に発出されているようであるが、甲71号証2頁の地元説明資料の「3.処分場の経緯」には改善命令の記述はない。改善命令により施設を変更する際には、地元に説明をするはずであるし、監督官庁の群馬県環境部局にも変更申請をするはずである。
平成22年日付の「廃棄物処理施設変更申請書」(甲71号証3頁)には、変更の理由が記載されている。
【変更の理由】平成10年6月に公布された新構造基準にあわせて人口の遮水層による安全性を高めるため
上記の記載に改善命令の記述はなく「計画を逸脱」などの文言も見当たらない。平成10年・平成15年・平成22年と時系列的にも間隔が空くことも加味すれば、当該新聞報道と比べると大変不自然であり、被告群馬県の対応姿勢には、大きな疑問を抱かざるを得ない。
4 地下水汚染の状況
新聞記事(甲70)では「今年4月、地下水から環境基準の8倍超にあたる1リットル当たり0・42ミリグラムの六価クロムが検出された。」と報道されている。
原告はこれとは別に情報公開請求により得られた、この最終処分場が群馬県に年1回提出するこの浸出水検査結果を入手した(甲71号証4頁)。群馬県が改善命令を発出したとする平成15年(2005年)より後の平成20年の数値である。
それによると、六価クロムが0.44mg/L検出されおり、当該新聞報道と近似値を示している。またフッ素が9.3mg/Lも検出されている。これは全ての地下水の基準値(甲
<P4>
72号証)の11.6倍に相当する驚愕すべき数値である。当該新聞報道では分からなかったが、この最終処分場の地下水汚染は六価クロムとフッ素の汚染が顕著であり、国土交通省が発表したスラグ混合砕石の有毒物質検査(甲7号証)と同様の特徴を示し、地下水汚染が「鉱さい」という分類の大同スラグを起因とすることが分かった。
5 萩生川西地区のスラグを放置すれば、スラグ最終処分場と同様の被害を招くと考える
この最終処分場は、平成29年4月に至っても地下水汚染が改善されていないことを鑑みると、今も工事中で地下水汚染対策に苦しんでいる状況が推察できる。地下水汚染が収まらなければ、遮水シートなどを設置することはできず、平成10年の新構造基準に合わせた安全性を担保することはできず(甲71号証3頁の変更の理由)、廃棄物から浸み出した液なのか地下水なのか区別できる状況ではないからである。
この状況を萩生川西地区に当てはめると、
① まず萩生農道下には遮水シートなど平成10年の新構造基準に合わせ安全性を高める設備はないこと。農道は最終処分場ではないので、けだし当然であること。
② また甲64号証の環境科学の専門家の知見にもあるとおり、農道アスファルト舗装や薄い盛り土を施しても水が遮断されることはなく、地下水汚染が何年にもわたり起きる可能性があること。
という二つの事実を指摘できるので、小林製工運送の最終処分場のように、取り返しのつかない地下水汚染を引き起こす可能性が大である。
第2 被告第10準備書面に対する反論
1 「第1 はじめに」への原告の反論
被告は冒頭で「本準備書面は、原告らの平成29年3月31日付け原告準備書面(13)、同年5月31日付け原告準備書面(14)及び同年6月16日の口頭弁論における原告らの弁論内容を踏まえ、これに反論するものである。」として、次のように陳述している。
「原告らの上記主張の趣旨は、 要するに、 本件農道の下層路盤材として用いられたブレンド骨材に含まれている鉄鋼スラグは特別管理産業廃棄物に該当するので、廃棄物処理法上の改善命令(廃棄物処理法19条の3)、措置命令(同法19条の5及び同条の6)により撤去されなければならなかったのであり、撤去せずに本件農道舗装工事を行ったことは最小経費最大効果の原則に反するものと解される。」
これに対して原告は次の通り反論する。
<P5>
原告は原告準備書面(13)12頁で「被告が“ブレンド骨材”と称する大同特殊鋼由来のスラグは、群馬県が廃棄物と認定しているものである(甲5号証・甲31号証)。環境基準を超えても超えていなくても、萩生農道に敷設された状況は不適正であるので、原因者の負担で撤去の上、廃棄物処理法施行令第7条第1項のいずれかの処理施設に適正に処理しなければならない。」と述べた。
要するに原告の言いたいことは、適正に大同スラグを処理していただきたい、ということなのである。
特にその際、撤去した廃棄物について環境調査を行い、有害物質が基準値を超えて含まれていれば、大同スラグは特別管理産業廃棄物に該当するので、同施行令第7条第1項第14号イに定める遮断型最終処分場に最終処分することになる。
甲31号証で「フッ素により土壌を汚染するおそれがある」と述べたのは、そもそも被告群馬県であった。特別管理産業廃棄物であれば、特に注意して取り扱わなければならない。
廃棄物処理法上の改善命令(廃棄物処理法19条の3)、措置命令(同法19条の5及び同条の6)などを駆使して、廃棄物を撤去しなければならない。廃棄物の適正処理なくして環境上周辺住民の生活の安全は図られたものとは言えなし、廃棄物が不適正に敷設されてあれば風評被害など防ぐことは到底できない。
被告には県民の安全・安心な生活環境の保全を確保する責務があるはずである。
被告は続けて次のとおり陳述している。
「しかし、以下に述べるとおり、本件農道の下層路盤材として用いられたブレンド骨材に含まれている鉄鋼スラグが特別管理産業廃棄物に該当するとしても、廃棄物処理法上の改善命令や措置命令によって当然に撤去が求められるわけではなく、本件農道に関しては、撤去せずに舗装工事を施工することも合理性があったから、本件農道舗装工事は最小経費最大効果の原則に反しないものというべきである。」
原告は被告のこの主張に対して次のとおり反論する。
不適切に処分された産業廃棄物は、特別か否かにかかわらず廃棄物処理法に従い適正に処理しなければならない。ましてや鉄鋼スラグが特別管理産業廃棄物に該当するなら、同施行令第7条第1項第14号イに定める遮断型最終処分場に最終処分しなければならない。さもないと、廃棄物処理法第1条の目的は到底達成できない。具体的には新聞記事(甲70号証)で報道されている小林製工運送の最終処分場のように取り返しのつかない地下水汚染を引き起こすおそれがある。
<P6>
2 「第2 改善命令(廃棄物処理法19条の3)について」への原告の反論
被告は「1 改善命令(廃棄物処理法19条の3)とは、事業者や廃棄物処理業者等で産業廃棄物処理基準又は産業廃棄物保管基準が適用される者により、当該基準に適合しない廃棄物の保管、収集、運搬又は処分が行われた場合に、市町村長や都道府県知事等において、当該者に対し、廃棄物処理の方法の変更その他必要な措置を講ずべきことを命ずるものである。この改善命令は、公衆衛生の向上や生活環境の保全を目的として、将来に向け再びその違法な処理状態そのものが継続しないようにするものである(乙25・375頁参照)。」として「2 これを本件についてみると、本件農道の下層路盤材として用いられるブレンド骨材に含まれる鉄鋼スラグの敷設又は舗装については、産業廃棄物処理基準又は産業廃棄物保管基準が適用される者の行為でないため、改善命令の対象ではない。」とその主張を陳述している。
原告は被告の主張に対して次のとおり反論する。
甲15号証3頁の試験成績表を見ると、「再生砕石40~0」が材料として(株)佐藤建設工業によって搬入されていることが分かる。また、「備考欄」をみると「スラグ15%混合」との記述が見られる。原告準備書面(1)で述べたようにこの再生砕石は正規の再生砕石ではなく、許可の範囲を超えて不適法に処理された廃棄物を15%程度、天然石と混合したシロモノである。また敷設されたブレンド骨材は混合率など管理されてなく100%に近い現場もある(甲43号証)。
原告は平成26年6月、被告吾妻農政事務所をたずねて東吾妻町萩生川西地区の農道工事現場を教えてもらい、同現場を視察した結果、現場の農道の敷砂利に使われているシロモノは不適法な廃棄物であることを確認した。そのうえで、吾妻農業事務所に電話をして、担当責任者に丁寧に説明し、撤去を求めた。
その後、平成28年8月佐藤建設工業が廃棄物処理の許可を取り消す行政処分を被告から受けた(甲73号証)。その処分理由として「株式会社佐藤建設工業が許可を受けている産業廃棄物収集運搬業の事業範囲に鉱さいは含まれていないほか、同社が許可を受けている産業廃棄物処分業は、がれき類の破砕のみであり、許可なく事業の範囲を変更した。」とある。このことから、平成26年6月に原告が被告に行った説明の正しさが、立証されたことが分かる。
本件農道工事については、様々な材料を使い南波建設(株)が工事を完成させた。群馬県
<P7>
の工事のマニュアルである群馬建設工事必携には廃棄物の処理及び清掃に関する法律を遵守しなければならないとの規定がある(甲47号証)、建設材料を選定する際には、発注者の被告群馬県農政部とともに、廃棄物処理法に違反した材料を使用しないよう留意しなければならない。
(株)佐藤建設工業は、甲73号証によると許可なく事業範囲を変更しており、産業廃棄物処理基準が適用される者であり、原因者として不適正に処理された廃棄物を撤去する責任があることから、同社にその責任を負えない事情があるときは、工事受注者の南波建設が、廃棄物処理法に違反した建設材料を撤去の上、工事を完成させなければならない。さもないと、甲70号証の報道のように、萩生川西地区の農道でも地下水汚染が拡大するおそれがある。
3 「措置令令(廃棄物処理法19条の5及び同条の6)について」への原告の反論
被告は「1 産業廃棄物に係る措置命令は、産業廃棄物の既に行われた違法な処理に起因して生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがある場合に支障を除去するため、違法な処理をした者や違反行為に関与した者に対し、必要な措置を命ずるものである(廃棄物処理法19条の5、乙25・383ないし384頁参照)。また、排出事業者に対しては、違反行為への関与がない場合であっても、一定の要件の下に措置命令を発することができるものとされている(同法19条の6、 乙25・386頁参照)。」とし、さらに「2 措置命令を発令する要件である「生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認められるとき」(廃棄物処理法19条の5第1項柱書)とは、人の生活に密接な関係がある環境に何らかの支障が現に生じ、又は社会通念上そのおそれがあると思料するに相当な状態が生ずることをいうものと解されている(乙25・378頁)。」と主張する。
続けて被告は「また、措置命令は、『必要な限度において』(同法19条の5第1項柱書)発令することが認められているところ、この点に関しては、支障の程度及び状況に応じ、その支障を除去し又は発生を防止するために必要であり、かつ経済的にも技術的にも最も合理的な手段を選択して措置を講ずるように命じなくてはならないものとされ、具体的には、例えば、最終処分場において、浸出液により公共の水域を汚染するおそれが生じている場合には、遮蔽工事や浸出液処理施設の維持管理によって支障の発生を防止できるときは、まずその措置を講ずるように命ずるべきであって、これらの方法によっては支障の発生を防止できないときに初めて、処分された廃棄物の徹去を命ずるべきであると解されて
<P8>
いる(乙26・27頁)。」との主張を陳述している。
原告は被告の主張に対して次のとおり反論する。
萩生川西地区の大同スラグが敷設された農道は、最終処分場ではないので、例示として最終処分場を持ち出すべきではない。そもそも、萩生川西地区の農道工事に伴って使用された偽装再生砕石をめぐる本事件において、遮蔽設備や浸出液処理施設のごとき設備維持管理の話を出されても困るのである。萩生川西地区の本件農道工事現場は、群馬県が誇る豊かな農業環境に恵まれた地区内にある農道であり、最終処分場と勘違いされては困惑を招くだけである。
次に被告は「3 これを本件についてみると、まず、本件農道の下層路盤材に混合されている鉄鋼スラグに起因して、人の生活に密接な関係がある環境に何らかの支障が現に生じている事実はない。」と陳述している。
原告は被告のこの主張に対して次のとおり反論する。
甲70号証の報道にあるように、専ら大同スラグを埋め立てした最終処分場から取り返しのつかない地下水汚染が広がっている。人の生活に密接な関係がある環境に支障が現に生じている事実が厳然として被告の前に提示されているではないか。
続けて被告は「そこで 、通常人をしてそのおそれがあると 思わせるに相当な状態が生じているかを検討すると、①萩生川西地区県営農地整備事業の中で本件農道整備工事と同時期に施工された農道から試料を採取して実施した調査において、いずれも基準値¹を下回っていたこと(乙14・25頁)、」との主張を陳述している。
¹ここで採用された基準値は、JIS A5015道路用鉄鋼スラグ環覚安全品質基準及び土壌汚染対策法施工規則の定める基準値である(乙14・3頁)。
原告は被告の主張に対して次のとおり反論する。
甲64号証の環境科学の専門家の知見にもあるとおり、基準値(0.8mg/L)以内と言ってもフッ素濃度は0.76mg/Lと比較的高いレベルであったことから安全と結論付けるのは早計である。
また被告自身が甲57号証でフッ素による土壌汚染のおそれに言及している。群馬県内
<P9>
の廃棄物の監督官庁である被告群馬県環境森林部が「おそれ」に言及したのであるから、もはや基準値をわずか下回ったことなど意味がないのではないか、甲70号証に報道された最終処分場のように地下水汚染が懸念される。
同じく被告は「②これまで、大同特殊鋼株式会社から排出された鉄鋼スラグが混合されているブレンド骨材が使用された群馬県内の場所に関し、土壌汚染対策法に沿って実施された地下水検査においてこれまでに基準値を超過した地点はないこと、」と主張している。
原告は被告のこの主張に対しても次の通り反論する。
甲70号証に報道された小林製工運送の最終処分場から、大同スラグに特徴的な有害物質が地下水から検出されている(甲72号証)。萩生川西地区の本件農道の場合、特に大同スラグの混合率が高く、支道27号線などは、100%大同スラグ砕石が敷設されているので、地下水汚染が著しく進んでいるおそれがある。また土壌汚染対策法に沿った地下水検査などを選択的に実施するのではなく、不適法不適切に処理された廃棄物については例外なく、廃棄物処理法に則り、適切に廃棄物を処理しなければならないのであり、被告にはぜひそのことを例外なく排出者・原因者に実行させてもらいたい。
同様に被告は「③原告らの主張も、『これから先、何年にも渡って起こる可能性を孕む新たな土壌汚染の発生」(原告らの平成29年3月31日付け原告準備書面(13)5頁・15行日)、「土の部分から雨水が浸入し、ブレンド骨材の有害物質が新たな土壌汚染や地下水汚染を引き起こす恐れがある 。」(同7頁7行日以下)、擦り付けた土は厚さが薄く、いずれ浸食によりブレンド骨材が露出する恐れがある」(同8頁下から3行日)などを総合すると、通常人をして人の生活に密接な関係がある環境に何らかの支障が生ずるおそれがあると思わせるに相当な状態が生じているとは言えない 。
原告は被告のこの主張に対して次の通り反論する。
原告や県会議員の丁寧な“スラグを撤去させてからの本件農道舗装”のお願いに耳を傾けず、廃棄物に土をかぶせて蓋をしておきながら、「通常人をして人の生活に密接な関係がある環境に支障が生ずるおそれがあると思わせるに相当な状態が生じているとは言えない。」とは、自分の行動を歪めて美化するにもほどがある。土壌汚染や土壌汚染を起因として引き起こされた水質汚染について、土をかぶせたり舗装で蓋をして隠れて見えないからと言って、「通常人には支障がない」とはいかなることか。地下水脈は通常人をして目に見えずどこ
<P10>
をどの様に流れているか計り知れない。甲70号証に報道された小林製工運送の最終処分場のように仮に地下水が汚染されたら萩生川西地区の農業地帯のあちこちから汚染した地下水が浸み出しているのがいつ公になるかもしれないのだから、今のうちに汚染原因物質を撤去するのが根本的な対策なのではないのか。さもないと、同地区の営農環境は壊滅的ダメージを被り、取り返しのつかない事態を招くのではないか。
被告はさらに続けて、「また、支障を除去する方法の選択の観点からも、大同特殊鋼株式会社から排出された鉄鋼スラグが混合されているブレンド骨材が下層路盤材等に使用された問題に関しては、技術的な基準が規定されている土壌汚染対策法を参考に、使用された場所ごとに鉄鋼スラグの性状や使用状況等に応じて対応策を検討するのが相当であるところ、本件農道舗装工事は、環境省が定めた「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)」(乙22)に準拠しており、支障の程度及び状況に応じ、その支障を除去し又は 発生を防止するために必要であり、経済的にも技術的にも最も合理的な手段といえる。したがって、本件農道に関しては、「生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがある場合」(廃棄物処理法19条の5第1項柱書)の要件を充たさず、また、本件農道舗装工事は「必要な限度」(同法19条の5第1項柱書)の措置と認められ,最少経費最大効果の原則に反しない。」とその主張を陳述している。
原告は被告の主張に対して次の通り反論する。
甲58号証は被告が示した乙22号証「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)」の冒頭部分であるが、そこには「1.1.1 土壌汚染対策法の目的」が示されている。それによると、まず「『①新たな土壌汚染の発生を未然に防止する』ために、廃棄物の処理及び清掃に関する法律により対処することになる。」と書かれている。
大同特殊鋼株式会社から排出された大同スラグが混合されているブレンド骨材が下層路盤材等に使用された問題に関して、支障を除去する方法の選択の観点からは 、「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)」の目的が示す通り、汚染源たる有害な大同スラグを廃棄物の処理及び清掃に関する法律により対処する。具体的には撤去のうえ適切な処理施設に処理することが 、その支障を除去し又は発生を防止するために、経済的にも技術的にも最も合理的な手段といえる。汚染が土壌や地下水に広がってからでは、撤去する物質の量が莫大になり経済的であるはずがない。
そもそも被告は、「1.1.1 土壌汚染対策法の目的」①に示された土壌汚染源たる大同スラ
<P11>
グの対処を怠っていることを、深く肝に銘じなければならない。
4 「第4 小括」への原告の反論
被告は「第4 小括」として「以上のとおり、本件農道のブレンド骨材の敷設又は舗装は、廃棄物処理法上の改善命令(同法19条の3)は対象外であり、また、措置命令(同法19条の5)本件農道に関しては ,「生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがある場合」(廃棄物処理法19条の5第1項柱書)の要件を充たさず、また、本件農道舗装工事は「必要な限度」(同法19条の5第1項柱書)の措置といえるため、最少経費最大効果の原則に反しないことは明らかというべきである。」とその独自の主張で締めくくっている。
原告はこの被告の呆れた主張に対して次の通り反論する。
甲70号証に報道された小林製工運送の最終処分場に改善命令を発出したように、本件農道に廃棄物が不適切に敷設されているので、なるべく早く廃棄物処理法よる措置命令を発出してもらいたい。
5 「第5 本件鉄鋼スラグが特別管理産業廃棄物に当たらないこと」への原告の反論
被告は末尾に「なお、原告らは、原告らの平成29年3月31日 付け準備書面(13)及び同年5月31日付け準備書面(14)において、本件鉄鋼スラグにはフッ素が含まれているから特別管理産業廃棄物(廃棄物処理法第2条第5項)に該当する旨主張する。しかし、「鉱さい」の特別管理産業廃棄物該当性については、廃棄物処理法施行令第2条の4第5号へが、第2条第88に掲げる廃棄物(事業活動に伴って生じたものに限る。以下「鉱さい」という。)(環境省令で定める基準に適合しないものに限る。)及び当該鉱さいを処分するために処理したもの(環境省令で定める基準に適合しないものに限る。)と規定し、これを受けて、廃棄物処理法施行規則第1条の2第8項が令第2条の4第5号への鉱さいに係る環境省令で定める基準は、当該鉱さいに含まれる判定基準省令別表第一の一の項から二の項まで、五の項、六の項及び二三の項の第一欄に掲げる物質ごとにそれぞれ当該各項の第二欄に掲げるとおりとし、令第2条の4第 5号への鉱さいを処分するために処理したものに係る環境省令で定める基準は、当該処理したものが、廃酸又は廃アルカリの場合は当該廃酸又は廃アルカリに含まれる別表第二の一の項から二の項まで、五の項、六の項及び二二の
<P12>
項の第一欄に掲げる物質ごとにそれぞれ当該各項の第二欄に掲げるとおりとし、廃酸又は廃アルカリ以外の場合は当該処理したものに含まれる判定基準省令別表第六の一の項から三の項まで、五の項、六の項及び二三の項の第二欄に掲げる物質ごとにそれぞれ当該各項の第三欄に掲げるとおりとすると規定している。そして、上記規定において委任されている判定基準省令とは、「金属等を含む産業廃棄物に係る判定基準を定める省令」であるところ、この別表第一の一の項から三の項まで、五の項、六の項及び二三の項にはフッ素は挙げられていない。したがって、フッ素が含まれているから特別管理産業廃棄物に該当する旨の原告らの主張は誤りである。」と、これまた独自の主張を陳述している。
これに対して原告は次の通り反論する。
原告も別表にフッ素が挙げられていないことは、既に読み込み済みである。しかし、本件鉄鋼スラグは次の事由を鑑みれば、誰が何を言おうと特別管理産業廃棄物に該当するのである。
①廃棄物処理法第2条第5項が「この法律において『特別管理産業廃棄物』とは、産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものとして政令で定めるものをいう。」と規定し、産業廃棄物には特別管理産業廃棄物とそれ以外の産業廃棄物の二種類しかないこと。
②甲48号証に環境基本法(平成5年法律第91号)第16条第1項による土壌の汚染に係る環境上の条件につき、人の健康を保護し、及び生活環境を保全するうえで維持することが望ましい基準が示されていること。なお、これは環境省の告示である。
③甲62号証に同じ「鉱さい」の分類である石綿含有廃棄物を溶融したことにより生じた「鉱さい」にフッ素の基準値が示されていること。基準値を下回れば廃棄物施行令第6条第1項第三号イに掲げる安定型産業廃棄物として環境大臣が指定する産業廃棄物になるという環境省の告示であるが、廃棄物施行令第6条第1項第三号イには、それが特別管理産業廃棄物以外のものという説明が記述されていること。
被告は、「(原告は)準備書面(14)において、本件鉄鋼スラグにはフッ素が含まれているから特別管理産業廃棄物(廃棄物処理法第2条第5項)に該当する旨主張する。」と主張する。だが原告としては、そんな単純な理由により主張するのではない。
本件鉄鋼スラグ=大同スラグにより土壌を汚染するおそれがあり、さらに地下水をも汚染するおそれがあるのであるから、廃棄物処理法第2条第5項に規定する、人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有しているから特別管理産業廃棄物に該当
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する旨、原告として主張するものである。
甲31号証で「フッ素により土壌を汚染するおそれがある」と述べたのは被告群馬県である。「おそれ」があれば、廃棄物処理法は特別管理産業廃棄物だと法定されている。
第3 まとめ
萩生川西地区の農道には大同特殊鋼渋川工場から排出された有害な大同スラグが大量に敷設してあり、敷砂利工か下層路盤工かにかかわらず、小林製工運送の最終処分場のように地下水汚染を引き起こす可能性が高い。
どうやら被告群馬県は大同スラグに対し、特別な忖度があるように推察されるが、今対策しなければ同地区の営農環境は壊滅的被害を受けることになる。今回、大同スラグの撤去対策を実施せずに先送りした場合、安全・安心な生活環境への支障の除去を将来にわたり担保することは、技術的にも予算的にも容易ではない。次の世代に負の遺産を遺そうとせず、被告は、本件農道現場のみならず県内各地の同様な大同スラグの敷設現場において、今すぐ原因者に大同スラグを撤去させるよう命じなければならない。
そして、東吾妻町の本件農道については、大同スラグの撤去を命じると共に、原告の再三の要請を無視して本件農道舗装工事を決裁した吾妻農業事務所長に対して、被告は本件工事で支出した公金分を損害賠償請求しなければならない。
以上
*****証拠説明書(甲70~73)*****PDF ⇒ b7073170831ver4.pdf
事件番号 平成27年(行ウ)第7号 住民訴訟事件
原告 小 川 賢 外1名
被告 群馬県知事 大澤正明
平成29年8月31日
前橋地方裁判所民事2部合議係 御中
証拠説明書(甲70~73)
原告 小 川 賢 ㊞
原告 鈴 木 庸 ㊞
●号証:甲70
〇標目:新聞記事(平成29年8月24日付朝日新聞朝刊群馬版)
〇原本・写しの別:写し
〇作成年月日:平成29年8月24日
〇作成者:朝日新聞社
〇立証趣旨:専ら大同特殊鋼渋川工場から出た鉄鋼スラグなどを埋め立てている最終処分場で、直下の地下水から環境基準の8倍を超える有害物質が検出されたとする新聞記事。スラグが埋設された最終処分場から地下水汚染が発覚したことで、萩生川西地区に敷設されたスラグからも地下水を汚染することが容易に想定できる。
●号証:甲71
〇標目:小林製工運送㈱の特定事業許可に係る申請書類に関する公文書部分開示決定通知書と関連文書(抜粋)
〇原本・写しの別:写し
〇作成年月日:平成29年7月24日
〇作成者:被告廃棄物・リサイクル課
〇立証趣旨:1頁:被告の公文書部分開示決定通知書により公表された書類である。即ち被告が保有している情報が部分開示されたことを示す。
2頁:最終処分場の地域住民から事前に受けた問い合わせに対する大同特殊鋼からの回答を示す。
・専ら大同特殊鋼から排出されているもののみが搬入されていることが分かる。
・鉱さいについて、一部埋め立てている他は殆ど全て工場内でリサイクルしていることが記載され、廃棄物を無許可でリサイクルしていることをほのめかしている。即ち、実態と異なる説明が記されている。
・処分場の経緯が記載されているが、改善命令を受けていた事実について何の記述もなく、当該事実に触れられていない。
3頁:小林製工運送が平成22年12月7日付で被告に提出した産業廃棄物処理施設変更申請書を示す。
・処理する産業廃棄物の種類に鉱さい(無害)をはじめ無害を強調するものばかり記載されているが、無害のものからなぜか地下水が汚染されてしまったわけで、大同スラグの有害性の実態がまざまざと露呈したことが分かる。
・変更の理由に平成10年の新構造基準にあわせて安全性を高めるためとあるだけで、被告群馬県から改善命令を受けたことには微塵も触れられていない。被告は当然このことを知っていながら、黙認していたことが分かる。
4頁:大同特殊鋼が平成20年7月19日に群馬県に提出した計量証明書。処分場の浸出水から環境基準値を超えるフッ素9.3mg/L、六価クロム0.44mg/Lが検出されていることが分かる。この二つの有害物質は大同特殊鋼由来のスラグから特徴的に検出されている。
●号証:甲72
〇標目:地下水の水質汚濁に係る環境基準(抜粋)
〇原本・写しの別:写し
〇作成年月日:平成9年3月13日
〇作成者:環境庁(現・環境省)
〇立証趣旨:環境基本法第16条の規定に基づく水質汚濁に係る環境上の条件のうち、地下水の水質汚濁に係る環境基準。「第1 環境基準」に「すべての地下水につき」とあり、最終処分場であろうと萩生川西地区の農道であろうが、六価クロムやフッ素の環境基準がどの地下水に対しても適用されなければならないことが分かる。
●号証:甲73
〇標目:【8月4日】産業廃棄物処理業者に対する行政処分について
〇原本・写しの別:写し
〇作成年月日:平成28年8月3日
〇作成者:被告廃棄物・リサイクル課
〇立証趣旨:(株)佐藤建設工業が産業廃棄物の運搬や処分の許可を、被告から取消される行政処分を受けたことが分かる。これにより、萩生川西地区の農道に敷設されたスラグが許可の範囲を超えた不適法な廃棄物であることや、(株)佐藤建設工業は産業廃棄物処理基準が適用される者であることが分かる。
以 上
*****甲70号証*****
PDF ⇒ b70vl.pdf
*****甲71号証*****
PDF ⇒ b71hj.pdf
*****甲72号証*****
PDF ⇒ b72n.pdf
*****甲73号証*****
PDF ⇒ b73hs.pdf
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