市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

太田市営富沢団地の共益費の不正疑惑について清水市長に実態解明調査依頼書を郵送で提出

2018-07-22 22:23:00 | オンブズマン活動

■戸数の多い都市近郊部の自治会は、自治体からの補助金が多額に上るため、その会計処理には十分な透明性が求められます。ところが、全国各地から自治会長や会計責任者ら幹部がからむ不正会計疑惑の報告が全国市民オンブズマン事務局に寄せられており、昨年と一昨年の全国大会では、分科会で「町内会」」が取り上げられ、全国から集まったオンブズマンの皆さんから実態報告がありました。群馬県でも前橋市広瀬町三丁目、桐生市第十一区(境野町)、みどり市大間々町13区の区長や会計責任者ら幹部や自治体から派遣された公民館長らによる不正会計事件が発生しています。おそらく水面下ではさらに酷い状況が発生しているものと推定されます。今回は、太田市の当会会員らから、太田市営富沢住宅団地を巡る共益費の不正疑惑について問題提起があり、当会で予備的な調査をしたところ、幾つか疑問点が判明しました。そこで先日7月9日付で、太田市の清水市長あてに同団地の共益に係る不正疑惑調査を依頼する書状を発出しました。

太田市営富沢団地。太田市HPより。以下同様。








富沢団地の住宅配置図。

*****太田市長あて調査依頼書*****PDF ⇒ 20180709csixcnj.pdf
<P1>
                              平成30年7月9日
〒373-8718
群馬県太田市浜町2番35号
太田市長 清水 聖義 様
                     〒 371-0801
                     群馬県前橋市文京町1丁目15 番10号
                     市民オンブズマン群馬
                     代表 小川 賢
                     TEL: 027-224-8567(事務局)/
                        090-5302-8312(代表小川)
                     FAX: 027-224-6624

   市営富沢団地の共益費の不正疑惑について(調査のお願い)

拝啓 日々益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
 さて、表記に関して、地元の会員らから巷間情報を入手したところ、いくつかの疑惑が発覚しましたのでご報告いたします。実態を調査のうえ、早急に問題点を確認いただき、必要な措置を講じていただけますようお願い申し上げます。
 なお、調査の進捗経過および調査結果については、都度、当会にご連絡くださるよう合わせてお願いいたします。

疑問点1:高額な共益費について
 富沢団地は全戸で291戸ありますが、現在空室もあります。なお、共益費は2018年7月から銀行の引き落としになる予定です。
 団地の共益費は月3,000円ですが、なぜかエレベータ棟では月2,500円となっています。電気を余計消費するはずのエレベータ棟のほうが500円安いのは疑問です。
 一方、団地の自治会費は4月から9月までが1,500円、10月から3月までが1,500円で、ほかに体協費として、300円が、毎年徴収されます。このことから、どうみても共益費の月3,000円というのは高すぎます。また、毎年4月に自治会の会計報告が回覧板で縦覧されるのに対して、共益費は回覧板では縦覧されません。このことからも、共益費の透明性が疑問視されます。

疑問点2:共益費の決算内容について
 最近の富沢団地共益費決算報告によると「収入の部」では、毎年200万円近い前年度からの繰越金と、700万円近い収入があります。前述の通り全部で団地の戸数は291戸で

<P2>
すが、空室もあります。毎月3千円ですと1戸当たり年間3万6千円なので、全戸では1047万6千円となります。したがって、空室率は約3分の1に及びますが、これも実態とあっているのかどうか、当会では把握できません。
 また「NTTグンマBフレッツ電気代」として1号棟から18号棟で約25万円になるようですが、フレッツの工事は無料のはずですので、「電気代」というのが一体何を指しているのか、疑問があります。
 さらに「支出の部」に、電気代などの項目について掲載されていますが、実態としては、一部の入居者が自宅に勝手に引き込んだりして悪用しており、このことを住民が 自治会役員に通報しでも、自治会幹部は全く動こうとせず、逆に通報した住民に嫌がらせをする有様だということです。
 会計監査として、「石川彰」1名がいるようですが、これも不信感があります。この御仁は現在、副会長だからです。

疑問点その3:今年7月か らの共益費改訂が示す疑問点 について
 前述のとおり、団地の共益費は月3,000円ですが、なぜかエレベータ棟では月2,500円となっています。電気を余計消費するはずのエレベータ棟のほうが500円安いのは疑問です。ところが、今年7月から共益費が口座振り込みとなったのを契機に、エレベータ棟が2,500円から100円安の2,400円に、エレベータなしの棟が3,000円から500円安の2,000円に引き下げられました。エレベータ運転のための電気代がかかることから、改訂後の価格設定は、以前よりも妥当と感じられますが、それなら、なぜこれまではエレベータ棟の共益費が安かったのか、説明がつきません。口座振り込みに切り替えられたことから、以前の共益費の運用に不信感が湧いてきます。

疑問点その4:共益費の内訳情報の不開示について
 団地の決算報告の「支出の部」では、「浄化槽保守点検業務委託費(前期)」「同(後期)」「電気代」「水道代」「電球代」「ゴミ袋代」「草刈機燃料代」「清掃用品代」「事務用品代」などの項目がありますが、このうち、電気代、水道代、電球代、ゴミ袋代、草刈機燃料代、清掃用品代、事務用品代については特定の入居者が勝手に自宅用に費消している疑惑が取りざたされています。しかし、領収書など使途の分かる情報は住民に開示されたことはあり ません。
 電気代は年間600万円近くに上るようです。1か月あたり、50万円に上りますが、電気代の内訳が住民に開示されたことは一度たりともありません。電気代の内訳として考えられるのは、集会室、共有灯、ポンプ室、排水処理施設がありますが、これらの電気代の支出明細がなぜ公開されないのでしょうか。行政側の貴殿には報告がされているのであれば、それらを住民に開示することが必要です。
 水道代についても、集会室、公園、散水栓、ゴミ置き場ごとの使用料の住民への開示があ

<P3>
りません。行政側の貴殿に報告があるはずですので、それらを住民にも開示することが開かれた団地自治会にとって不可欠です。

疑問その5: 役員の指名権者について
 組長以外の役員は、会長からの指名で決められているようです。こうしたやり方ですと、不正の温床になりかねません。実態を調査する必要があります。

                                    以 上
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■太田市には平成30年7月17日現在、次の3地区に合計33カ所の市営住宅団地があります。

*****太田市市営住宅一覧*****PDF ⇒ 20180717_ohtasi_sieijuutaku_no_akijoukyou.pdf
<太田地区>27団地、計2525戸
東別所、新牛沢、宝泉、浜町、韮川、大島、矢場、新井、韮川南、強戸、飯塚、成塚、富沢、牛沢、龍舞、韮川東、岩瀬川、東本町、新島、本陣、東長岡、高原、石原、まちなか(子育て支援住宅。平成42年1月末まで借上げ市営住宅として供給)、鳥之郷南、鳥之郷、岩瀬川(特公賃)
<尾島地区>3団地、計179戸
岩松、粕川、軽浜
<新田地区>2団地、計96戸
新田木崎、新田上田中
※注:エレベータ付の住宅は富沢(4・10・17号棟)・東本町・本陣・まちなか市営住宅。
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 こうした団地や自治会では、戸数が多いと、住民からの会費に加えて、行政からも多額の報酬や補助金、手数料等が払い込まれるため、その取扱いには十分な透明性が求められます。ところが、こうした公金の扱いについて、住民が関心を示さずにいると、一部の役員が自治会長などの要職を長期にわたり独占し、腐敗の温床となる事例が冒頭で示した通り、全国各地で発生しており、群馬県内でも表ざたになっています。

 そのため、会計報告が十分でない自治会の不透明な運営に住民が疑問を抱いて、自治会長を委嘱する側の自治体に対して、公金の使途についての会計報告を求めても、「自治会のことは住民の自治だから干渉しない」などとして、極めて消極的になります。

 自治会長には選挙の際の票の取りまとめなど、市長としても選挙のことが脳裏をよぎるのか、長期間、同じ自治会長に委嘱状を平然と交付することも珍しくありません。

 こうして、行政と一部自治会役員との間の癒着が起きることになります。

■今回の太田市営富沢住宅団地における問題点については、少しリードタイムを取った後、太田市に対して調査結果をヒヤリングしたいと思います。

【市民オンブズマン事務局からの報告】

※参考情報「平成29年度全国市民オンブズマン和歌山大会」の分科会「町内会」資料
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〇2017年9月5日:第24回全国市民オンブズマン和歌山大会参加報告
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2405.html

 このなかで、当会は前年に続き「町内会」分科会に参加しました。レジメは次のとおり。
●町内会分科会 PDF ⇒ 2017090305w.pdf

 各地からの主な報告資料は次のとおりです。
●春日原自治会を考える会 PDF ⇒ 2017090305itlj.pdf
●奈良県K自治会補助金詐欺事件 PDF ⇒ 20170903061_naraken_k_jichikai_hojokin_sagi.pdf
20170903062_naraken_k_jichikai_hojokin_sagi.pdf
●大野城市の住民自治を考える会 PDF ⇒ 2017090307iszlj.pdf
●広島市東区早稲田社協 PDF ⇒ 201709030801ilscj.pdf
201709030802ilscj.pdf
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